満足度★★★★
有難うございました
年に一度の招待公演、幕末純情伝、女帝卒業公演に続き、今年は私の大好きな演目である売春捜査官。実は今年に入ってから売春捜査官は六度目の観劇でした。これから暫く観る機会がないようですが、まさにパーフェクトの木村伝兵衛でした。前回は見ることの出来なかった終盤の薔薇の花束、とても素敵なシーンでした。今年も女性三人、男性一人の布陣でしたが、今年のストーリーの方が昨年よりは無理もなくすんなり入っていけました。
丁度今から一年前に本多劇場で黒木華主演の飛龍伝を観たのですが、この度国際的な賞を受賞されましたね。絶対エースがいつの日か紀伊國屋で公演し、国際女優になる夢を影ながら一緒に追いかけたいと思います。
皆さん熱演お疲れ様でした。そして有難うございました。
満足度★★★★
無題1004(14-043)
19:30の回(晴)。18:50会場着、受付、東(2)西(4)南(1)列だったか、南が正面。19:21ウォーミングアップ(After The War)、19:31開演〜20:59終演。「WAR3(2011/4)」〜「WAR Revolution(2012/11)」、シークレット・ライブとして行われた「幕末純情伝(2012/1)」も観ました。
久しぶりの千本桜です。足が遠のいたのはやはり劇団員の力量に不安定さを感じるようになったからでした。今夜、観にきたのはちょっとした気まぐれだったかかもしれません。どなたが出演されるのかよく確認せずの申し込みにもかかわらず…此処で一人の若い役者さんを見つけることができました。佐々木さん…どんどん大きくなって欲しいと心底思います。
入ってすぐ、平澤さん。随分印象が変わったのは着ているもののせいだけではなさそうです。上/白、下/黒、メイク、ヘアスタイルもシャープ。暖かさと優しさ、冷たい切れ味にすら磨きがかかっています。私の場合も、初めて観た公演から在籍しているのは平澤さんのみ。
伊織さんは、「salty rock」2013/10に@兎亭の公演を観ました。
座席の関係でみえないシーンも多かったのですが堪能しました。
この時代に求められる「1対1」の真剣勝負とは…
「ミスターXは誰なのか?」
『売春捜査官』(作・つかこうへい)は4名で構成する舞台ですが、2013年入団組の離脱により、『劇団EOE』役者陣は2名しかいませんでした。
そのため、史上初という劇団オーディションを開催し、客演に迎えたのが伊織さん です。
この陣容だと まだ 一人 足りないわけですが、「では、誰が出演するのだろう?」とファンの間は疑心暗鬼が拡がっていました。
『劇団EOE』主宰を務める真生氏が 万を辞して 御出演したファン感謝デーは、”養成所スタイル”を捨てる いわば「総力戦」です。
[本番前の宗教儀礼?]
