満足度★★★★★
SCOTサマーシーズン2013総括
会場となる富山・利賀芸術公園は、とにかく想像を絶する山の奥の谷間。
コンビニどころか、基幹道に街灯すらない有様。(夜は真暗。車で来た人は夜帰る時にビビる 汗)
他によけいな物がない分、自分の感覚を舞台や周囲の環境に集中できます(特に野外劇場は、劇場の外まで感覚がつながる)。
日常を過ごすのと明らかに違う場所で、高水準の舞台をまとめて観られる体験は、まさに演劇合宿。
特に、出演も演出も外国人のインターナショナルSCOTは、国内にいながら外国へ観劇に行った気分に(笑)
そんな場所で、地元でふだん会う人や、遠くのめったに会わない人と、ばったり出会って語るのもまた、なかなか乙な体験。
この人が来てる!あの人もSCOTに興味あったのか!と、人を見る目も変わるかも。
今回から、観劇料は「ご随意」。
基本無料、いくら出すかは観客の裁量。懐具合によっては出さなくても可。他人事ながら心配…(私は去年と同額出しました)
さすがに交通費は自前だけど、名古屋との直通バス(週末二日間で往復、片道4時間・1000円)もあるので、東京などからも乗り継げば、かなりのコストカット。
ちなみに今年は、利賀夏祭りと合流。土地のそばや鮎も味わいました。
これだけ盛りだくさんの興味深い要素を持って、国際水準ともいえる舞台が観られる利賀・SCOTサマーシーズン、スズキメソッドに興味がなくても、一度は体験する事をぜひオススメします!
満足度★★★★★
SCOT「ディオニソス」観ました
(SCOT「禿の女歌手」から続く)
利賀・SCOTサマーシーズン2013も、いよいよ大詰め。
最終日・最後の演目は、SCOTが世界に誇る名作「ディオニュソス」!
すでに利賀山房で観た事があるけど、今年は新劇場・利賀大山房での上演。一見、体育館にしか見えないw(補助金申請の都合上、改装前と同じ体育館扱いにしているそうです。。)
「神に逆らった人間への罰」という超自然的な素材を元に、人為を超えた悲劇に直面しながらも、耐え抜き生きる人間の姿に焦点(震災も連想した…)。
盲目の神官や幕を引きずる神女らが、日常とは別の法則に乗っ取った身体で舞台上を動く様子は、人ではなく神の気のよう…
空間が大きくなったのが効を奏したスケール感、役者の立ち位置が変わるだけで局面が変わっていくように見える照明、限界に挑む身体、異質な音楽や所作の統合。
全てがまさに、ワールドプレミアム。
大きくなった空間が、確実に世界を広げて見せた。普遍的な出来事に感じられた。
「劇場が変わると芝居が変わって見える」というのを、シンプルな劇場空間同士でこれほど顕著に見せられるとは…
これだけを観に行っても満足できる、凝縮された満足の舞台でした!
後ほど、SCOTサマーシーズン2013全体の感想も、この「ディオニュソス」
欄に書きます。