満足度★★★★
夜の部
五幕目のすし屋では、いがみの権太役の仁左衛門さん、最初は憎憎しく最後は人情深さを味あわせてくれた。
大 詰 川連法眼館では、源九郎狐の 菊五郎 さん、親子の情愛は狐も人も変わらないという切なさを訴えかけてきて、しみじみとさせてくれた。
義経千本桜、すし屋の段は見た記憶があるが、やはりそれでもよかった。
新歌舞伎座は今回がお初。席は3階のAであったが、前の席との間隔が狭く、隣が空席であったため、体を斜めにしてみなければならなかった。
終演後、一等、二等の席に座ってみたが、ゆったりとしていた。
でも二等席で14,000円は、少しためらってしまうお値段だ。
満足度★★★★★
梅枝の進境著しさに嬉しさ
ニ度目の新歌舞伎座。
考えてみたら、その役者さんの見せ場で、その役者さんの屋号の掛け声が掛るという、言わばあたりまえの状況の中での歌舞伎観劇、実に久々でした。
それだけでも、余念なく、落ち着いた気持ちで、舞台に集中することができ、本当にあたりまえのありがたさを痛感しました。
仁左衛門さんのいがみの権太観たさに、初日に参りましたが、梅枝さんの小金吾の演技が繊細で美しく、いつの間にこんな楽しみな役者さんに成長されたのかと、胸が熱くなりました。
仁左衛門さんの権太は数えきれない程拝見していますが、いつも芸が細やかで、何度観ても泣かされます。父と息子の情愛の機微に、昨日観た「そして父になる」と相通じるものを感じました。
菊五郎さんの「川連法眼館」は、何度も拝見していて、自分の好みではないので、今回は、パスさせて頂きました。