田園に死す 公演情報 田園に死す」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 五年後のクチコミ。ではないが色々と思い出す事などあり。
    舞台上のめまぐるしい展開をこの時は冷静に見る自分がいた。上演中も日常感覚を引き摺っていたのは、恐らく個人的な「演劇どころでない」何かがあった、ような。
    この公演は第一に演出「天野天街」、天野色を緩和する流山児色、そして元ネタの寺山修司という三つ巴。

    流山児×寺山と言えば十数年前、今ほど芝居を見なかった頃、まだ見ぬ「流山児」なる怪しい劇団を何を思い立ってか、亀有くんだりまで観に出掛けたのが『狂人教育』であった。
    当時は「作り込まれた演劇」を懐疑的に見るところのあった自分だが、これには圧倒された。「なぜかくも魅惑されたのか」をよくよく考えた。見ていたのは俳優の肉体だったと思う。調べると上演が2000年、主演の沖田乱の名は頭に刻まれた。
    「流山児事務所」「寺山」の舞台イメージが焼き付いたが、以後暫くそのチャンスがなく、どうやらその後が「お岩幽霊 ぶえゑすあいれす」atスズナリ(2010)。これは黒テント・坂口瑞穂の書き下しという事で観た。
    流山児事務所、を意識して観たのが「ユーリンタウン」の再演。以来、space早稲田でのリーディングや「鼠小僧」「アトミックストーム」「無頼漢」「チャンバラ」「マクベス」等等。天野天街との仕事も多いが、寺山原作の三つ巴の「地球空洞説」(2012)はエライ舞台だったらしいが、これが未見である。それというのも、天野天街の名を私に紹介した知人は、この舞台を引き合いに紹介したような訳で。
    流山児は近年も企画性の高い公演を打ち、演劇界の撹拌・統合の媒介として劇団を用いている感さえある。
    天野天街は名古屋の演劇人という枠、アングラという枠を出て来年は新国立へ。またここ数年熊本に招ばれて演出している既成戯曲(平田オリザ、岡田利規...)の舞台は一度観てみたいものだ。唯一無二とはこの人の事。

    ネタバレBOX

    メモ:これまで観た天野天街演出作品
    2013「真夜中の弥次さん喜多さん」(KUDAN Project)
    2013「ハニカム狂」
    2014「泣いた赤鬼」(一糸座)※上演中止/試演会
    2014「砂女←→砂男」(うずめ劇場)
    2014「田園に死す」(流山児事務所)
    2014「寝覚町の旦那のオモチャ」
    2015「西遊記」(流山児)
    2015「レミング-世界の涯まで連れてって-」(再)(パルコ)
    2016「泣いた赤鬼」(一糸座)
    2016「思い出し未来」
    2017「シアンガーデン」
    2018「高丘親王航海記」(ITOプロジェクト)
    2018「街ノ麦」
  • 満足度★★★★

    寺山の世界って...
    アングラの寺山ってこんな感じだったのか?と思う反面、こんなノリで良いのって感じもなくはなく、若い人はちょっとついてけない人もいたかも?昭和の味か?最後に流山児さんが、観客ひとりひとりに言葉をかけて送り出しておられたけど、ちょっと悪乗りの意識もあり?(でもサービス精神はたっぷり旺盛!)

  • 満足度★★★★★

    三拍子そろってる
    寺山、スズナリ、流山児事務所、という、アングラの三拍子がそろったともいうべき作品。冒頭からのセリフの洪水といい、一瞬での場面転換の妙技といい、映像と舞台の効果的なシンクロといい、「芝居は総合芸術である」ということを、再認識さえてくれる見事な芸術作品に仕上がっています。かといって、決して堅苦しくはない。
    ひさしぶりに、舞台の楽しさを満喫させていただきました。

  • 満足度★★★★

    スズナリだからこそ
    すっごい素敵な舞台でした!
    すっごい感激というか、衝撃というか!
    ぎゅうぎゅうで、2時間20分くらいの休憩なしは、更に濃密です。
    そりゃもう評判の作品なんだろうなぁと思います。最終上演だし。
    とにかく迫力がすごかった~。なんだか不思議な気持ちで激しくアウェイ感でしたが、寺山修司の言葉が好きな私には、心地好い言葉と音と洪水でした。
    マッチの演出も、好きだなぁ。映像もすごくビジュアルに訴えるものが。
    妄想とリアルの繰返しとか、母との親子関係とか。
    寺山ワールドに触れるのは、まだ2作目のひよっこですが、なんとなく寺山修司さんの思考に触れられてる気がして、面白かったです。
    深山さんのご活躍が嬉しくて嬉しくてたまりませんでした!
    すっごい似合う役でした!いまだに子役(中学生くらい)が出来るって、本当にすごいです。
    観に行けてよかったです。
    スズナリの小屋で上演することの意義を体感したような気がします。

  • 満足度★★★★★

    スズナリに捧ぐ
    … この作品は下北沢ザ・スズナリという「劇場」に捧げるオマージュです。愛するスズナリでしか上映出来ない素敵な作品、それが『田園に死す』です… と流山児氏の言葉。


    寺山修司というひとも作品も私ごときがかじるにはあまりに大きいけれど、これで二度観たこの作品は これにて最終、永久終演。こみ上げて来るものがありました。

    終演後 ゆっくりと暗転 拍手に包まれながらもカーテンコールもないさみしい、のではなく厳かな終演


    私もまたスズナリが大好きで この千秋楽こそ スズナリによく似合う

  • 満足度★★★★★

    田園に死す。
    言葉と言葉が、繋いでは断ち切り、放り投げては、予測不能なところから飛んでくる、映像の空間に投げ込まれたかと思うと、また、舞台に引き戻される。
    寺山修司の言葉の海にダイブ。
    叙情的で、湿っぽくなくて、でも胸を締め付けられる。
    言葉は記憶に残る。
    ぜひ、スズナリでの舞台をナマで体感して欲しい。

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