ハリジャン 公演情報 ハリジャン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.7
1-17件 / 17件中
  • 満足度★★★★

    松緑のDNAを実感できた作品
    既に終了した作品、しかも昨年のものについてのレビューを書くことは
    反則なのかもしれませんが、前から気になっていて、中にはこの劇団の
    以前のものについて読むかたもおられるかもしれないので
    思い切って書かせていただきます。
    まず、ここを開けてあまりの低評価に「えーーっそうなの??」と驚いて
    しまいました。
    歌舞伎ファン、小劇場ファン双方を満足させられない作品、安易な企画
    とのご指摘がありましたが私はまったく違う感想を持ちました。
    松緑の歌舞伎役者としてのDNAを実感でき、大変感動しました。
    「迷える憂き世に 咲けよまがしき 悪の華」
    これ、誇大宣伝でもなんでもないと思いましたけど。
    観終えてもしばらく席を立てず、もう一度席にからだを沈めて
    深いためいきをつきました。傍らの連れも同じく感動の面持ちでした。
    さらにいくつか離れた席の若い女性は顔を半分覆って嗚咽をもらし、
    そのなかで「よかったよー」とひとこと。彼氏らしき男性が彼女の背中を
    優しくさすっていた様子が忘れられません。
    以下、長くなるのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    あえて「俳優論」に絞って書かせていただきます。
    このお芝居は差別的な表現がたくさん出てきてハラハラするけれども
    差別といったら、歌舞伎なんて差別用語満載ですからね。
    今日の感覚でとらえて、言い換えてたら歌舞伎は上演できない。
    幕が開いてしばらくして、私はこれは「小劇場的な歌舞伎」だと思って観る事にしました。
    身障者が次々出てしゃべるシーンは鶴屋南北の世界のよう。
    松緑の登場はかなり遅く、出てきたときはその存在感にわくわくした。
    当代の中村歌六が20代のころ、梨園から劇団四季の研究生になったとき、「新劇から歌舞伎を観たときどう思うか」とインタビューで聞かれ、
    「やっぱり歌舞伎はおトク。だって主役があとから出てきてもおいしいとこみーんなかっさらっちゃうんだよ。新劇ではないでしょ、こーいうの」と答えたことをいまさらながらに思い出した。また現幸四郎の「歌舞伎役者が演じたものはすべて歌舞伎なんだ」という言葉も。松緑のエビスがまさにそうだ。これは小劇場の芝居だけれども。
    メークがグロテスク過ぎるというご意見。先代勘三郎の「籠釣瓶」の次郎左衛門や「巷談宵宮雨」の竜達のキモいメークを見てる私はヘッチャラですわ。
    6代目菊五郎は竜達のメークのまま楽屋でお弟子や子役を追い回してこわがらせて喜んでたってんだから。
    エビスという役はこれぐらいのメークでちょうどよろしい。
    確かに脚本の粗さはあるんだけれど、松緑の渋谷エビスの圧倒的存在感が
    それを補って余りある。
    というか、「歌舞伎は役本位なので脚本は粗い」ものも多く、時に合理性を超えて演じなければならないので、さほど気にならなかった。
    歌舞伎では「芝居が生になる」と言って、素に見えるような演技を未熟とする。「生になることがなぜいけないのか」と猿之助に質問したところ、「あまりに生々しく演じると不快な場面が観客にとって不快に感じるから」とのことだった。その点でも、エビスのような役は、松緑にとって難しかったのではないだろうか。しかし、松緑は強姦シーンなど「不快感を覚えるか否かのギリギリの境界線」を演じきったと思う。「重い宿業を背負った男」という今回の役どころは歌舞伎俳優の彼だから演じきれたのであって、一般の俳優では表現できなかったのではないだろうか。最後の“暴走”場面は、鳴神上人のようで
    理屈抜きに魅せた。
    私は正直、歌舞伎俳優としての尾上松緑の演技に感心したことはあまりない。「蜷川版十二夜」の安藤英竹を大変面白く演じていて、この役が再演以降、中村翫雀に代わってからは観に行ってないほどだが、現時点では古典より新作歌舞伎にいい味がある。現幸四郎同様、赤毛物を得意とした曽祖父の7世松本幸四郎のその方面の血を受け継いでいるのかとも思う。
    祖父の尾上松緑がかつて演じた新作歌舞伎の「燈台鬼」の迫力には絶句した。「燈台鬼」は南條範夫の直木賞受賞作で、捕らえられた遣唐使が奴隷にされ、生きながらに「人間燭台」として饗宴に供されるという話。アングラチックな設定でしょ?そのメークはグロテスクどころじゃなかった。だから、当代の松緑のエビスを観た時、祖父を髣髴とさせた。いつか彼の「燈台鬼」を観たいものだ。
    そして、歌舞伎俳優として音羽屋のお家芸である「髪結新三」みたいな悪党役もいずれは期待できるかも。そんなことを考えさせてくれる芝居でした。
    ですから今回彼を起用してくださったことに感謝します。
    最近、歌舞伎俳優が小劇場演劇に出演する機会が増え、概ね小劇場ファン
    には不評のようだけど、私は悪いことではないと思う。
    歌舞伎を「食わず嫌い」で区別し、まったく観ないという人も私の周囲には多い。でも、歌舞伎は本来、現在のようなゴージャスなものではなかった。
    江戸時代の小劇場演劇だったんですよ。歌舞伎と言ってもいろんな芝居が
    あるから、小劇場ファンが好みのものもきっと見つかると思います。
    約半世紀歌舞伎を観て来た私でも小劇場系の芝居は楽しめてるから、
    これに懲りず、双方のファンに双方の芝居を観てもらえればなぁと思います。
  • 満足度★★★

