近づく星の光うるわし 公演情報 近づく星の光うるわし」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
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  • 満足度★★★★

    最終日マチネ観劇
    既に終了した公演ですが、記入したコメントを誤って消去した為、再投稿。
    明治の時代の言動にしては、男女のやり取りが明け透けで、女性が寝間着姿で人前に出るとか、今よりもその時代のお産は命がけだと思うがなんか扱いが軽く見え、矛盾を感じた箇所は幾つかあったけど、噂の一人歩きによる市井の混乱具合、天文学者の学問の倫理観や信念、苦悩や葛藤の部分は大変見所がありました。
    時代は移り変わっても、似たような状況はつい数年前に起こったばかりだし、気分が滅入りそうになったけどラストの描写で救われました。
    作者の村松さんはまだ20代、これからの活躍が楽しみです。

    軽め描写の同性愛、家族、子供、歴史が繋がる等のキーワードは、最近流行なのか、よくある描写という印象がなきにしもあらず。

    ネタバレBOX

    舞台セット内の小道具は他の方も指摘されたように、舞台端には劇団ポスターが貼ってたり、積み上げられた書籍にまんまバーコードが見えたり。小道具だけ見ればそこだけSFの世界だった。
    明治時代末期の出来事の舞台。
    男女別学の時代に、女性の権威はまだあまり認められなかった時代だと思うが幼なじみで許嫁とはいえ、お相手を「君」と呼んだり、目上の男性に接する態度が、年頃の娘にしては恥じらう事も無く、誰にでも馴れ馴れしく見えたり。
    果物を取り扱う商売をしている女性も登場したが、その籠の中身にバナナが入っていて、果樹類ならわかるけどバナナってもうその時代に流通してたのかな?果物自体、容易に庶民に手に入るモノだったんだろうか?女の左利きは矯正されたりしたんではないか?
    コミカル福橋さん、上から下に手を降ろす仕草で拒否してたけど、あれじゃシャッター降ろしてるみたい、暖簾を外すにしてもその仕草は少し違うしな、せめて両手で左右閉める襖とか戸板とかを想像させてほしかった、他、ハイカラな名前つけて時代の先端いってる夫婦等々、重箱の隅を突くわけではなく、単純に?と思ったが、コミカル部分だと思ってあまり深く考えないようにする。

    その当時だったら一世一代の天文ショーにワクワクし過ぎるキチガイ風味の学者さんもいたと思うが、寺田先生は非常に実直で不器用、ぼさぼさ頭でカワイイが、登場した瞬間から存在感あり。栄子さんの発言に誠実な美しさと一途さが垣間見え、先生と栄子さんの過去話をもっと見ていたかった。
    ハレー彗星がぶつかる事を巡り、「ぶつかる」前提で生き残る術を模索するやり取りが長く、そのやりとりがだんだん重いわーと、感じたりもしたけど、現代に移ったラストシーンの描写にどこか救われた気になった。
  • 満足度★★★★★

    1986年
    天文学者のもとにいろんな人がやって来てドタバタする様子を面白おかしく描いていましたが、迷信に惑わされて騒ぐのは今も変わらないという現代文明批判の面もあったと思います。つい最近も、地球がフォトンベルトの中を通過すると…なんて騒いでましたから。

    そういえば、1986年の時は日本からは殆ど見えなかったんだよなあ。見たかったなあ。次の時は多分もうこの世にいない。

    先生の机の上にあった本の中に、かなり目立つように、大きなサルバドール・ダリの画集があったんだけど、何か特別な意味があったのかしら?

  • 満足度★★★★★

    現在についても言えること
    科学者の職業倫理が問われる物語でした。

    ネタバレBOX

    明治43年(1910年)、ハレー彗星の通過に伴う人類滅亡説を巡る悲喜劇。

    フランスの天文学者でありSF作家でもあった人物の文献と小説に尾ひれがついて噂が日本に広まったようです。煽る新聞記者がいて、噂に惑わされる庶民がいました。

    地主から虐げられていた自転車屋がチューブを呼吸用に加工して倍返しした程度の話は笑って済ませますが、ごく身近で自殺者が出るに至っては笑って済ますわけにはいきません。噂の真相を知っていたであろう第一線の天文学者が沈黙していたことによる悲劇でした。学者の倫理を問う物語でもありました。

    分かっている知識で事象を説明し、分かっている範囲の科学を利用する社会は昔も今も同じです。昔のハレー彗星、今の原子力発電、専門の科学者は沈黙しないで発言してほしいものだと思います。

    男娼の話題に拘り過ぎてちょっと引いた面もありましたが、新聞記者が罪滅ぼしと称して孫に託した1986年のハレー彗星観測会のシーンは感動的で清々しい気分になりました。ただし、幽霊による解説は不必要で、先祖との共通点や違いに気付かせるのはそれぞれの子孫の役割で、それに気付いたり命の繋がりに感動したりするのは観客の役割だと思いました。

    果物屋のおばちゃんの分かっていても念の為に何でもするという節操の無さは如何にも庶民という感じで素敵でした。絵の上手な祖母と絵の下手なひょうきんな孫の面白さ、それを演じた作者でもある村松みさきさんの多才さにも感心しました。
  • 満足度★★★★★

    最高!
    いい作品でした。
    見て損はない。

    出演者の劇団ショーマ・南口奈々絵さんが半端なく、いい。
    それだけでも見ごたえ充分。

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