三人吉三 公演情報 三人吉三」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    三人吉三
    ポスターからして新しいことをやろうとしている若衆たちの思いは素敵。
    歌舞伎も中村屋が好きで観に行くものの、まだまだわからないことばかり。
    三人吉三もこれが初めてでした。
    とにかくずっとワクワクしてました。
    通路もたくさん使われるので役者さんを近くで感じることも出来、お化粧の匂いとかからも芝居を観に来たことの特別感を味わえて通常の劇場よりも楽しいことは間違いないです。

    ネタバレBOX

    主役の三人も素敵でしたが
    鶴松さんの女形を初めて見て感慨深い思いになりました。
    勘三郎さんにもっと教えてもらいたかっただろうな。
    この姿も見てもらいたかっただろうな。
    一緒に舞台に立ちたかっただろうな。
    きっと空から見てらっしゃるかと思います。

    お芝居も良かった。十三との出会いの場の妖しげな雰囲気がとても良かった。

    前楽にもう一度行きました。
    より勘九郎、七之助、松也が熱っぽくそれぞれの役を演じていて涙しました。

    中村屋の出し物は情が伝わってくるので大好きです。
    (他のところからは…ね。)

    コクーン歌舞伎はこれからも見続けたいし、もっと若い人たちに観てもらいたい。チケット代は高いけどがんばって桟敷で観て欲しい。わからないうちは前の方が楽しめます。


  • 満足度★★★★★

    18代目が、目を細めているのが目に見える
    天国の18代目勘三郎さんが、仲間たちとの酒宴の席で、「あいつら、よくやってるよな」といつもの調子で、笑いながら祝宴をしている図が思い浮かび、目頭が熱くなる舞台でした。

    本当に、勘九郎さんの躍進ぶりが頼もしい限り。七之助さんも、「白波五人男」の弁天小僧菊之助や、今回のお嬢𠮷三などの系譜の役が板につき、更に魅せる役者に進化されています。
    松也さんは、歌舞伎役者としては、まだ新参者の域を出ませんが、このお坊𠮷三役は、お坊ちゃん気質が任に合って、声も容貌も文句なく、彼の出世作になりそうな予感がしました。

    過去二度上演されているコクーン歌舞伎の「三人吉三」ですが、今回は、照明を極力暗くして、スポットライトを当てたり、影を作ったりする技巧が駆使されて、より、幕末の退廃美を印象づける舞台構成でした。

    静寂の「三人吉三」が、因果応報の悲劇と、三人の盗賊のやむにやまれぬ絆と苦悩をより提示して、お見事でした。

    本当に、勘三郎さん、あの世で、目を細めて見守っていることでしょうと確信します。

    ネタバレBOX

    勘三郎さんに淡路屋の屋号を頂いた、笹野さんが、知らない観客は、本当に歌舞伎役者さんだと思い込みそうな程、伝吉の苦悩を好演されていて、嬉しくなりました。

    真那胡さんの、海老名と久兵衛の演じ分けもお見事です。

    演出の串田さんの交流の広さのお蔭で、コクーン歌舞伎ならではの、こうした、異種役者さんの出演が、最近は、無理なく定着しつつあるようで、最初からコクーン歌舞伎をずっと応援してきた観客の一人として、この上なく嬉しい出来映えを見せて頂き、感無量です。

    三人が、血の盃を酌み交わし、盟約を誓う場面で、歌舞伎座に復帰された仁左衛門さんに言及されたり、歌舞伎ファンとして、頬を緩めたくなるサービスもふんだんにありました。

    その義兄弟の契りの場面の後で、三人夜鷹の盟約パロディを見せるなど、暗い芝居の折々に、笑える場面が、さりげなく配置されているのにも、演出の遊び心を感じ、嬉しくなりました。

    歌舞伎の下座音楽を廃した、現代楽器のみの効果音も、今回の舞台では、悪目立ちすることなく、自然とマッチしていて、お見事でした。

    ともすれば、最後の火の見櫓の場の立ち回りは、パフォーマンスに傾きがちなきらいもありますが、今回の舞台の三人の終焉の見せ方は、私としては一番好みだったように思います。和尚の悲しい決断によって、完成した三人の盗賊の真の盟約が、因果応報の縄を断ち切るかのようなお互いの刺違えによって、完結するラストシーンは、美しくも力あるドカ雪の降雪と共に、視覚的にも申し分ない名場面として、今後長く記憶に残りそうです。

    良くやった中村屋兄弟に、心からの祝杯を!!
  • 満足度★★★★

    やっぱり最後のアレは平場席でモロに浴びたかったわねー
    三人吉三、話自体は何回か観てて知ってるのに、一幕の三人の吉三が出逢うシーンや、和尚吉三が「あ、こいつ、あの二人やっちゃうんだ・・・」ってなるシーンにはやっぱりぞわっぞわしびれちゃう。
    ってか、あれなのよね、前より自分の観る目が育ってきたからなのか、前回のコクーン歌舞伎で観たときと比べても、今回の勘九郎・松也・七之助、観ていて思わず「濡れるッ!」ってなった瞬間がいくつもあって観ていて疲れちゃうほど。(この言い方どうなんだ?^^;)

    附け打ちやパーカッションの音が役者のセリフと絡んでじわっじわポリリズムポリリズムしたサウンドになってく、っつーなんともおもしろな音の使い方にもぞくぞく。

    にしても今年はやけに床面の反射を使った照明が印象的な芝居を観てるなあ。新国立ヴォツェックとか、砂の上の企画みくまりとか、アマヤドリぬれぎぬとか、今回とか。

  • 満足度★★★★

    コクーン歌舞伎は2回目
    父は十八代目中村勘三郎、弟は二代目中村七之助。
    お父さんの懐の広い演技はすばらしかったが、子息たちもこれからの歌舞伎界を背負っていくでしょう。
    本作は、若さを前面に出した出し物だった。来年も見よう

  • 満足度★★★★

    第二期始動
    若い世代が中心とした座組による勢いを感じさせる公演で、コクーン歌舞伎の第二期の始まりを強く印象付けていました。

    同じ吉三という名を持つ悪党3人が出会い、次第に百両と名刀「庚申丸」を巡る因果が明らかになる物語で、都合の良い偶然だらけの荒唐無稽さはあるものの、3人に訪れる悲しい運命に引き込まれました。
    大詰では何もない真っ白な空間に雪が降る中で、スピード感のあるダイナミックな大立ち回りが繰り広げられ、とてもエキサイティングでした。

    回り舞台を場面転換の為に使うのではなく、印象的な場面で役者を色々な角度で見せる為に使われているのが伝統的な歌舞伎の演出とは異なっていて興味深かったです。

    三味線を用いず、電子音を主体にした録音に附け打ちとパーカッションのが絡む音楽が、現代に合ったテンポ感を生み出していて良かったです。
    大詰めの立ち回りの時は音量やオン/オフを弄り過ぎていて、せせこましく感じられたのが残念でした。

    書き割りではないリアルな2階建ての町屋のセットが3方を囲う中に水を張った回り舞台が設らえてあり、水面の光の反射が壁に映るのが美しかったです。

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