    「鬼に金棒」状態
    ここの持ち味である重厚さに尾上松緑の客演が加わって「鬼に金棒」状態。
    運命のようなナニカに導かれての結末はシェイクスピアの悲劇と共通する味わいあり

  • 観ました
    印象的な方もいましたが、物足りなさを感じました。

  • 満足度

    なんだか…
    国語辞典を読まされている様なつまらなさを感じた。
    本当に観客に伝えることを考えてのことなのか?やたらと言葉数が多いだけで、気持ちがストレートに伝ってこない。全然リアルじゃない。
    難しいテーマ?だからこそ、もっと自然に、もっと単純な言葉で表現してもらいたかった。テーマ自体も一見重たいようで全く薄っぺらく感じた。エグるなら、もっととことんエグらなくては、全てが中途半端に思えて、白々しくさえ感じる。
    役者も「この人いつもこんな感じだよなぁ~」と観ていて過去の役柄がダブって観えてくる。
    会場も身内感が漂っていたり、この作品を評価している人のブログやコメントを読んでも、結局身内贔屓だったりと、なんだか…と思うばかり。

  • 「ハリジャン」観てきた
    正直ちょっともったいない感じだったかなー。
    いや全然クオリティ高いのだけど、いつもから考えるともっともっと深みが出そうなのに・・というところ。
    知り合いだから思うのかもしれないけど劇団員の魅力ももっと見たいっす。

  • 誰か 教えてください
    なんか うとうと したりしてたので
    良くわからなかったので
    誰か 教えてください

    以下 ネタばれBOX で

    ネタバレBOX

    事件としては
    元やくざの牧師が かくまった後輩を突然裏切ったのと
    過去のある看護婦が殺人をしていたのと
    エビスの言葉を誤解した身体障害者が放火した
    って ことですよね


    エビスの犯した悪いことって
    強姦と たまに他人に暴力を振るうってことくらいで
    一体何が 究極の悪だったのかわからなかったのですが、
    どなたかご意見を お願いします

    それと
    彼の求めていた 火も 何の比喩なんでしょうか?


