楽屋 公演情報 楽屋」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.9
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    日澤演出だと、さすがの説得力
    その上、このキャスティングでは...外れようがない。楽しめました!

  • 満足度★★★★★

    納得の内容で充実していました。
    とても面白かったです。ここまで皆さん5。本当かよとか思うだろうが、確かに観ていてそう思える作品だったと思います。役者さんも凄かったが、忠実な台本の台詞回しから細かい美術まで、ベタ褒めする気はないが良い。そして「劇」小劇場だからかは分かりませんが、何か空気の感じが素敵でした。これはよい「楽屋」。そんな感覚。以下

    ネタバレBOX

    女優さんたちの力量も良かったです。4人とも個性があり、作中の役を演じている印象。A、Bのお二人は化粧の段取りも逆算してやったりしていたのでしょうか。ガラス瓶でどついたりは派手に割れて心配になったり、女Aの空襲の傷(火傷?)痕、年代ごとに見て分かる女優たちの化粧セット、まくらの地味な染みに至るまで、細かく見る客も満足な美術さんも凝っているなぁと感心します。ただチェーホフとか演劇のいろはを知らない人は観ててわかるのかなぁと。脚本の面白さも改めて感じました。ありがとうございました。
  • 満足度★★★★★

    最終日マチネ観劇
    元々、有名戯曲だけど半分はチェーホフで占められてる気がw 70年代後半?の戯曲のようで、台詞の端々に「統括」とか聞かれた気がするが、この作家特有の言葉遣いだなーと感じた。比較する程、同舞台は見てないが、戯曲そのものはあまりいじってないのかな。
    4人の女優が「女優」を演じる舞台裏での出来事。それぞれの本番前の平常心、業や気性のような凄ましさも見え隠れし、それもまた魅力的でもあるが滑稽だったり。全員上手すぎて、女優Dはもっとヘタウマな人でも良いのではないか、といらん事考えたり。
    関係ないが、鏡見ないで化粧する方法、自分も会得したいw 鏡台に置かれた、それぞれの時代の化粧道具がまた心憎い。紀保さんのあの場面は思わず高麗屋だぁ…と感心。
    もう、このキャストで三人姉妹上演してw。
    約70分の濃い舞台でした。

    ネタバレBOX

    舞台裏での女優達のそれぞれの平常心、気性、気骨。
    それほど華々しくはない経歴に誇りを持っている女優AとB、幸運そうに見えるが実はそれほどでもない女優C、これからの活躍に心躍らせている女優D。

    存在していた世代の差異はあったり、女優AとBの軽妙なやり取りの後に訪れる「女優」という意識から見える意地と執着心。世代と役の違いによるニーナの台詞の印象も違って聞こえてくるのは興味深く、それぞれの対比が浮き彫りにされた後に訪れたラストシーン女優3人の瞳に映える照明が綺麗だった。
    暗闇に浮遊する魂のような終り方も、残像のように印象に残った。
    良い舞台でした。
  • 満足度★★★★★

    丁寧で熱い
    受付終わり、階段を上がって出迎えてくれたのが別の劇団の座長。
    ビックリしてお得な気分。
    何度も見てきたこの作品。
    役者が丁寧に演じ、尚且つ全ての女優が持つ熱があり素晴らしい作品でした。
    ラストシーン、心をここまで揺さぶったことはなかった。

  • 満足度★★★★★

    贅沢というか
    劇場全般の空気感の良さを味わいました。日澤さんの演出でチェーホフ作品を観たくなりました。

  • 満足度★★★★★

    浮遊する女優魂
    世代を超えた女優たちの本音と哀愁が凝縮された「楽屋」という空間。
    脚本の面白さ、メリハリの効いた台詞と間、キャストの素晴らしさを堪能した。
    劇中劇ながら、これほど「三人姉妹」に感動したのは初めてだった。
    暗闇を際立たせる照明が劇的で素晴らしい。

    ネタバレBOX

    濃い闇に浮び上る3つの化粧台、上手側に座る女優(伊東知香)は
    間もなく幕が開く「かもめ」のニーナ役を演じる準備に余念がない。
    後の2つの化粧台では2人の女が黙々と化粧を続けている。
    ニーナが出て行った後、2人は互いに担当した役を振り返り披露し合う。
    しがないプロンプ人生でも役には愛着があり、誇りもある。
    やがてその2人、顔に火傷の痕がある戦前の女優(松本紀保)と
    首に大きな切り傷のある戦後の女優(川田希)は、どちらも幽霊であることが判る。
    そこへもうひとり、枕を抱えた元プロンプターの女優(井上みなみ)が現われ、
    ニーナ役の女優に向かって「自分にニーナの役を返せ」と詰め寄る。
    楽屋には時代を超えて女優たちの魂が浮遊している…。

    生きている女優も死んだ女優も、舞台にかける情熱は同じ。
    時代の違いはあるが、ついに表舞台に立てないままプロンプターで終わった2人が
    命果てた後も楽屋に執着する気持ちが怖ろしくも切ない。

    松本紀保さん演じる三好十郎の「斬られの仙太」、口跡と気風の良さが心地よく
    その台詞を愛唱する気持ちがビシビシ伝わってくる。
    伊東知香さんのニーナ、井上みなみさんのニーナの後で聴くと
    その経験値と味わいが一段と深く共感を呼ぶのは私自身の世代に近いからか。
    “いろんなものを犠牲にして”ここまで来た意地と気概にあふれた独白が
    現代の女優らしくリアルで素晴らしかった。

    「かもめ」も「マクベス」も「三人姉妹」も、戯曲のエッセンスを感じさせて本当に楽しい。
    あの「三人姉妹」のラスト、思わず別公演として観てみたいと思った。
    偉大な戯曲に女優たちの思いを乗せる脚本が巧みなのは言うまでもないが、
    特に衣装を変えることも無くショールひとつで切り替えるシンプルな演出が秀逸。
    前半幽霊2人の動きが抑えられていたことも、
    後半の劇中劇でほとばしるような情熱との対比が鮮やかになって効果的だと思う。

    チョコレートケーキが昨年9月に上演した「起て、飢えたる者よ」で
    渋谷はるかさん演じる管理人の妻が変貌する様を観た時
    表面上の顔と、秘めた本性とのギャップをえぐり出すのが巧いなあと思ったが
    生と死、時代の違い、キャリアの差などを鮮やかに対比して見せて素晴らしかった。
    改めてチョコレートケーキは全方位的に優れた劇団であると思わずにいられない。



  • 満足度★★★★★

    シナリオの陰影を見事に表現
     若手演出家コンクール2012最優秀賞受賞記念公演として上演された、今回の「楽屋」。売り出し中のチョコレートケーキの番外公演という形をとっている。選ばれた作品は、清水 邦夫の名作「楽屋」。これまで多くの劇団、多くの役者、演出家が、挑んで来た作品を敢えて選んだチョコレートケーキの志の高さを先ず評価したい。
     良い舞台というものは、シナリオ、演出、演技は無論のこと、フライヤーにせよ、舞台美術にせよ、総てに亘ってセンスを感じさせるものだ。今公演も、そういった作品の系譜である。キャスティングが、良い。このメンバーで他のキャスティングは無いと思わせる所に収まっているのだが、それは始めから決まっていた訳ではないという。出演者が其々、役を回して収まるべき所に収まったということだ。それだけに実によく嵌ったキャスティングになっている。(追記後送)

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