有馬の家のじごろう
いつもシェイクスピアばかり見ていたので、AUNの皆さんが日本人を演じていたのはとても新鮮笑
後から聞いた話によると、日本人を演じることに最初は戸惑っていたらしいのですが笑
素晴らしい演技でした。
もうほんとに言葉にならないぐらい素晴らしかったです。
一人も空気を壊すことなく、それぞれのキャラクターが出ていたし、気持ちと気持ちがぶつかっていて、見応えがありました。
3時間と長いのですが、全然そんなこと感じさせません。ずっと見入ってしまいました。
舞台見て、あんなに泣いたのは初めて。
良いところをあげるときりがないぐらい
めっちゃ良かったです。
是非、たくさんの人に見て欲しい作品です!
満足度★★★★★
背中がやばい…
池袋シアターグリーンにて劇団AUNの「有馬の家のじごろう」を観劇。
シェイクスピア専門の劇団、どうせならシェイクスピア作品が観たかったなんて気持ちは一瞬で吹き飛んだ。
演劇界の生ける伝説、吉田鋼太郎さんの全身全霊、それに一所懸命に答える劇団員の方々。
生きてた。
人物が確かに生きてた。
そりゃあもう生き生き生きてた。
吉田鋼太郎さん、あんなに台詞が素敵な役者さんなのに、物言わぬ背中に、ふとした微笑みに、言葉以上に胸を打たれた。ずるい。
シェイクスピアを置いてこの台本を使ったこと、さもありなん!って思えるハマり具合い。
家族の話。
親子の話。
子供たちを全身全霊で愛するお父さんの話。
薩摩弁。
潔さと愛嬌と独特のリズム感が堪らない。
演技に切れ目が無い。
台詞が無くても芝居が続いてる。
当たり前のことだけど。
長く続いてきた劇団ならではのアンサンブル。
ボールは確かに受け渡されてるけど、余りにもパス回しが早くて、作為が見えなくなってる。
本当の親戚の集まりを覗き見してるみたい。
特に主役級の役者陣のvividな躍動感はもうどうしようもないくらい圧倒的だった。
吉田鋼太郎の声と生命力と愛で空間が満たされてた。
どうしようもなく愛してしまう。ああ良い役者ってそうだよなあって思い出した。
満足度★★★★★
よか舞台でした。
普段はイギリスの王様やローマの貴族的な役柄が多い劇団なのに、今回は近代日本の薩摩の一家族の物語。
元九州人(非・薩摩)としては祖父母の昔話として、親戚が集まるとその手の話をよく聞かされていて、朧げながら馴染みある内容だったので、なんだか遠縁のご先祖話を見ている感覚に。
舞台連投の鋼太郎さんの出番の多さにも驚きだけど、その時代の優しいけど、ひ弱でない薩摩隼人のその性格がいかにも次男坊らしい態度の谷田さんや大塚さんの器の大きさが引き立つ役がまた似合う。今では偉人の類いの西郷さんも、武勲挙げた立場とはいえ、その当時はまだ巷の有名人扱いに、今だったら誰に当てはまるんだろうとよけいな事考えたり。
日本、薩摩という地に蓄積された戦の歴史は、この話で完結の願いもあるのでは。最後の場面で涙腺崩壊してしまった。
いい舞台でした。休憩込み約3時間。