満足度★★★★★
看板に偽りなし
三浦さんが、チラシに書いている「これは、エンターティメントな会話劇です」という科白に嘘はありませんでした。
いやあ、本当に凄い!先日の浅田真央さんのフリーの演技ぐらい、凄かった!
「熱海殺人事件」から、何十年も、平田さんのファンですが、今回、改めて、素敵な俳優さんだなあと、再確認致しました。
平田夫妻の快挙に乾杯!客演の平原さんも、迫真の名演技でした。
二人が会話するリビングに、映し出されるテレビの映像が、これまた刺激的な小道具になっていて、おつな演出。ただ、今日は、スタッフの誤操作があり、DVD映像だと露呈してしまう瞬間があったのは、残念でした。
ずっと、三浦作品を拝見したかったのですが、おばさんには刺激的な場面が多いと聞き、これまで敬遠していたので、今回拝見することができて、嬉しく思いました。
満足度★★★★★
夫婦 って
客席は Lの時に舞台を挟む形である。105分 観客は その大半を役者の背中を見続けることになる。
背中、であるから もちろん表情は見えない。見えないからそのぶんイマジネーションが働く。すると見えないけど見えてくる。もちろんそれは実際の役者の演技ではない。むしろ登場人物に自分の知ってる人物、もしくは自分自身を投影させる、スリルに満ちた作業かもしれない。いや、そうであった。
劇 だけれども 劇的な飛躍のある台詞はないかわりに 他人事はない、いきなり自分の鼻先に指差されたような。しばしば挟まれる沈黙の間、そして観客である私は傍観者から当事者となる
しかし 「熟していない熟年夫婦」の 或る事件と それが引き起こした状況と ふと訪れた和解 それをこれだけリアルな会話劇にしたのが 1975年生まれの劇作家とは!
いや、登場人物は 一組の夫婦だけではない。あとのひとりが誰か、それは舞台で確認してください
最後 思いがけないかたちで 不意の和解
その時の ふう…と 緊張が ほどけると同時に 心から笑った私。
戦いすんで(あと、何ラウンド?)
でも ひとつ何か「突破した」そんな男女の話