  • そういう事かー。
    初、InnocentSphere。既に登録されている「観てきた!」のコメントを見て色々と思案していたのですが、やはり自分で見るのが何より。抱いた印象としては「ブラックなディ○ニーランドだな」と。見世物であろうとする意思が感じられ、それに伴ってエンターテイメント性も高いなと。作風的に好みが分かれるのは仕方ないかと。反社会的・非社会的な描写が多いですし、どうしてもそちらが前面に出ている様に受け取ってしまうのがあります。面白かったと口にする人はいても、楽しかったと言う人はなかなかいないのではないでしょうか。
    非常に惜しいのが「小劇場と歌舞伎の融合」ではなかった点。自分としては興味のあった点がここだったので残念でした。演出家の方が以前から交友を持っていた為に自分の作品に出て欲しくて起用した、それ自体は何の問題もありません。しかし今回はあくまで「尾上松緑さんという役者を主役に据えた」のであって、彼が「歌舞伎役者」であるという事を押して謳い文句にするだけの利点は見出せませんでした。本当の意味で融合出来ていれば、元は歌舞伎のみに興味のあった観客が今回を期に小劇場にも興味を持っていたかもしれないしその逆もまた然り。個人的にはそれを望んでいたので。歌舞伎みたいのが観られるのかなー、と。
    演技的に浮きを感じるという感想もありましたが、今日の時点では別に気にならなかったです。役柄的にそれぞれ合っていましたし、舞台上で共存出来ていない人物はいなかったかと。

    ネタバレBOX

    エビスが例の火に執着を持っている理由がよく分からなかったかなぁ。そういう立ち位置の存在であるというのは分かったのですが、エビスが何故そこまでして矛先をそれに向けて固執するのかという動機が微妙だった気が。沢山語ってくれたので情報としては届いたのですが、イマイチ合致しなかったというか…。
  • 癖になる
    お客様の感想は賛否両論のようですが、癖になる舞台ですね。
    いろいろと考えることが出来る舞台。
    言いか悪いかは観る方によって違うと思いますが、何かが心に残る舞台。
    もう1回観たいなと思える作品です。

    ネタバレBOX

    大きな愛に包まれたいと欲しているけど、手に入れることが出来なくて苦しんでいる。とても切ない愛のお話。
  • 初観劇
    ようやく見ることができました。

    ネタバレBOX

    不治の難病を背負いながら自分の欲望を追求し、そして斃れた男というと故・加藤康介氏を思い出します。
  • 生理的に受け付けない・・・
    チラシから持つイメージと本編の内容に、自分の中ではギャップがあり、
    そしてオープニングからエンディングまで続く、その世界観に、
    僕は生理的に受け付けない居心地の悪さが続き、
    とても落ち着かない約2時間だった。詳細はネタバレで。
    僕の個人の感覚ですので、点数は避けます。

    メジャーな役者さんや、大きな劇場で活躍されている役者さん達が、
    最近こういう小劇場に出演したり、劇団の作品の力を借りる傾向が
    目立ちますね。
    石川さゆり公演の桟敷童子(秋にスズナリで川島なおみ公演も打つみたい)
    や、モダンスイマーズに出る萩原聖人など。
    こういうのが流行りなのかなぁ。
    確かに海外でもビッグネームの役者が小さな舞台に立ったりしてるけど。
    ギャラとは関係なく
    (今回の公演も、300人のトラムで半分くらいしか入ってなかった)
    ファッション感覚で出演するのかなぁ。
    メジャーな役者さんが出演されると、受付に
    「○○○ 役者の名前」と書かれた受付窓口があるのですが、
    今回「尾上松禄」というのは、なかったな。
    松禄の後援会、歌舞伎のファンの方が、この芝居を見たら逆効果か。

    松禄は、確かに大芝居。
    最初は「あれぇ声出てないなぁ、手を抜いているのか、
    小劇場だから、わざと小さな芝居をしてるのかなぁ」と思いましたが
    ラストは、まさにここは歌舞伎座か!と笑っちゃうような
    こぶしのまわった台詞回し。
    もう暑苦しくって脂臭くて、
    「ラーメン二郎、ニンニク・濃い目・脂ましまし」って感じでした。
    他の役者を、わざと地味というかオーラのない人を集めたのか、
    松禄の油臭さが引き立たせる為にキャスティングしたとしか
    思えないほど、他の役者陣は薄かった。

