サニーサイドアップ 公演情報 サニーサイドアップ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    蛇足が過ぎて感動がフイに…
     某キャストの一生を描いた態(てい)のフェイク伝記劇。時系列をバラバラにしてその生涯を見せる。
     目当ての笑いがふんだんでまずまず満足はしたものの、作劇の不備により、残念ながら感動は半減。
     余計な設定や蛇足的なエピソードを排した上で、諸シーンをもっと適切に配置すれば感動は増したはず。

    ネタバレBOX

     「某キャスト」とは荒川良々のこと。
     荒川をモデルにした「たいくん」こと嵐山鯛という人物を荒川本人が演じ、鯛が上京して役者になり、死ぬまでは言うに及ばず、その仲間たちが送った晩年の人生までが時系列をシャッフルして描かれる。
    「特別な人生なんてどこにもありませんが、どうでもいい人生もまた、どこにもないのだと思います。」
     作・演出のノゾエ氏が当パンの挨拶文に記したこの一文からは「凡人が生きた凡人なりにも劇的な人生」を描こうとの意図が窺え、芸能人オーラに乏しい凡人的な佇まいがウケてブレイクした荒川を主役に据えた理由も汲み取れるが、結果できあがった劇はやや「劇的指数」が高すぎた印象。
    「劇的指数」を高めてしまったばっかりに鯛の人生は平凡から程遠くなり、客はその人生に共感しづらくなってしまった。感動が半減したのはここに一番の原因があるように思われる。
     鯛の出産直後に「死んだ」母が鯛の挙式用に遺したビデオレターを終生独身の鯛が鑑賞する、本作のクライマックスともなりえた名シーンが台無しになってしまったのも、「劇的指数」を高めすぎたがゆえ。
     鯛の母は女として「死んだ」にすぎず、性転換して生き延びていたことがビデオレターのシーンの後に明かされるが、劇的指数を高めるために加えられたこの蛇足的な「後日譚」のお蔭で、ビデオレターのくだりで感動した私を含む多くの客はバカを見ることに。。。
     母親は鯛を産んでほどなく死んだ。
     これだけで済ませておけば、「凡人が生きた凡人なりにも劇的な人生」を描こうとしたこの劇はビデオレターのシーンをクライマックスにして綺麗にまとまり、成功を見ただろうに。。。
     だが実際には、母が男となって生きていたことが明かされたり、鯛の仲間たちがブラジルに渡って事業を始めたり、余計なことがどんどん足されて焦点がぼやけてしまい、つかみ所のない作品に。
     これらの蛇足を省いた上で、ビデオレターシーンの後に置かれた高校時代の苦い恋愛譚、ハリウッド映画の撮影シーンなどをそれより前に持ってくれば、本作の完成度は大きく跳ね上がったに違いない。
  • 満足度★★★★

    隙間
    面白い。120分。

    ネタバレBOX

    たいくん(荒川良々)…鹿児島出身。東京で俳優となりハリウッドに進出する。
    赤総理(赤堀雅秋)…たいくんの高校の先輩。たいくんの映像を収める。離婚して金がない。土下座得意。
    小寺(小野寺修二)…たいくんの付き人。手癖悪く虚言癖あり。
    嵐山男子(町田水城)…たいくんの父。母が実は生きてたとたいに告げる。
    渡鳥寛(竹口龍茶)…父の葬式後、たいくんをバイクにのせてひた走る。たいくんの母。
    富山一(富川一人)…富山生まれの韓国育ち。タクシー運ちゃんが合わないと愚痴る。
    大丸太(山口航太)…たいくんに部屋を斡旋するが職を転々とする。
    野々上(ノゾエ征爾)…たいくんの同級。東京がカラダに合わない。

    たいくんの半生を綴る。たいくんをはじめ、キャラの立った舞台で、妙なおかしさがある。単純にたいくんの展開自体におもしろさはないけど。
    赤総理(青総理?)が語ったスキマ論は面白い。よくも悪くも行き着くとこが無くなるマイナス面というのか。ダメっぽい人とか弱めな人とか、行き着けず脱落するしかなくなる社会の暗黒面というか。キャラ的にも赤総理先輩は気に入った。

    場面や時間がぱっぱぱっぱ変わるけど、そのスムーズさがいい。
  • 満足度★★★

    最終日観劇
    ある1人の俳優のユル〜い人生大河ドラマ。小野寺さんの機械では表現出来ない動きに見惚れ英語劇に笑いアクティブな赤堀さんに感動w。母との場面ではついジーンとし、本籍地不明の富川さんが不覚にも可愛いと思ってしまった。ノゾエワールド全開で面白かった。

  • 満足度★★★★

  • 満足度★★★

    キャストを観るには良いが・・・!
    個性豊かなキャスト陣を観るには良いが、話としては気持ちが踊らされたり、緊張したりすることもなく、第三者的にぼんやり観てた感があり、物足りなかった。

  • 満足度★★★

    駄目で愛おしい男達
    荒川良々さん本人を思わせる人物の一生をコミカルに描いた作品で、全員男性の出演者達の濃いキャラクターが魅力的でした。

    建物と建物の間の隙間に嵌って抜け出せなくなってしまった男の幼少期から死後までの様々なエピソードが時系列に従わずに行ったり来たりしながら展開し、先輩や付き人等の周囲の人達も含めて冴えない駄目男ながらも全員が愛おしく感じられる物語でした。
    分かり易いベタなものから下ネタ、ブラックなものまで笑いが多く盛り込まれていて、その中に人生の掛け替えの無さを感じさせました。
    隙間に挟まった男という設定は面白いのですが、それがあまり活かされていなかったのが勿体なかったです(同じくノゾエさんの『マイサンシャイン』も壁の穴から抜け出せなくなった人の話でしたが、上半身と下半身が分断されている状況が内容と密接に繋がっていました)。

    両サイドと奥が壁で囲われた空間の中で左右にスライドする3枚の壁を用いてトリッキーに人の出捌けを行って次々に異なるシーンへ繋がるのが良かったです。
    飄々とした荒川さん、暑苦しい赤堀さん、小動物的な小野寺さん、芸達者なはえぎわメンバー達と、それぞれの個性が強く出ていて楽しかったです。

  • 満足度★★★

    未来予想図
    荒川良々さんの話ですが、どっちに転んでもノゾエ征爾さんに都合のいい話でした。

    ネタバレBOX

    荒川良々さんの過去と近未来を描いた話。

    ズラをかぶるとフツーにいい男ですね。丸坊主だったからこそ今があるのかもしれません。

    個性的な役者さんだとは思いますが、彼のこれからのことを知りたいとは思いません。彼は、そう遠くない時期に脳溢血で死ぬそうです。

    どうでもいいわ。

    もし当たれば、作演のノゾエ征爾さんは大予言者としてこの作品とともに注目を浴びることになるでしょう。もし外れても、誰もこんなどうでもいいお芝居を覚えている人はいませんからツッコまれる心配はありません。どっちに転んでもノゾエさんに分のある話だと思いました。

このページのQRコードです。

拡大