Get a Life(ご来場ありがとうございました!) 公演情報 Get a Life(ご来場ありがとうございました!)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    堪能!
    臨床心理士が末期がん患者のケアを通して、自身の成長と患者、その家族からの思いを聞き取る…そんな心温まる話である。しかし、死期が迫っている者の心魂に触れることが出来るのか。ケアルームでの会話劇は圧巻で暗涙するだろう。死んでいく者が今さら何を言っても仕方がない。
    この当たり前の吐露に対し、臨床心理士はこう言い放つ…。
    (ネタバレBOX)

    ネタバレBOX

    臨床心理士は言う…仕方がない、(死ぬ)順番なんだから。人はいつかは死ぬ、早いか遅いかだ。何て非情な説明だろうか。慰めの言葉でもと思うが、意味のないのは自明なこと。患者の自分より年齢が上の人がいるのに、何故と言う叫びは悲痛だ。

    さて、感想の記載としては、前後したが上手いストーリー展開だと思う。後輩の相談に乗れず自殺させてしまったと悩む臨床心理士。その自責の念から勤務していた病院を辞めたが時を経て同病院に再勤務することになる。その仕事の手始めが末期がん患者のケアという設定である。

    脚本を書くにあたり、取材を重ねたと思うが、末期がん患者から思いを聞き取るため、あそこまで積極的な姿勢をとるだろうか。どちらかと言えば「傾聴」では…。

    今後の公演も期待しております。
  • 満足度★★★★

    生きてくって~。
    心理カウンセラーの再帰するお話。
    遅くなってしまい伺う。会場案内のスタッフとは意思疎通できず。。。
    作品はテンポ良し。各々人物の絡みなどは軽快で見やすかった。後半からの患者の心情は良く伝わってくると思う。
    心理学に関しては、大学で専攻していたので結構消化不良。検査の名前は出てきたけど、アプローチの方法とか、ロジャーズなのかユングなのか、傾聴とかもっと込めて欲しかった感じはあります。
    演劇だからある程度はご了承なのか、徹底して追求なのか、幅広く客層に理解してもらうにはどれくらい本領域の内容を盛り込んでいくのか。そちらの面でも考えさせられ、勉強になりました。生きていくって大変。

  • 満足度★★★★

    会話するということ・・・。
    精神的ケアが重要視される昨今、臨床心理士とはどういった仕事するのか知ることができ、今後遭遇するであろう状況への対応の参考になった。
    そして末期がんの患者に言ってはいけない言葉がいくつかある事も知った。
    (ゆっくり、楽になる など)
    ただ、ひとつ思ったのは、末期がんの患者の発言がすべて妻への思いばかり、自分に対する夢・希望や後悔もあるはず。
    臨床心理士は、患者から世の中で生きていた意味なども引き出す表現をしてほしかった。5年ぶりだからむずかしいか?

    ネタバレBOX

    小峰悟司役の丹羽隆博さん熱演でした。
    素人的見地ですが、がんが進行し指が思うように動かなくなった状態での会話は細かい演技で良かったのですが、泣き崩れるときに顔に手を持って行った時の指の動きがスムーズで不自然。あそこは動きにくくなった指を精一杯の力でゆっくり持ち上げて行くのがリアルかも。(笑)
  • 満足度★★★

    実直さという色
    接点がない限り把握しづらい職業、臨床心理士を描かれている為
    その有無が観劇後の印象に濃淡を添えるようにも思えましたが、
    職業柄を離れた部分で12人の出演者が皆、人は持ちつ持たれつ、
    支え支えられるという関係を築きながら存在出来ることを意識させてくれる。
    そんな姿を各々演じて魅せてくれました。

    それは一方的に支えられているように見える患者側も医療の側の成長を
    支える役割を担っているという、あたかもユニットの作風としていらっしゃる
    「現実の中の理想」が登場人物へも映し出されているかのようでした。

    ネタバレBOX

    そんな関係が築かれている様を主要人物が明確化された台本で12人の
    役者により2時間弱の中へ描き切ることは容易ではありません。
    明確な個人像が見て取れるのだから、もっと掘り下げて描いて欲しいと
    感じられた登場人物が一人二人でないところはとても勿体ない部分でした。

    臨床心理士が患者の心をケアする物語ですので、心理学門外漢の観客と
    してはどんな「金言」を拝聴出来るものかと舞台を観ていたのですが、
    そのような言葉は聴かれません。

    素直になれというというありきたりに感じられる呼びかけ。
    そして号泣しながら抱えていた死にたくない本心を吐露する患者。
    このクライマックスは、お互いが特別でないというか普通と思える言葉や
    感情のやりとりで、ここまで迫真のテンションで引き込まれてしまう場面へ
    辿り着けるものかとカウンセリング(演出)の奥深さに感嘆させられました。

