新年工場見学会2014 公演情報 新年工場見学会2014」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    頑張り所のチョイスが適切
     前田司郎率いる五反田団と岩井秀人率いるハイバイ。2団体が中心となり毎年始に行っているというエンターテインメントショーを初観覧。
     当日パンフによれば、この見世物は前田氏いわく「毎年、年始に悪ふざけをすることで、初心を忘れないように気をつける催し」だそうで、岩井氏いわく「毎年「そこまで本気じゃない感じでやる」主旨でやっている」そう。
     両氏の言葉に嘘はなく、五反田団が演った『クリィミー☆チカ』もハイバイの演った『大衆演劇のニセモノ』もその名に恥じない
    “悪ふざけ演劇”だったが、だからと言ってテキトーづくしというわけでもなく、二団体ともある部分にはとても力を入れていて、その“頑張り所”のチョイスが適切だったせいなのか、両作とも大いに楽しめた。

    ネタバレBOX

     五反田団『クリィミー☆チカ』は、元カレに借金を踏み倒されて金に困った女が主人公。
     女は偶然出会った宇宙人に授けられた魔法を使って美女に化け、変身前の容姿では働けなかったキャバクラで人気嬢となって大金を稼ぎ、店に来た芸能関係者にスカウトされてアイドルにまで登りつめる。
     センスのいい中学生が授業に退屈してノートに走り書きしたようなストーリー自体も楽しめたが、最も魅了されたのは、アイドルになった女が全キャストをバックダンサーとして従えつつ歌い踊るラストシーン。
     バックダンスの振り付けが丁寧かつきめ細やかになされているせいで、女が歌う某魔女っ子アニメの超テキトーな替え歌との間にいい感じのギャップが生まれ、この上ない可笑しみを感じたし、中央で歌う女がバックダンスに支えられてすこぶる魅力的に見えた。
     華麗に踊るバックダンサー陣が終始“シラケ顔”を貫いていたこともギャップの可笑しみを生んで、笑ったのなんの。
     稽古中、テキトーでも許されそうなこのバックダンスの練習に最も時間が割かれたことは想像に難くないが、その甲斐あってとても楽しい娯楽作に仕上がっていた。
     ハイバイ『大衆演劇のニセモノ』は、岩井氏が「一回見てみたらスンゲー面白かったので、その記憶だけでやってみ」たという、大衆演劇の紛い物。大衆演劇をまともに観たことのないバルブが観ても面白かったので、大衆演劇通の人にはより楽しめたにちがいない。
     五反田団がバックダンスに力を入れていたのに対し、ハイバイが本作で力を注いでいたのは“大衆演劇ならではの約束事”。殺陣のシーンなどは流し気味なのに、“役者は登場時と見せ場を演じた直後に名を呼ばれ見得を切る”“花形役者は力み返った口調で喋る”などの大衆演劇の決まり事は過剰なくらいにきっちりとやってのけ、それが得も言われぬ可笑しみを生んでいた。大衆演劇に不慣れな感じを出すため、名を呼ばれた後しばしあたふたしてから見得を切るのも可笑しかった。
     こうしたことに飽きてくる中盤以降は話自体が面白味を増していき、結果、最後まで飽かず鑑賞。キリシタン狩りで家族や仲間を失った男の復讐譚というよくある話ではあったが、繰り返し演じられてきたせいで話が精錬されており、グイグイ釣り込まれてしまった。
     ベスト俳優は五反田団の作品でアイドルを演じた内田慈(うちだ・ちか)さん。美人でハキハキしている上、休憩時間中、観客にホットワインを配っている時の対応も良く、好感を持ちました。
  • 今年もやっぱり
    そろそろチケット取らないとなーと思って検索してみたら、すでに前売りは売り切れていた。あきらめようと思ったけれど、年始にあまりにも暇だったので、結局五反田に足を運び、当日券で観た。
    例年以上に完成度の高い作品2つ。例年通りのお約束な獅子舞、ザ・プーチンズ、ポリスキル。いろいろ含めてとても楽しかった。ここ数年、毎年これで観劇初めだけれど、その”例年通り”が、とてもありがたく感じられる今日この頃。
    いろいろあるけれど、来年もどうかアトリエヘリコプターでホットワインを飲みながら観劇初めを迎えられますように。

