期待度♪♪♪♪♪
雅の胚胎するもの
額田 王。名前位は誰でも知っていよう。これは反歌だが”三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや”などの名歌を創った歌人として有名である。その王を中心に大化3年(648)から壬申の乱(672)までを描くと言う。グスタフの生真面目な舞台作りが活かされた佳品になろう。時代背景も実に興味深く、人間関係も実の兄弟が一人の女を愛し、奪い合うが、その何れもが、天皇となった。いわば当時の王者の妃である。絢爛の央に去来する胸の思いも、さぞ辛く純化されたものであっただろう。