deprived(仮) 公演情報 deprived(仮)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★★

    素に向き合う
     矢野氏の演出は、バイアスを排して、対象と向き合おうとすることから始まっているように思う。一口にバイアスを排するというのは、容易いが、自分の好み、育って来た環境、そこで沁みついた様々な感受性や慣習を手術台の上に載せ、切開、腑分けしてゆく作業がその内実である。而も、それを自分自身で行わなければならない。それが、どれだけ大変な作業か、自分が上に挙げたことだけで想像頂けると思う。

    ネタバレBOX

     このような作業の上に、日本国憲法前文、太宰治の作品、武者小路実篤の作品などから選ばれた文言、文章がコラージュされて、演者が息を吹き込む。狭く濃密な空間内に居る観客の反応が化学反応を加える。作品が生成される。こういう舞台だ。だから、同じテキスト、同じ演者、同じ観客で日時が異なる場合、生成されるものは、微妙に異なる。その幽けき差異を愉しむことのできる舞台である。
  • 満足度★★★★★

    多様な解釈楽しめる知的クロスワードパズルのような演劇。
    シンプルなつくりですが、心地よい緊張感漂い、いかようにも解釈できる重層的な内容。とても楽しめる舞台でした。


    以下、ネタばれ。

    ネタバレBOX

    ・・・・♪
    「プライベート(private)」 という言葉の語源には 「奪われている(deprived)」 という意味があるということを知って、先日そのことをふと、思い出した。タイトルの所以はここに拠ります。(中略)実はその対義語である 「パブリック(public)」 よりも後に生まれた言葉で、private という概念が発達する前には、ヨーロッパでは人はみんな、state、public、community に属していて、その一員としての status / office を持っていた。その所属関係から 「分離した、separated、set apart」 もの、その所属関係 (status/position) を 「奪われた, deprived」 もの。それが、private なのだそうです。
    ・・・・♪


    演出の矢野氏が書かれていた上記の文章を事前に読んでいたせいか、私は、この演劇は、

    「何かから、おのれの大切なものを収奪されていく『個』の悲しみなり絶望なり焦燥なりを描いているのだ」

    と感じました。


    その「何か」とは、国家や体制や世間といった、ある程度輪郭のはっきりしたものだけでなく、自分の中にある「きれいごとで済ませようとする意識」や「つい抱いてしまう希望」「体制に順応すると快感を感じてしまう虚弱さ」なども含めたものなのでは?


    以上のように、私は想起したのですが、これが演出の矢野さんの思惑と合致しているか否かは、全く問題ではなく、それはいわばどうでもいいのです(笑)。

    他の観客はまったく違った解釈をしているでしょう。それでいい。

    そういう多様な解釈を楽しむことができる。それが矢野靖人&shelfの面白さだと思います。

  • 満足度★★★★

    緊蜜でした。
    「当日パンフに小難しいこと色々書いてますけど、楽しんでもらおうと思って創ってますので」という矢野さんの一言からの上演でした。

    音響・照明変化一切なしというのは初めてでしたが、この空間においてはそれでよかったのかなと。

    注意書きされてますけど、開演後の入場は断った方がいい作品だなーと思いました。
    緊密な空気を感じさせていただきました。

  • 満足度★★

    「語り」の勝負
    できてました。できてました。
    シンプルで小さな部屋の中で俳優さんが発声した音が歌がとてもキレイに感じました。動きを最小限にまとめコラージュされたテキストを順番に発声する。僕の拙い知識では、どのテキストが引用されていたのかわかりませんでしたが、迫力ありました。玄人好みの内容なのかな。

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