満足度★★★★★
木ノ下歌舞伎「東海道四谷(×四ツ谷)怪談」アフタートーク観ました(笑)
いま気づいたら、F/T前から「四谷」を「四ツ谷」と書いていた。。。(だから雑だと言われるんだ 怒)
(第三幕から続く)
終演後は、毎度恒例のアフタートーク。
相変わらず、おーじ×木ノ下先生の歌舞伎LOVE、調子に乗った掛け合い漫才のようなトークが楽しい。
観客をぐいぐい巻き込むオーラ。何時間でも聞けるなあ(笑)
これを聞くと、またキノカブを観に行きたくなるという洗脳効果。
これだけで一公演がっつりやればいいと思う(トークショーともいう)
※トーク中、実況でツイートした内容をネタバレBOXに入れました(隠すことではないけれど、仕分けとして)。
木ノ下歌舞伎理解の参考になれば幸いです。
満足度★★★★★
木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第三幕観ました
(第二幕から続く)
ここまでの幕よりも、かなり演劇的な見せ方。
人々の、取り返しのつかないどろどろした行き違いの後で、一瞬の崇高な魂の輝きを提示。
そして夢の場。あんな美しいシーンが生まれるとは…宮澤賢治みたい。
あれが伊右衛門・岩の、本来ありたかった姿か。
ズレが悲劇へ向かったラブロマンス・東海道四ツ谷怪談。
じつはロマンチスト・おーじの面目躍如。
最初の不安が嘘のような6時間。
通して観たからこそ、掘り下げて気づかされることもある、内容も濃厚な観劇体験でした。
(アフタートークへ続く←まだ続くんかい!)
満足度★★★★
木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第二幕目観ました
(第一幕から続く)
第一幕で積み重ねた歴史が、一気に花開く展開。
「スターウォーズ・帝国の逆襲」にも通じる、観客との間にできあがった共通認識の上でのエンターテイメントの炸裂(←おーじに言ったら、呆れられたw)。
重要な事件が、一場面一日で立て続けに。
まごころとしがらみと欲望の行き違い。
パニックからの冷静さへの心境変化、次は相手へパニックを押しつける。
私は二幕目から、役者の出はけに合わせて脈動するような背景や、「ゴゴゴゴゴ…」的効果音wが、演出効果として気にかかり始めました。
舞台全体が、一体として息づいている…
(第三幕へ続く)
満足度★★★★
木ノ下歌舞伎「東海道四ッ谷怪談」第一幕観ました
「義経千本桜」「黒塚」に続いての木ノ下歌舞伎観劇です。
千本桜では、幕ごとに演出家が変わる試みが面白かったけれど、今回はおーじが全幕演出。じつは少々不安…6時間耐えられるのか…
すでに死を予感させる舞台、生々しさと透明感を兼ね持つ背景。
過剰な意図を感じさせず、観客に何かを考えさえる舞台美術。
世代や身分等、社会でのあり方で違う言語・身体。ちょっとひやひやする役者も(汗)
金のやりとり、世間のしがらみから生まれる、流動的な力関係のルール。
事情をかかえた者たちが複雑に絡み合う群像劇。
時折、錦絵を思わせる舞台上のミザンス(役者の立ち位置)が、遠くの席からだとよく見て取れる(←いい席取れなかった負け惜しみ)
ただ、正直、物語としては一幕目は少々退屈でした。ラストの見せ場、二人殺しで半寝落ちしてしまいもったいない。。。
まだ起承転結の「起」、ドラマはこれから。
(第二幕へ続く)
満足度★★★★★
贅沢な時間
歌舞伎は面白いんだなぁ。その様式に抵抗があって積極的に観ないだけで、今回その喜びを発見させてもらいました。人間的というか、普遍的というか、当時のしきたりに縛られながらも、葛藤は現代と何ら変わらないんだなぁと、物語は共感と驚きでいっぱいでした。それは、アフタートーク含めて6時間半の通し上演という、すごい贅沢な時間で作品を観れたからだと思います。公演に関わる全ての方々の意気込みと上演された作品に心から敬服します。斬新で驚きと楽しさに満ち満ちた、歌舞伎愛溢れる演出と構成で、この作品に出会えて良かったなと思います。
満足度★★★★★
双眼鏡を片手に通しを満喫
比較的後方の席だったので、双眼鏡を持参し観劇。
歌舞伎言葉と、江戸前の台詞と、今様の言葉がそれぞれに醸し出すリズムやニュアンスが実にふくよか。さらには双眼鏡越しに覗く役者の所作や表情が、その口調だから訪れる思いをしっかり受け止めて、場を見事に作り上げていく。
会場に向かうまで抱いていた6時間の覚悟などまったくいらぬこと。
時を忘れ、舞台に取り込まれ、がっつりと楽しませていただきました。
満足度★★★★
「古典」に留まらない、鮮やかな群像劇
お岩の怨み話としてのイメージが強い『四谷怪談』を、様々な人物達の関係と思いが交錯する物語として描いていて、正味5時間半という上演時間の長さを感じさせないドラマティックな作品でした。
定式幕をモノトーンにした柄が描かれた大きく傾斜した舞台の上で、カラフルな衣装と大音量のダンスミュージックを伴って、悲しい終わりを迎える人々の感情が鮮やかに表現されていて、「古典」という敷居の高さを感じずに素直に心が動かされる、演劇的な強さがありました。
有名なお岩の髪梳きのシーンではラップが流れるという唐突な演出でしたが必然性が感じられ、お岩の悲しみが印象的に描かれていました。
お袖が新旧の夫の板挟みになり痛ましい決断をするシーンから、伊右衛門とお岩の実現しなかった幸せな生活が幻想的に描かれたシーンへの流れが、切なくて素晴らしかったです。
歌舞伎ではカットされることが多い「深川三角屋敷の場」、「お塩田隠れ家の場」(7月の歌舞伎座での上演でもカットされていました)が上演されることによって、伊右衛門とお岩以外の登場人物の存在意義が強められていて、物語に厚みを加えていました。上記の2つの場が断片的に交互に続く演出が良かったです。
鶴屋南北が書いた台詞そのままだけではなく、現代語も用いられているのですが、それで笑いを取るだけでなく、悲しさや嬉しさが一番盛り上がる部分で用いることによって、その感情が強く伝わって来ました。
印象的な場面や時間経過を示す時に鳴らされる鐘が飛行機の音に、不穏な雰囲気の時に鳴らされる太鼓がヘリコプターの音に置き換えられているのが印象的でした。
満足度★★★★★
通し観劇
上演時間6時間、15分休憩が2回。言葉が分かりやすく、現代的な面もあり、全く違和感なく楽しめた。第2幕が有名だが、全体を通してみると業の連鎖が見えてくる。夢の場はほぼ原作に忠実とのことで、その前衛性に驚いた。アフタートークも面白い。