十月大歌舞伎 公演情報 松竹「十月大歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    梅枝の進境著しさに嬉しさ
    ニ度目の新歌舞伎座。

    考えてみたら、その役者さんの見せ場で、その役者さんの屋号の掛け声が掛るという、言わばあたりまえの状況の中での歌舞伎観劇、実に久々でした。

    それだけでも、余念なく、落ち着いた気持ちで、舞台に集中することができ、本当にあたりまえのありがたさを痛感しました。

    仁左衛門さんのいがみの権太観たさに、初日に参りましたが、梅枝さんの小金吾の演技が繊細で美しく、いつの間にこんな楽しみな役者さんに成長されたのかと、胸が熱くなりました。

    仁左衛門さんの権太は数えきれない程拝見していますが、いつも芸が細やかで、何度観ても泣かされます。父と息子の情愛の機微に、昨日観た「そして父になる」と相通じるものを感じました。

    菊五郎さんの「川連法眼館」は、何度も拝見していて、自分の好みではないので、今回は、パスさせて頂きました。

    ネタバレBOX

    「義経千本桜」は、私の記憶が確かなら、つい最近まで、滅多に通し上演はされなかったのではないかと思いますが、やはり、「木の実・小金吾討死」から続けて、「すし屋」を観ると、いがみの権太の悲劇が身に沁みて感じ取れるので、今後も是非こういう上演形態でお願いしたいと強く思いました。

    「木の実」の場面で、権太と妻小せん、幼い息子との仲睦まじさに微笑ましく感じる瞬間があるため、「すし屋」での3人のその後の状況に涙が禁じ得ません。息子から受け取った笛が、最後に、あーいう形での小道具に使われるという絶妙な伏線と、それを丁寧に演じられる仁左衛門さんの芸に、泣かされました。

    権太の父役の歌六さんの秀逸な演技、悲劇の中で、無理のない笑いの場面を見事に演じるお里役の孝太郎さんも、今や、押しも押されもせぬ、女形さんに成長され、楽屋でミニカーで遊んで父上に叱られていた男の子が、こんなに立派な役者さんになられたんだなあと感慨深い思いがしました。

    秀太郎さんの小せんも大好きです。

    これだけ、ベストキャスティングの舞台も、なかなかないなと感じました。

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    2013/10/02 01:16

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