ファーム 公演情報 ファーム」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 18:30。
    後ほど。

  • 満足度★★★★

    変態なのは誰なのか
    わかりやすい!! サンプル史上、最大の分かり易さ。

    と、無邪気に分かった気になるのは明らかに作家の術中に陥っているわけで、分かり易さのうらにある、自分の変態さ加減を正しく認識できていない人たちが織りなす喜劇が空恐ろしい作品だなぁ、と。

    この物語を外側から「喜劇」と観ているあなたは、自分の変態さを正しく分かっているの?というところまで含めて、この芝居の世界なのかな、と思うと、壮大かつ空恐ろしい芝居ができあがったかな、と思えて、すごーく面白い。

    サンプルの初期作品である「地下室」も分かりやすい作品で、でも、ラストで「リサイクル」という概念を通常のレベルから一段深みに落っことして、芝居の全レイヤーをドカンと一段深いところに一瞬にして構築し直す、という、演劇構造としても明解な作りになっているのと比較して、「ファーム」は、分かり易さはそのままに、芝居の世界の作りは、額面通り受け取ってもよし、ひねくれて受け取れば、また、もっと深い別の世界が存在しているような構造で、「地下室」から360度一回りしているんだけど、らせん階段で1レイヤー上に上がった作品のような印象を受けた。

    っていうか、かなり小難しくなりそうな物語を、そして、小難しくしてしまえばその方が楽そうな物語を、ギリギリのところで「分かりやすい」と感じさせる展開で危うく保っているのは、作家の想像力の強さ、想像した世界が明確に見えている、ということなんだろうなと、感心しました。これは、すごい。

    あと、終盤に突然現れるビジュアルの美しさ。ストーリーでは「惑わす人」が醸し出す突然の美しさで、物語上も美しく在らねばならない人が突然美しいビジュアルを作り出すわけで、このシーンだけでも鳥肌もの。細切れで唐突なシーンが、背後の世界ではちゃんとつながっているのも見事。

  • 満足度★★★★

    リボーン
    面白い。105分。

    ネタバレBOX

    父(古屋隆太)…生物科学者。天才。インポ。家庭を顧みず研究に打ち込んだ。
    母(町田マリー)…父が離婚しないため、パート先の店長と結婚できない。OL時代、ピル飲んで不倫してた。
    息子(奥田洋平)…ファーム。老婦人と結婚して、癌で死んだ。
    老婦人(羽場睦子)…息子の犬の目玉を植える。
    ゾーン・トレーナー(野津あおい)…店長の入信するバーのママ。
    店長(金子岳憲)…バツイチ店長。息子にダメ出しされ、母ともSEXできず、悩む。自称、生まれかわった。

    成長早くて、体内で細胞を組成(再生)させることのできる特殊なファームを中心に描く群像劇。
    父、母が仕事に打ち込んだり離婚でモメたり不倫したりと「一般」なところで右往左往してる中、人間であり治療器具でもある特異な息子の泰然自若なふるまいがユニーク。息子を家族だと一方的に慕う老婦人と本当の家族となった息子が「一般」な人間として死んでいく様(ゾーントレーナーの舞)に不思議な感覚に魅せられた。
    息子が自分の存在をどう思っていたのか、店長が生まれ変わったように、生まれ変わりを期待していたように感じた。

    町田マリーの美人奥さんな感じがいい。老婦人役の羽場の異常と人間味が同居した演技が上手かった。可動机はシンプルな見た目ながら、最終的な祭壇の姿が美しく見えた。
  • 満足度★★★★

    SF会話劇で頭の体操
    色々考えられて面白かった!人工的な箱庭での家庭劇。不妊、離婚調停などの身近で緻密なドラマに遺伝子操作、人工生命といった近未来の課題が織り込まれる。親しみやすい導入から刺激的な頭の体操へ。いつものサンプル色も健在だが一般客にもお勧めしやすい。約1時間45分。

    ネタバレBOX

    四隅に置かれた家電が人間の労働力の代替品の象徴だとすると、ステージに居るファーム(と呼ばれる男性)もまた、人間の生殖を請け負った物体なのかな。

    家電にも天井からつりさげられた照明にも、緑のつたが絡まっている。人工物と自然の対比と思い行きや、その緑もまた人工物だった。舞台上の俳優たちも、人工物のように見えてくる。

    また男性器が出てきて…やっぱり一般の人にはお勧めしづらいと思った(笑)。
  • 満足度★★★★

    人間って
    生まれて生きて…人と人とのかかわり…それぞれ自己があるわけだし…でもなんらかのつながりがあって…ゾクゾクっと感じました。いきました!!

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