トウサンの娘たち 公演情報 トウサンの娘たち」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.5
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  • 満足度★★

    未消化
     西田 幾太郎とその家族、人脈を描くことで、大正中後期から2.26を経て政府が軍部の傀儡と化して行く迄を描いた作品。「善の哲学」で有名な西田の親族、弟子らは、当然、ドイツの名門大学に留学、フッサール等、当時超一流の哲学者から薫陶を受けていたが、その一方、大日本帝国は、満州建国以来の欺瞞的植民地経営で亜細亜諸地域に反日の芽を育んでいた。本土では治安維持法や共謀罪などの成立が、国民の自由を奪い、天皇、裕仁を現人神と称える天皇ファシズムがその猛威を増していた。
     本来なら今作、丁度、現在、愚か極まる、アメリカの犬、安倍が推進している「国家」滅亡策に対する批判を込めて上演されているハズだが、キャスティングミスが祟ってプロンプターが多用されるなど、作品自体、現象学以降のヨーロッパ哲学に、西田哲学、鈴木 大拙などの禅、更には旧帝大、殊に京都帝大の名誉教授となった西田の人脈の社会的位置等に鑑み、演出、演技には、相当な修練を要するものなのに、内容を伝える為の技術が余りにお粗末。高度な作品にチャレンジするが、未消化で寸足らずの舞台になってしまった。激動の時代を背景にしていることもあり、演出、演技がキチンとしていれば、面白い舞台になったであろうに、科白が入っておらず、間もグチャグチャでは、話の外である。勉強も練習も足りない。

  • 満足度★★★

    勿体なさすぎ
    最前列で観劇したが、プロンプターの声が…。
    トウサン役=主人公(作・演出家本人でもある)は、体調不良なのか練習不足なのかセリフが入っていなかったようだ。特に、最後の山場のシーンまでプロンプターの助けがあった。さらにプロンプターの喋り内容とセリフが異なり、結果として何を訴えたかったのか曖昧になった。主人公は、哲学者の西田幾太郎博士をモデルにしているが、その学者としての考えが示される重要なシーンが…本当に残念である。

    ネタバレBOX

    ストーリーは、大正から昭和(戦時中)にかけての西田家の家族生活を中心とし、そこに出入りする門下生、編集者の交流を描いている。しかし、激動の時代に生きた学者と家族(特に娘たち)という設定に絞っているのに、家族の愛憎が浮き彫りに出来ていない。本来なら「哲学」「戦争」という重要なキーワードがあるので骨太な作品になっていたと思うが…。脚本は面白いと思うが、それを上手く演出出来ていないこと、また演じきれていないと思うと、本当に勿体なく残念でもある。
    今後の公演に期待しております。

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