    けれどその奥深さは門外漢には物足りなくもあり、その後の患者夫婦の
    仲睦まじい会話に触れ、「カウンセリングはあったけど、結局は奥さん
    そのものの存在が一番のケアだったのではないか」と勘繰ったりもみたり…!?
    もったいない位の妻という役(!)を演じた春口さんの美しさと佇まいに
    はぐらかされてしまった(?)のは事実ですが、恐らくはこれが実態かも
    しれない臨床心理士のカウンセリングぶりはドラマチックという要素と距離を
    置いた実直さで、それ故に自分の心の揺さぶられ方も小幅なものに留まった
    のは本音です。

    その実直ぶりは作・演出の酒谷一志さんのweb上の稽古場日誌と被ります。
    稽古場ブログは出演者が交代でというのが主流ですが、613では酒谷さんが
    一貫して定期的に、しかも時系列で綴られていて、さながらネタバレの無い
    メイキングレポートです。
    演劇に造詣の深く無い方でも理解できるような用語の説明も含め,丁寧な
    中身の日誌を残されています。

    そのような実直さを窺わせてくれる酒谷さんの描く臨床心理士、そして想いを
    端々、隅々まで込めた作劇が、ハッタリをきかせたドラマチックを詰め込まない
    ことを察するのは難くなく、違和感が無いといえばこれほどまで違和感の無い
    作りもないだろうという一貫性が感じられます。

    613の確かな色というものが伝わってくる作品に触れることが出来ました。
  • 満足度★★★★★

    泣きました
    重たい話で、内容も難しく、前半一部ダレた所も有ったのですが、何とも後半激泣かされました。近い所から観れたので、舞台上で役者さんたちが涙しているのもよく見えて、もらい泣きな部分も有るのですが。ホントに泣きたい人は絶対観るべきですね。

  • 満足度★★★★★

    観劇して本当に良かった。
    精神科医、カウンセラーという少し重いテーマの作品で重厚な人間ドラマを期待して観にいったが、率直な感想は観て本当に良かった。
    感動という言葉は恥ずかしくてあまり使いたくないが、素直に感動した作品でした。

    ネタバレBOX

    前半では、それぞれが抱える悩みを、後半ではその悩みに対して答えを出していく、見事な構成の舞台でした。
    特に後半の、沢村医師に末期ガン患者の小峰さんが本音を言うシーンやその後の小峰夫妻の散歩シーンには泣かされました。
    登場する人、それぞれが悩みを抱えており、それをどの役者さんも見事に演じておられました。
    個人的には、沢村医師と看護婦の蒼井さんの関係が素敵で微笑ましかったです。

    ダンス、映像等を使わずに、見事な脚本と役者さん達の熱演で作られた正統派の素晴らしい作品でした。

    また、道案内メールや来場の御礼メール等も頂いてしまい、細かいお気遣いを頂いた制作の方々も含めて本当に素晴らしい作品だと思います。
  • 満足度★★★★★

    起承転結の起伏で見事な感動劇へ
    日本国民総メンタルケア時代、
    心の病気にかかったりカウンセリング技術に興味もったりという人は多いかと。

    下手にそれらの知識をかじってた自分は起承の段階で
    「心療内科として全然リアルじゃない!
    というかブラック心療内科としてはリアル過ぎ」、
    と脚本/演出/役者さんの演技すべてに
    全く気持ちをのせられませんでした。

    しかし(想像すれば分かる展開でしたが)いざ転じて結ぶ段になると
    物語の王道といえる展開と演者の気迫のこもった演技とに
    涙腺が開き涙を引き出され、それが閉じる間もなく次の涙へとつながり、

    序盤の設定はすべて後半の感動を引き出す為のギャップとしての
    誇張表現的なものだったのかと
    脚本/演出の巧さと役者さんの「いい熱」に
    はっきりいって感心してしまいました。


    最近★5つのオンパレードだけど、
    まあ自分がいいものもらったのは確かなので
    まあいいかと( ´ー`)

    ネタバレBOX

    カウンセリングの基本は
    「無理に聞き出さない」
    「共感する」
    「否定しない」
    「自分の意見を押し付けない」
    相手に相手のリズムでその気持ちを言葉や行動として吐き出させ
    (吐き出さない事もまた相手の意志表示として認め)、
    その中から悩みの解決策を共にさぐっていきましょう、という技術。


    カウンセリングの仕事の忙しさにかまけて、
    何度も自分に悩みの相談をもちかけていた後輩を放置し、
    後輩はとうとう自殺、
    そのトラウマからカウンセリングの仕事を辞めた過去を持つ主人公。

    しかし、再び彼は(元いた)心療内科、カウンセリングの現場に復帰するが・・・

    過去の仕事ぶりはかなり評判が良かったはずの彼ですが、
    舞台が始まってみればこの医局、彼を含め
    「無理やり話を聞き出そうとする」
    「自分の意見をおしつけようとする」
    「患者の感情を見ず、自分の感情ばかり表に出す」
    などダメダメなカウンセラーばかり・・・

