満足度★★★★★
刈馬演劇設計社「誰も死なない」観ました
【時間がなくて、当時のツイートをコピペ。時間ができたら書き直します】
刈馬演劇設計社「誰も死なない」、渦巻きのような、空っぽの中心の回りで暴れ回る奔流。一人離れて見下ろす杭。結局、誰も救われてはいないのか。生者は死者を、いつか忘れるだろう…それが救いか。佐野ちゃんの眼の見開きっぷりや、ラストのスージーの暴走が見物ww
不確かなアイデンティティを支えてくれる幻想や思い込みに縛られ、同族相手に繰り広げられる生き死にかけた争いも、見慣れた端から見れば茶番劇のように見えるのでは(笑いどころ多いし)。刈馬演劇設計社「誰も死なない」
満足度★★★★★
世相の怖さを的確にすくい取った秀作
やっぱり刈馬さんの脚本は緻密ですね。登場人物達の隠された背景と内に秘める心情の謎解きがコメディも交えながら進むサスペンスを楽しませてもらいました。
サスペンス的な進行が基調なのは共通しますが、「76をめぐる暴言」ほどの猟奇感は表面上はないので、一般に受け入れやすいものに仕上がっていると思います。ただ、よくよく考えれば、たった1作で長期にあれほど入れ込む女性が4人もいて、それが如何にも不自然に見えない(実際にいそう)あたり、今の世の中も相当尋常じゃない・・・。本作も現代の世相の怖さを的確にすくい取った秀作と思います。
なお、今回は美術も度肝を抜かれて、舞台全面に吊るされる千羽鶴が全ての登場人物の積み重ねた辛さと苦労と想いを良く表現していました。