フサエ、100歳まであと3年 公演情報 フサエ、100歳まであと3年」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
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  • 満足度★★★★

    従来のような甘口ではなくほろ苦さも加わった
    前々回までは今にして思えば「甘口」で、懐かしさや共感のある人情もの、な味わいだったのが前回はほろ苦さが加わり、さらに今回は各人物の背負う「人生」も色濃く描かれるようになったと思う。
    観ていて登場人物の背負うものを追体験するような感覚があり、時として胃が締め付けられるような気がした。

  • 満足度★★★★

    宮崎弁と役者力が光る
    宮崎弁で繰り広げられるこの劇団の作品を拝見するのは4本目。方言がもたらす空気感みたいなものだけは共通するが、毎回ガラッと作風が変わって面白い。また役者の選びと使い方がいつもうまい。特に常連の佐藤達はどんな役でもいい味を出す。

    ネタバレBOX

    タイトルから感涙ものかと想像されたが、いい意味で裏切られる。ほんわかしつつも、ドライな感じもあり、適度なバランス感が絶妙。
  • 満足度★★★★

    オール宮崎弁は言わずもがな
    みんなイイ大人なのに、なんやかやと小競り合いを繰り返す娘や孫たち、その周りの人々……。お婆さんを囲むけして完璧とは言えない面々が、器のデカいお婆さんの広い広い心によって赦され、守られているような気分にさせられる、とても温かい劇でした。…なんて書くと辛気臭い劇のようだけど、むろん今作もライブ感あふれる松本演出が作り出した笑い所が満載。
    笑ったりウルッときたり、この劇団を観た後は、いつもより人間らしい心持ちで小屋を後にする私なのです。

  • 満足度★★★★★

    讃美歌
    チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。100分。

    ネタバレBOX

    フサエ(松本哲也)…97歳。県庁勤務時、ナンパされて結婚した。クリスチャン。
    真知子(山像かおり)…フサエの娘。夫が失踪した。フサエを介護する。久美子と康太が心配。
    久美子(笹峯愛)…真知子の長女。夫の転勤のためドバイ行きを決意する。頼りない康太にイライラしている。
    康太(野本光一郎)…久美子の弟。東京でバイトリーダーしてる33歳。久美子と不仲。下北で購入したパーカを愛用。
    信夫(佐藤達)…久美子の夫。変わり者。久美子の不完全な掃除について幸せを感じる。
    聡美(伊達香苗)…一人っ子であったためキリスト教の神父の道を歩む。結婚したい35歳。
    須藤(尾倉ケント)…フサエの施設のスタッフ。聡美の彼氏。暴走族であった頃、光といい仲だった。年上好き。
    光(富永瑞木)…真知子の兄の子。お見合いから逃げてきた。

    宮崎県の老人施設の一室。久美子のドバイ行きを受けて久美子や康太が帰省し顔をあわせるが、ピリピリしたまま。フサエの面倒をみてた真知子が腕を骨折し、日本から離れたくないけど離れなきゃならない気持ちの久美子は、いつまでもフリーターで子どもな康太に怒りをぶつける。康太は大丈夫だと啖呵をきり、母子で寿司を食べながら、信夫の悪口に花が咲く。宮崎に戻った?康太はたどたどしくもフサエの世話を焼き、フサエは夫にナンパされた話を康太にきかせる…。

    笑いと苦々しさと暖かさがミックスされた、上質な家族物語。役柄と話も、いい感じに混ぜ合わさってる。テンポも良い。
    久美子らの話とは別に、聡美と須藤が言い争った中の「親は遠くにいる子の話しかしない」というセリフが響いた。微妙にこどもで、心配が絶えない康太のポジションが効いてる。親の心子知らずな、ガーンと響く感じが非常に気に入った。

    真知子を演じた山像が上手い。とっても。信夫のキャラもいい。気色悪さと飄々とした雰囲気のバランス感覚とか。
    寿司食べながら信夫の悪口を話てたという康太に、楽しかったでしょとあっけらかんというフサエに笑った。あと、啖呵切った後に牛が歩いてるとはしゃぐ康太に対して「もー」と久美子に言わせるセンスが抜群と思った。
  • 満足度★★★★★

    ありがとさんきゅ
    「デンギョー」から知った劇団さんですが もうずっとこれからも観に行こうと決めました。大好きです!