    キャロットタワーってバブリーだよなぁ。
    シアターモリエールとは大違い。
    天井も高いし、ロビーから客席に入る通路も高級クラブみたい。
    照明も常設で沢山あるけど、この作品には無意味。
    この作品こそ、モリエールが似合うんじゃないかな。

    ネタバレBOX

    松禄のメイクで、ドン引きしちゃいました。
    あのメイクが気持ち悪くて気持ち悪くて。
    あれはやりすぎでしょう。
    特に顔のプチプチが、こちらの体にジンマシンが出るほど、
    刺激が強すぎた。
    あれはノートルダムのせむし男か。

    舞台のセットのオブジェも、何か意味がありそうで、
    結局、よくわからず。

    ハンディをもった人に対する世間の冷たい風と、
    それに対する視線をテーマに掲げているとは思うんだけど、
    あまりにも極端。

    エビスのイライラの根源も、よくわからないし、
    あの殺人看護婦の位置付けもよくわからない。
    ヤクザの神父も、よくわからない。
    極楽とんぼに芝居三昧していて、身近にも、あのようなハンディを
    持った人がいないので、
    「見て見ないふり」をする環境にも立ったことがない。
    テーマが深いのか浅いのか、
    切り込みが突っ込まれているのか、甘いのか、
    それもよくわからなかった。
    確かにインド旅行へ行った時に、ニューデリーの駅前には、
    あのようなハンディを持った人は沢山いました。
    直視できなかったことも覚えています。

    ラストは、「女殺油地獄」か「近松心中物語」かと思うような演出。
    イナバウアースタイルで笑っちゃいました。
    そこは面白い。


  • 満足度★★

    テーマは面白いが
    あからさまに説明くさいモノローグが多くて興ざめしてしまった。
    松緑の演技は大劇場商業演劇風のあくの強いものだった。大仰な台詞回しは他の役者にも影響していたように思う。

  • 満足度★★★★

    彼が求めていたものは、
    彼が求めていたものは、「」。
    そうきたか。
    そうだったのか。
    ずしっと腹にくる。

    最終場がやけにクドクドしいなと思う。その一方、ほんとの最後までいくと、まぁいいのかなと思えてきた。

    ネタバレBOX

    不朽の愛
  • 4月19日(土)S
    美しい言葉の数々。素敵なダークヒーロー。挨拶文に感涙。

  • 満足度

    ひどい
    ただ単に、歌舞伎の俳優さんを呼びたかっただけの芝居なのかと思ってしまった。
    話が散漫すぎ。

    ネタバレBOX

    台本がひどすぎる。
    伏線が薄く、つながらなくて、エピソードそれぞれが唐突。
    死神だと自分で言ったあの看護婦が何故死にたかったのか、セリフの内容では説明されるものの、心情と構成的に全くつながらず。
    悪役ヒーローではなく、ただの我が侭な犯罪者が二人、心中したようにしか見えない。
    今まで好きだっただけに、本当に残念です。
  • 200804211930
    200804211930@シアタートラム

  • ポストトーク
    の日に行きました。
    満足。

  • 満足度★★★★

    今回も難しいテーマを選んだな・・・
    余り手をつけたがらない世界に手をつけてしまった感じもする作品でしたね。

    かなり奥深くまで踏み込んでいたと思うけど、もう一歩踏み込んで欲しかった処もあったな・・・

    初日だったから、いろいろと模索しながら演じている感じが漂っていたが、クオリティは高かったと思うから、今後どの様に化けるかがちと楽しみ。

    ネタバレBOX

    舞台上のオブジェの意味をもう少し明確にしてくれれば、もっと深い作品になった可能性があったので、ちと残念。

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