  • 満足度★★★

    遺産相続
    面白い。休憩込み190分。

    ネタバレBOX

    五反田団「クリィミー☆チカ」
    黒田(黒田大輔)の彼女・平田(平田ハルカ)が、ピノピノ(前田司郎)から魔法の手鏡を貰ってクリィミー・チカ(内田慈)に変身するが…。

    紅午会「親子舞」

    休憩

    ハイバイ「大衆演劇のニセモノ」
    隠れキリシタンの十字郎(用松亮)が、惨殺された家族の復讐を誓い、幕府方の暗殺を始める。天宮(平原テツ)と山中(岩瀬亮)は十字郎と戦うが…。

    ザ・プーチンズ「今年の電磁波」

    ポリスキル
    黒田大輔が警官に職質される。

    昨年の同見学会と比べて爆笑は少なかったけど、なんだかんだ楽しめる。五反田団のゴチャっとしたバカバカしさとか、B級な味わいとか好き。ハイバイの大衆演劇は、本家を観たことないけど、役者名の掛け声?演出は思わず笑ってしまう。何気にプーチンズが面白かった。
  • 満足度★★★★

    完成度を持ったぐたぐたさ
    3日ソワレを拝見。
    まずは、新年早々満杯の客席で、それだけでも縁起がよい。

    ここ何年かお正月の楽しみになっていて、
    今年も例年に違わず、いや、例年以上に
    たっぷりと楽しませていただきました。

    ネタバレBOX

    3時間の中味が年を追うごとに
    良い意味で型にはまりつつ洗練されてきているような気がします。

    昔感じた間延び感はまったくなく、
    ぐたぐた感も発生してしまうのではなく、
    作り手の掌の中で、じっくり練りこまれ作られていく感じ。

    二つの演劇それぞれに、
    ベースの雰囲気の作りこみや
    役者の力量を感じることができたし、
    単にアイデアを押し込んだということだけではない、
    ショー的な部分や歌舞き方の洗練にちゃんと引き込まれた。

    そりゃ、五反田団、ハイバイとそれぞれの本公演のような
    幾重にも重なり研がれた舞台の企みまではないにせよ、
    これで厄落としになるのか心配になるような
    いろんな充実を感じることができました。

    昔のようなルーズな感じがないので、
    獅子舞も舞台により映えたし、
    プーチンズ、ポリスキルとも観る側をそれぞれの世界に
    しっかりととりこんでくれた。

    ちなみに、終演後セットで購入した
    プーチンズとクリィーミー☆チカのCDも、とても良い出来でありました。
    購入時に役者さんの衣装のままでの握手サービスがあり
    かなりどきどきした。
    また、織り込まれていたhula-hooperのチラシの
    なにげに凝ったつくりにびっくり。
    これ、そんなに部数を作れるとも思えず、
    捨てられないなぁと感心。

    本編も、諸々も、口上とは異なりいろんな秀逸さがあってとても満たされたお正月のひと時でありました。
  • 満足度★★★★

    見納め?
    いつもながらに新年会のような力の抜けた雰囲気が楽しかった。1年ぶりなので「かげ」ネタが前回のものであることに気づくのに時間がかかった。相続税が大変なようだが、気持ちよく新年を迎えることのできる素晴らしい企画なので、たとえ会場が変わっても続けてほしい。

  • 満足度★★★★★

    飽きずにたのしめた、3時間10分
    初めて見に行きましたが、お笑い系芝居あり、大衆演劇のパロディあり、コミック系音楽パフォーマンスあり、果てはトークまであって、バラエティーに富んだ演目で飽きずにたのしめた、3時間10分でした。

  • 満足度★★★★

    今年の観劇初めに
    いい具合に楽しめたかなあ、と。

    ハイバイの『大衆演劇のニセモノ』が意外なほどに力作力作してて無駄に感動。
    今までずっと観てこなかったけど、大衆演劇ってもの面白そうだなあ、って思った。(多分今日観たみたいなものじゃぜんぜんないんだろうけどw)

    しかしまあ、こんな悪ふざけに観客がぎゅーぎゅーになるまで押し寄せるとか、日本の演劇界って大丈夫なのかな・・・?

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