満足度★★★★
最終日観劇
静物画の様な壁面を背にし、1枚の絵画を巡り15年来の男友達で口喧嘩が始まる。次第に本音炸裂する口論は1:1→2:1になったり。
女性作家らしい男性への理想が根底に見られる様な、面映さある後半の会話とさらけ出し具合が面白かったが、いかにも海外ぽい言い回しだな、とも思った。後半の3人の構図は、漫画家のよしながふみの作品ぽかったけど。
原作者のヤスミナ・レサの作品を見るのは、2年前のシスカンパニーの「大人は、かく戦えり」以来だけど、少人数で口論させるのが好きなんだろうか。
でも、あの絵画は前衛過ぎてお金は払えないや(苦笑)
知的な気分になれた約1時間45分。
満足度★★★★
初演の感動には遠く及ばず
ヤスミナ・レザのこの戯曲は、友人関係の真実の姿をあぶり出した、実に秀逸極まりない作品なので、もちろん、一定水準は楽々超える力を持っています。
演技者を目指す、男性俳優さんには、是非テキストにして頂きたい本です。
シチュエーションにばかり拘る、劇作家にもお手本にして頂きたい、戯曲です。
今回の男優3名も、実力のある若手俳優ばかりで、舞台作品として、かなり上出来な作品に仕上がっていたのですが、初演メンバーの舞台に比べると、どうしても、軽い印象を受けました。
他愛ないことから口喧嘩になる友人同士の関係に、他人ごと気取りで笑って観ている内に、自らの深層心理を抉りだされたような衝撃を受けた初演舞台の感動には、残念ながら、遠く及ばなかった気がします。
特に、イワン役の平田満さんの名演は、今でも、目に焼き付いていますので…。