フリージアの不可知論 公演情報 フリージアの不可知論」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★★

    地獄に生まれた詩
     この公演の後、霞座は暫く冬眠に入ると言う。冬籠り前の今作、力作である。いつも思うのだが、この劇団の作品は極めて詩的である。今作も、扱われているのは、紛争地の現実なので頗る厳しい状況が描かれ乍ら、同時に適度な抽象度を保ちあまつさえ詩のテイストを具えている所にこの劇団の特徴と良さがあるように思う。言い換えれば追求すべきものを追求し振り返らないという潔さを持っているということだろうか。恰も己の宿命を知る者のように。

    ネタバレBOX

     戦争というものが、人間にとって何を意味するのか? それを東西ドイツやパレスチナ・イスラエル問題など紛争地の各々から取り出し、少年兵、外国人傭兵などに具体化して、戦場の実体を点描・透視する。絶え間なく変わる支配地域の中で、その時優勢な勢力に肩入れせざるを得ない民衆の多くと、肩入れした後の他の人々との運命、民衆の中でも自説を通した人々と折れた人々の間に生まれる齟齬。昨日迄の隣人が今日は敵となって殺し合い、できれば当たらないでくれと願いながら互いの陣地に向けて乱射するリアリティー。数々の混乱。纂奪やレイプ、暴力と虐殺で民衆を従わせようとしている兵士たち。その兵士たちに向けられた武器の前での民衆の選択、等々。一瞬と雖も気の休まる時も無い中で、戦闘を休止させる程の突然の豪雨。その雨をずぶ濡れになって受けながら、恰も、戦場の惨たらしい体験が、悪夢でしかないように思われる一時。ゲリラが潜むとされた村に突撃した戦士に家族を目の前で殺された子供が、襲撃してきた兵士が落ち着いてから、固いパンを分けて貰い、神の祝福の言葉と共に受け取った時の兵士の衝撃等々が、頗る高いテンションでぶつかり合い、乱反射する詩的な作品だ。
  • 満足度★★★

  • 満足度★★★★★

    濃密な会話劇
    衣装や小道具が抽象的でしたが、役者の息づかいがダイレクトに感じられ、迫力のあるステージでした。スピーカーの調子が良くなかったのが唯一のマイナスでしたが、それを差し引いても、見応え十分の秀作。

  • 満足度★★★★

    剛腕さと詩情で構成された喫茶店演劇。
    観終えた直後の感想は、「大貫という人は、強引、い、いゃ剛腕な人だなあ」という思いでした(笑)。


    下北沢から徒歩数分の、半地下の古めかしい喫茶店。
    演じるスペースの向こうの透明なガラスの外には、楽しげに行きかう人々が見えます。

    そんなスペースで、地球の反対側の、戦火と民族・宗教差別虐待の国に生きる人たちの芝居が演じられる。

    かなり強引な所業、と言えます。

    しかし、激烈な芝居であるにもかかわらず、一橋純平、みどりお二人のセリフの中に、詩情、のようなものが感じられ、それが圧倒的な迫力と相まって、感動させるものがありました。

    脚本の力と同時に、お二人の演技、セリフ技量の賜物だと思います。


    以下、ネタばれ。

    ネタバレBOX

    「強引」「剛腕」と書きましたが、もちろん作者の狙いとしては、まさにこういう場所で演じることに意味があったのでしょう。

    ラスト、男が喫茶店のドアを開け、外に出ていくという終わらせ方にも、現代日本の中でのドラマとしてのリアリティ、といった意味を印象付ける狙いがあった、と感じました。


    とても面白く、感動しました。

    が、当日パンフに羅列された参考文献リストをみるまでもなく、内容がブッキッシュであることの印象は免れようもない、ということも感じました。
  • 満足度★★★★

    みてきた
    熱演でした

  • 満足度★★★★★

    霞座、そして一橋純平、顕在。
    カフェ公演でこんなに重厚な演劇を観られるとは思いませんでした。45分間、命を削って臨む役者さん二人。その情動にいつのまにか光景が時代を超え、空気までもが静かに人が狂う戦地のものに変わったかのよう。観る人を微動だにさせない霞座、顕在。休眠は本当に勿体ないです。

    ネタバレBOX

    アンティークな雰囲気が漂う古いカフェのテーブルの上に散乱するフリージア。黄色のフリージアの花言葉は「無邪気」。その花言葉をみどりさんが体現。無垢の狂気を全身から迸らせる彼女もさることながら、彼女の姿に震えながら涙を見せる一橋くんの感情表現からも目が離せません。

    久しぶりの一橋くんの演技には、オープニング、声を発する前から背筋がビリビリさせられました。キレた目線、どこか退廃的な佇まいは、活動休止期間を経て、衰えるどころか凄みを増してました。多分彼は新しい武器を手に入れたのでしょう。同年代の役者が手にしたことのない武器。これからが楽しみすぎます。

    なお、最近観たさいたま・ネクストシアターの「カリギュラ」は主演の方が今一つだったのですが、一橋くんが演じたら本気で凄いものが観られそうだと思いました。それほどまでの才能の持ち主です。超期待。

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