「文口体」にみる表現活用法と「敗者の宿罪」
『カラシニコフ』(高橋一生・酒井若菜)
民族紛争が勃発する国際情勢は、地雷の除去を「職業」とするNPO・ボランティア・スタッフを海外へ派遣した。
「バズン」
少年兵の撃ったライフル銃が命中。
「女性死亡」ニュースが流れ一年が経つ。意気消沈するボランティア・スタッフの旦那。「雑誌記者」を自称し、何の前触れもなく「事件」について迷惑メールとともに送信してきた女。
ここから「恋」が始まる とは…。
坂元の根底には、「国際平和とかアピールしてるけどさ、エネルギッシュの真裏に湧く男女の欲望は隠蔽できないわけよ」という斜めの視点がある。
酒井は『カラシニコフ』に宿罪する「敗者」にも それを導き出し、エロティックに朗読していた。
彼女には知られざるエピソードがある。
「マイク、でかい」
大作ホラー映画の舞台挨拶。進行を止めた張本人が酒井だった。
映画用の宣伝物がマイク周囲に付けられおり、巨大な故、「壺にはまった」(水川あさみ)らしく、大爆笑してしまう。10分間の笑い声。
それは独自の「感受性」だった。
満足度★★★
初日「不帰(かえらず)の初恋、海老名SA」観劇
高橋一生×酒井若菜 編。
2012年の作品らしいが、今回の作品は一部変更しているらしい。初見。
PARCO劇場のLove letters 同様、舞台上にあるのはソファ2脚のみ。あらすじのバス横転事故の一文に、2011年のシアタートラムの「往転」をつい思い出しちゃったけど。
中学生時代の初恋相手との手紙から、成長してメールのやり取りに変化はあるものの、読み手は手元の戯曲に視線を落とし、顔を挙げる事なく淡々と話を読み進める。
ピアノの音や暗転で転換があり、静寂な中、聞き入るうちに読み手の姿勢や佇まい、繊細な節回しに感極まわりそうにはなる。一緒に傷つき傷つけて儚い時間が過ぎてったようなと切なさと、後半の場面に近づくにつれ最後の言葉の深さが印象に残った。
坂元さんの脚本ドラマをあまり見た事がないが、かなりシンプルな舞台演出だな、と思った。
当日パンフや物販、アンケートなし。
約90分。
満足度★★★
ナカナカ楽しかった!
『カラシニコフ不倫海峡』 満島真之介×倉科カナ
面白かったけれど、
倉科カナさんがこれでもかというほど噛み噛みで残念でした。
風間くん×美月ちゃんの回を観たかったなぁ~~。