「10分間、人が変わります」と観客へ説明した真生氏。
一体、何が行われる というのでしょうか。
会場中に流れる大音量のロック調BGM。
すると、出演者4名が「シュッシュッ…」と力強く、息を吐き出しました。
この動きは「モチベーション法」ですね。
『絶対エース』平澤氏は「意識を深める状態にします。決して、宗教団体では ありません!劇団です!」と語り、観客を笑わせました。
でも、「呼吸法で意識を深める方法」は、科学的に解説しますと血中酸素濃度を低くすることなのです。これを仏教用語で『瞑想状態』と呼びます。
私は、二人一組となって“大将”真生氏と向き合った際に18歳 佐々木氏 の顔から涙が零れ落ちる場面を見逃しませんでした。
『週刊EOE』(『劇団EOE』を追うメディアです)によると、この『売春捜査官』稽古中、佐々木氏は二度も“脱走”してしまったそうです。まるで『戸塚ヨットスクール』のような表現ですね(笑)
「お客様の前では辛い顔しちゃダメなんだよ」という鋼鉄の意見も あるでしょう。
「舞台至上主義」ですね。
その考えに対し、「いや、舞台裏を見せてもいいんだよ。製作する過程を お客様と共有したいんだよ」とする考え方が、『劇団EOE』=『週刊EOE』そのもの だといえます。
つまり、本番前の「モチベーション法」をファンに公開し、18歳少女(?)の美しい涙を 拝ませてくれること自体が「舞台裏を含めた、『演劇活動』」なのです。
現代に暮らす日本人であれば、体育会系ともいえる こうした「目と目を合わせる」ホットな関係に浸る機会がありません。なんだか羨ましい関係です。
[衣装、照明が 不足したから わかった!大物劇作家『つかこうへい』の構想力]
故・つかこうへい 氏。
彼は慶應学在学中に書いた『熱海殺人事件』でブレークします。
その当時、早稲田大学出身の劇作家・寺山修司氏が、今までの演劇文化を否定した『アングラ演劇』を立ち上げていました。
ところで、『ヘイトスピーチ』が2013年流行語トップ10に入ったことを ご存知でしょうか。
つかこうへい氏の『熱海殺人事件』は、土地の差別や、女性の苦悩を描くわけですが、「40年間経っても結局、変わらないんだな」という不都合な真実を気づかせてくれます。
今回のファン感謝デー公演、通常公演には ない特徴が…。
役者の衣装はおろか、照明も用意れていません。Tシャツにジャージ姿、劇場を照らすのは蛍光灯だけの空間は、文字通り『稽古場』に近い。
ここで、「照明って、劇場に備え付けられるんじゃないの?」という疑問がわきます。
たしかに、照明機材が完備されている劇場も ありますが、「レンタカー等で運び、設置(解体)作業をする」のが一般的な公演。
「1時間後に次の劇団が作業始めるから速やかな撤収を!」(真生氏」ー「ないない尽くし」でした。
しかし、演劇設備で逆風だったからこそ、「役者が放つ肉体エネルギー」「眼差し」「削ぎ落とされた役の本質性」を、観客側も体感できたのではないでしょうか。
「そこにいることが、『つか作品』を造った」のです。
[観客と歩む『劇団EOE』は変化の兆し]
開場中、キャストがふるまっていたのが“お鍋”“焼き鳥”でした。
極寒ですから温かい おもてなし料理は心に染みます。
佐々木氏から勧められたのにもかかわらず、前の方が「いいや」と断わった流れで「お腹いっぱいです」と社交辞令してしまったことを悔やんでます(笑)
『劇団EOE』ファン感謝デーに参加したのは“初”なので、この「振る舞い」が恒例か どうかは 知らない。
ただ、「ファンと歩んでいく」は随所に散りばめられている舞台でした。
そう感じたのが大山金太郎役・真生氏の 次の台詞です。
(伊織氏を)「客演に迎えるんじゃなかった!」
アドリブか台本か…。
今まですと「舞台に真剣に取り組む」姿が、試合中のスポーツ選手を思わせる特徴だったのですが、「舞台を おどける」、そうした柔軟性が発揮されたように感じます。
『劇団EOE』は「役者面会なし」を貫いています。(小劇場界の非常識ですね)
今回、兆しが見える“変化”とは、「舞台造りを通してファンと交流する」(『週刊EOE』も 役割)この劇団ならではの 触れ合い方です。
役者数わずか2名、主宰すら登場せざるをえなくなった『劇団EOE』。これから飛躍したい身としては現在、茨の道かもしれません。
ただ、客演・伊織氏の「内面から湧き上がった感情表現」は見事でしたね。「情熱社会派」としての未来を映し出しました。
今後も期待です。
満足度★★★
気持ち昨年より進化していた
昨年の「売春ー」よりは、だだすべりシーンが減っていたが、相変わらずグダグダ。
ただ、今後も応援したくなる劇団ではある。