満足度★★★★
いろいろ引きずって
人ってやっぱり昔の体験とか今に引きずって生きているのかな。でもってそれに縛られている間は前に進みづらくなっていて、息苦しい日々になってしまうのかと。過去にさよならを言うのは簡単そうで簡単でないね。過去があるから今があるわけだし。
テーマに繊細に触れるような感覚
現実世界と仮想世界の居心地の快適さといったようなことにも言及しながら、現代人の心のもろさや人間関係のコミュニケーションをテーマに扱った作品といえます。ただ、核心部分にストレートにずばっと鋭く迫り観るものの心を鷲掴みにするといった作風(例えば、つかさんのような)ではなく、さりげなく話の核心に触れてはすぐ離れ、またそれを繰り返すというような作風で、描写の鋭さが物足りないと感じる方がおられるかもしれませんが、私には、このような描写に徹した舞台作品もあってもよいのではと感じました。
過去の七番煎じ?あり得ないくらい失望
何?どうしちゃったの?早船さん!と叫びたい気持ちでした。
幾ら、佐藤さんと伊藤さんが不在だとしても、それ以前に、とてもこれが、いつもの早船さんの作品とは信じ難いほどの駄作脚本であり、陳腐な演出で、正直、愕然とする思いでした。
ヒロインの女優さんが、役柄に合わないキャスティングだったことも手伝って、何一つ、心の奥に響くものがない舞台でした。
凄く素敵な作品を上演する劇団だからと、誰かを誘って観に行かなくて良かったと、つくづく思いました。
客席の皆さんに言いたかった。「いつもはこんなじゃないのよー」って。
満足度★★★★★
大人になっちまった悲哀
もの想う大人は皆解っているのだ、自分のダメなところくらい。
だけど解っているのにダメな方へと傾いて行ってしまう。
そしてだんだん大事な人を大事にしなくなる。
早船さんの無駄のない台詞で、それもまた人とのつながり方のひとつなのだと気づく。
コテコテダンスもありの濃い目の味付けながら、やはり毎日食べても飽きない”人の心の普遍性”を描いていてその切なさにどうしようもなく涙がこぼれる。
婚約している二人の関係が壊れていく時の緊張感がどきどきするほど秀逸。
山田キヌヲさん、とても上手いしきれいだった。衣装も素敵。