    そしてそれを「自分で成長しなさい」とばかりに放置する上司。


    はっきりいってカウンセリング/心療内科に関わり、
    それらについての勉強もしていた頭でっかちの自分からすると、
    「いや、こんなカウンセラーや医局、ダメだから!プロ失格だから!」

    リアリティ0(ブラックとしてなら100%でしょうが)、
    と感じてしまい、

    早い場面転換の中、要所要所で各人良い事を
    言っていたりはするのですが、

    起承の段階ではまったく気持ちをのせられませんでした。

    ※ お芝居自体笑いその他を多く織り交ぜたものではない為、
      それこそまったく感情をゆさぶられず、
      ただ「観る」に徹してしまいました。


    しかし過去のカウンセラー仲間に昔貸した
    自分の学習ノートを返してもらった事をきっかけに
    「カウンセリング」の本質を思い出す主人公。

    そして転じて結ぶ展開にあたり、

    ・ ガン患者の終末医療の中、ストレス解消の為の
      カウンセリングを担当していた主人公は、
      とうとうガン患者の本当の気持ちである、
      「死にたくない!妻を悲しませたくない!」を吐き出させ、
      それに共感しつつもただ事実を本人に認識させる事で、
      ガン患者の抱えていたストレスを発散させ

    ・ 拒食症に悩み足繁く病院に通って来る患者に対して、
      「今の行動をやめましょう!」と意見の押し付けをしてしまい
      患者から「担当医を替えて!」と言われていた女性カウンセラーは、
      主人公のアドバイスから、
      それでも自分の元へ足繁く通う患者の本当の気持ちを捉え一緒に悩み、
      一緒に考えていこうという形で患者の心をつかむ事に成功し

      ※ カウンセラーは本来「相手の事は相手の事」と患者に共感しつつも
        一緒に悩んではいけない、一定の距離を置かなければいけないのですが
        (そうしないと自分もメンタルをやられる為)

    と転結で見事に「真のカウンセリング」に成功します。


    このガン患者が自分の本音を叫ぶ場面、
    それをカウンセリングルームの外で待っていた妻にも聞かれるのですが、

    主人公、ガン患者、ガン患者の妻とそれぞれの演技が急激に熱をおび、
    その上前半からのギャップが見事に効いたのか、
    とても大きなショックを自分は食らってしまいました。

    いっきに涙腺が緩み目は涙に潤んでしまいました。


    そして主人公の悩みが1つ解決したと思ったら、
    次は別の(女性)カウンセラーの悩みも連鎖的に解決していく、

    「何故そのような行動を取るのか、その理由を考えよう」
    という主人公のアドバイスを見事に活かし、

    そして更に患者にもその親が取る行動

    ※ 「毎日親と自分のお弁当を作れ!」と厳命していた

    について、
    「その理由を考え、聞いてみよう」と
    患者の意志を尊重した形でのアドバイスを行い、
    それが受け入れられていく、
    という流れに

    涙が乾く暇がないぐらい気持ちを引っ張られてしまいました。

    そして、
    「かつて放置し自殺してしまった後輩」と同様に
    今回またも放置してしまいかけた恋人に対しても、
    主人公が見事に締めくくります。


    ここまで来ると、序盤全てを否定していた自分が嘘のように
    このお芝居に引き込まれてしまいました。

    序盤のブラック展開は、
    後半の感動を生み出す為のスパイス的な要素として入れられていたのかなあ、
    と。


    今回のお芝居は、出演されている役者さん自身から誘われてのものでしたが、
    思わぬ拾い物をした気分です。

    ひさびさの正統派感動劇を観せてもらったと思います。
  • 満足度★★★

    あとからくる。
    一人一人の物語が、バランスよく折り重なっていました。
    『誰』の、というのではなく、『それぞれの』人生の一コマが丁寧に紡がれていて、見終わってから、それぞれのエピソードの一つ一つを、じんわり思いました。
    肌に沁みこむ素敵な作品でした。
    総合芸術としての芸術性も高いと思います。

  • 満足度★★★★★

    他人と寄り添うということ
     シナリオ、演出、演技、効果、どれもバランスの取れた良い舞台である。
    (ネタバレ後ほど追記)

    ネタバレBOX

      臨床心理士(カウンセラー)、沢村の話である。彼は、現在、オペ担当ナースの奈津と同棲しているが、5年ぶりにかつて勤めていた病院に戻る。出戻りというわけだ。この空白期間、彼は航空会社の人事部で社員の精神面のサポートを行ってきたのだが、病院を離れたのには訳があった。彼の後輩の女性が相談にのってくれと電話をしてきたのだが、のってやらないうちに自殺してしまったのである。それで、自分が相談にのってやらなかったことが原因だと自らを責め、終には病院を去ることになったのだった。戻っても半年間は正規採用ではない。医局長の内籐 亮子が、正式採用の関門として指定したのは、末期癌患者の小峯 悟司、年は、30を少し出た頃か。結婚して6年。妻の慈子は、かいがいしく夫の世話をし、明るく振る舞おうとする姿が哀れを誘う。

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