満足度★★★★
松緑のDNAを実感できた作品
既に終了した作品、しかも昨年のものについてのレビューを書くことは
反則なのかもしれませんが、前から気になっていて、中にはこの劇団の
以前のものについて読むかたもおられるかもしれないので
思い切って書かせていただきます。
まず、ここを開けてあまりの低評価に「えーーっそうなの??」と驚いて
しまいました。
歌舞伎ファン、小劇場ファン双方を満足させられない作品、安易な企画
とのご指摘がありましたが私はまったく違う感想を持ちました。
松緑の歌舞伎役者としてのDNAを実感でき、大変感動しました。
「迷える憂き世に 咲けよまがしき 悪の華」
これ、誇大宣伝でもなんでもないと思いましたけど。
観終えてもしばらく席を立てず、もう一度席にからだを沈めて
深いためいきをつきました。傍らの連れも同じく感動の面持ちでした。
さらにいくつか離れた席の若い女性は顔を半分覆って嗚咽をもらし、
そのなかで「よかったよー」とひとこと。彼氏らしき男性が彼女の背中を
優しくさすっていた様子が忘れられません。
以下、長くなるのでネタバレで。