    とくに変わった出来事があるわけではない。登場人物にしたって…とここまで書いて これだけどこにもいそうなひとたちの毎日の喜怒哀楽がこれだけいとおしいのか、それを血肉となった宮崎弁で紡いでいくのがこの劇団の真骨頂なのかもしれません

  • 満足度★★★★★

    初見
    チラシにひかれて観てきました。
    失礼ながら、勉強不足で知らない劇団さんでした。

    私にも、老いて、年に1度会えるか会えないかの祖母がいます。
    ずっとそのおばあちゃんのこと思いながら観ました。

    おばあちゃんに会いたくなりました。
    とってもいい作品でした。
    つい笑っちゃったり、涙がこぼれたりしました。

    久しぶりにおもしろい芝居を観ました。
    せっかく知れたのに次回は少し遠い予定とのことですが、期待してます!

  • 満足度★★★★

    宮崎弁の台詞
    台詞がいいなあ。
    宮崎弁の柔らかなトーンが、人の営みの棘やストレスを包み込むように優しい。
    達者な役者陣がまた絶妙の間で返し合う。
    若干初日の硬さが見られた気もするが、
    そんなものを吹き飛ばすことばの魅力に惹き込まれた。

    ネタバレBOX

    舞台はフサエおばあちゃん(松本哲也)が暮らすケアハウスの部屋。
    (確かケアハウスだったと思う)
    日頃は娘の真知子(山像かおり)が訪れるくらいだが、今日はちょっと様子が違う。
    真知子に呼ばれて帰って来ている孫の康太(野本光一郎)は33歳でバイト暮らし。
    姉久美子(笹峯愛)は、そんな弟が歯がゆくて、会えば喧嘩ばかりしている。
    久美子は夫(佐藤達)の仕事について来月ドバイへ移住することになっており、
    その前に家族が集まる形になった。
    ケアスタッフの須藤(尾倉ケント)、見合いが嫌で飛び出してきたいとこの光(冨永瑞木)、
    週に一度やってくる牧師の聡美(伊達香苗)らが加わってますます賑やかに…。

    登場したフサエおばあちゃんが、ガタイが良くて97歳に見えない(笑)。
    そんなにリアルでなくても良いが、もう少し年寄りっぽさが出ても良いと思う。
    作り過ぎない年寄りの方が台詞の面白さが生きるけれど、
    杖こそついているが姿勢や話しぶりは70歳くらいの印象を受けた。
    年寄りがベッドに座った時、足が床に着かなくてぶらぶらするのも
    ちょっと不自然かな。

    その違和感が徐々に薄れるのは、その後の台詞のやりとりが面白いからである。
    康太が姉の夫と話すシーンや、牧師の聡美とつきあい始めて1週間の須藤の会話、
    そして何と言ってもフサエと真知子は、相手の台詞を受けとめる呼吸が絶妙で
    “受ける芝居”の大切さを教えてくれる。
    この二人が他の会話の“暴走”をうまく収めている。

    姉がひとりになる母を心配するあまり、頼りない弟に強く当たる気持ちが
    もう少しことばになっても良かったのではないかと思う。
    終始不機嫌な顔で、性格が悪く見えてしまいそうなのは残念だから。
    ちょっと変なダンナが、何だかいい人じゃないの、ってなるところは巧い。

    フサエと真知子のキャラが魅力的で、宮崎弁の台詞が生き生きと立ち上がる。
    この台詞、温かくて懐かしくて、ぜひまた聴きたいと思う。

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