とける記憶 公演情報 とける記憶」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    みてきた
    かけいの後の方のくだりが面白く、心に染みました。
    皆さんもっと笑っていいところでしたよっ、と思う。

  • 満足度★★★★

    狂気と切なさ
    まず冷気との闘いであった。スタッフが冷房が効き過ぎているので、送風に切替るとの説明があったが、最後まで寒かった。また、自分の席から舞台上手が見ずらく、座るシ-ンには背筋を伸ばして観る…そうすると余計冷気を感じる。おかげで睡魔に襲われなかった(笑)。
    さて本題だが、本公演は実際に起こった事件をモチーフに制作されているだろう。それを加害者の娘の視点から描く発想がユニークかも。加害者本人の性癖などの状況説明はあるが、その生い立ちは省略している。あくまで成人した娘の目線を中心に据えた描き方である。ストーリー展開によっては散漫になりかねないぎりぎりの演出だろう。だからこそ、過去(小学校時代の境遇)と現在(人目を避ける生活)とが交錯し、自分との邂逅が効果的に描かれる。その点は成功していたと思う。終盤は観客へのサービスか、または挑戦か。ストーリーが想定できるシチュエーションが反覆・漂流する…そして結末は藪の中。脚本・演出とも秀逸な作品だと思います。

  • 満足度★★★★★

    事実は小説よりも奇なり
    江戸時代の戯作者もこんな風にネタを基に膨らませていたのでしょうね。

    ネタバレBOX

    ホステスが狙いをつけたお客や知り合いから金をせしめたり、ハルシオンを飲ませて殺害した鳥取連続不審死事件をモチーフにした話。

    事実は小説よりも奇なりということで、被害者が自殺したり殺されたりする部分はヘタに加工せず、現実に起きたことを再現したようなところがかえって怖く感じられ十分に楽しめました。

    殺人犯が殺人を否定したり、それほど悪びれていなかったのは、本人が解離性同一性障害で、実際には存在しない妹という別の性格の時に最悪の所業をしていたからのようでした。物語としては理解できますが、私は二重人格の人に実際に会ったことがないので、嘘を演じているうちに事実と信じてしまう虚実の記憶が溶けて混ざり合う病気みたいな方が好きでした。

    加害者家族である娘の苦痛や母に対する思いは描かれていましたが、弁護士を登場させた割には弁護士が責任を十分に果たさなかったことについての描き方は中途半端のようでした。
  • 満足度★★★★★

    毒婦の物語
    エンターテイメントという感じではなかったですが、良いお芝居でした。
    脚本が良かったです。多くのエピソードを次々とテンポよく紡いでいき、過去と現在を多層的に積み上げていきます。ただ、上演時間が2時間を越えてしまったのは、もう少し短かいほうが観やすいでしょう。
    単純な善悪など存在しないという描き方が良かったです。

    役者さんの演技が抜群。演技に見入ってしまいました。まばたきする間も惜しいと思うくらい、役者の顔を凝視してしまいました。
    何が良かったのかと分析してみましたが、様々な要因があるのでしょうがひとつ言えるのは、細かい動作・所作にリアリティがあったということです。

    スナックの雰囲気、場末感も良かったです。

    ネタバレBOX

    冒頭の”馬の耳に念仏”にはやられました。いきなりの先制攻撃。それに続く場末感に、ニヤニヤしっぱなしでした。

    総じてリアルな芝居でしたが、一箇所だけ気になったのは、収監中の富子がひも付きの靴を履いていたことです。自殺防止のため、おそらく紐は外されるかマジックテープの靴を履かされるはず。細かい所までよく出来ていた芝居なので、逆にこんなところが目立ってしましました。
  • 満足度★★★★★

    すっっっっっごく面白かったです!
    下北沢の駅前劇場という小さな劇場で、よくぞここまで・・・・と唸らされた。ソウルフルな歌声といい、沢山の視点からの事件の解釈といい、重層的でいてどこかとぼけた雰囲気といい、人間というものの摩訶不思議さを十分に描き切っていたと思います。スピーディーな場面の切り替えもお見事。あ~、これだから小劇場通いは止められない!音源は特に素晴らしかったです。選曲、音量ともに、大胆細心という感じ。何というか、音が活きていました。これ、現実の事件を思い起こさせますが、多くの真面目な男性が若くも美しくもない女性に魅入られて身を滅ぼしていったように、私もすっかりこの舞台に魅入られてしまったなぁ。危ないです。

    ネタバレBOX

    わがままを言えば、犯罪者の家族である早苗の人生よりも、富子が犯罪を犯すに至った経緯、環境、心理などをもっと見たかったなぁ。あの事件への脚本家の方の一つの解釈を見たかったです。
  • 満足度★★★★

    嘘。
    嘘と早苗。この二つが今回のポイントだったような気がします。嘘はいけませんね。嘘を嘘で隠すとどんどん深みにはまっていきます。そして自分も回りも不幸になっていきます。主人公の娘でもある早苗ちゃんどんな気持ちで生きてきたんでしょうかね。とてもリアルな作品だったと思います。途中の歌はちょっと・・・。

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