ちのもの 公演情報 ちのもの」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.8
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  • 満足度★★★★

    造反有理
     “ちのもの”の意味する所が社会的常識だったり、世の中の価値観だったり、要は、人間社会を成立させるものとして一般に考えられているものなら、それはチト疑って掛かる必要があり、打倒する必要があるということだろう。

    ネタバレBOX

     豊家、男1人女3人の兄弟は、長男の脳、知識欲、長女の喰、食欲、二女の心、愛欲、三女の眠、睡眠欲其々の権化だが、その背後に狐面をつけた得体の知れぬ者に関与され続けている。然し、各人の欲望に憑かれた彼らの行動は、何とかギリギリ社会から落ちこぼれない程度の駄目加減を維持し続けて来た。だが、各人の疲れは相当なもので、疲れが極点にたした為か、唯一の友を失いそうになった危機などの他の原因が明確にあった為か、ハッキリしないものの、狐の面をつけた五感には感じられない得体の知れない者と融和した時、新たな展開を迎える。それは、社会との折り合いをつけ、水準以上の仕事を楽々こなし、スマートで通りの良い社会人優等生として生き抜く方法だった。暫く、彼らもこの方向で進んできたが、矢張り、三つ子の魂百まで、と言うことか。終に、この擬制にも破綻が到来した。その名を造反有理。
     演出では、手拍子の意味するものが効いている。前・中盤の溜めを、わざと無視した演技の時間が長すぎる感じがするので、この点でもう一工夫欲しい。
     作品の意味解釈:規律だの常識だの或いは社会的正義を強制してくるものは、眼にも見えず、耳にも聞こえず、味も無ければ、臭いも無い。無論、触れることもできぬ。即ち、五感で感知できぬことを示唆しているが、これは無論、放射性核種の危険極まる毒とのダブルミーニングだ。安倍政権になって、益々顕著になった権力者の関わる様々な事象の名前が恣意的に不正確にされていることを含めて、正しいことを認知し難くされていることへの警鐘も含めればトリプルになる。表現する者は先ずこの点を暴かねばならないという認識は正しい。その為には、敢えて良い子にならぬ選択が必要ではあるまいか? 即ち反逆者としての不良である。常に、意識は高く、政治を注意深く見つめ、人間的な位置に立って間違いは間違いであると指摘し続ける者、高潔で賢くても貧乏を余儀なくされ、社会的地位も常に低いであろう。が、人間的真実は、その最高の形も、最低の形も、常に弱者にこそ、宿るものだということを知り、且つ、その弱者に与する者。そのような者を為政者、及び体制派は、反逆者・不良と呼ぶ。然し乍らこのような造反こそ有理である。
  • 満足度★★★

    伝えたいが…
    主張は何となくわかる。平凡は刺激が少ないが安定している。日常はそれの連続だろう。しかし、それだけでは物足りなさを感じてしまう。人と同じだと安心するが、一方自分らしさも…。
    さて本公演だが、モチーフはゆるく見えるが、それを伝えきれていない。作者の想いが先行し、観客が置いていかれた感じだ。そこに演出の工夫が求められると思う。
    また、さほど広くない舞台だけに、セリフは叫ばなくても十分聞こえる。演技は熱演(汗だく)で一生懸命さはわかるが、観客がもう少し感情移入出来るようにしてほしい。
    全体として、主張(脚本)を表現(演出)しきれていない。それこそ同じ動作の連続は刺激が少ないのだから…。
    総じて若いスタッフ・キャストのようで、伸びしろは十分あると思うので今後に期待しております。

  • 満足度★★★

    よかった
    迫力があった。熱演だった。主張が強いドラマだった。

  • 満足度

    難解でした
    何となく言いたい事は分かるような気はしましたが、自分なりの解釈なので、これでいいのか?と疑問が残るような舞台でした。それに、何度も同じ動作を繰り返すイメージがあったので、退屈感もありました。好き嫌いが分かれる作品で、万人受けはしないと思います。受付の女性の明るく可愛い笑顔が印象的でした。

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