近づく星の光うるわし 公演情報 株式会社Legs&Loins「近づく星の光うるわし」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    現在についても言えること
    科学者の職業倫理が問われる物語でした。

    ネタバレBOX

    明治43年(1910年)、ハレー彗星の通過に伴う人類滅亡説を巡る悲喜劇。

    フランスの天文学者でありSF作家でもあった人物の文献と小説に尾ひれがついて噂が日本に広まったようです。煽る新聞記者がいて、噂に惑わされる庶民がいました。

    地主から虐げられていた自転車屋がチューブを呼吸用に加工して倍返しした程度の話は笑って済ませますが、ごく身近で自殺者が出るに至っては笑って済ますわけにはいきません。噂の真相を知っていたであろう第一線の天文学者が沈黙していたことによる悲劇でした。学者の倫理を問う物語でもありました。

    分かっている知識で事象を説明し、分かっている範囲の科学を利用する社会は昔も今も同じです。昔のハレー彗星、今の原子力発電、専門の科学者は沈黙しないで発言してほしいものだと思います。

    男娼の話題に拘り過ぎてちょっと引いた面もありましたが、新聞記者が罪滅ぼしと称して孫に託した1986年のハレー彗星観測会のシーンは感動的で清々しい気分になりました。ただし、幽霊による解説は不必要で、先祖との共通点や違いに気付かせるのはそれぞれの子孫の役割で、それに気付いたり命の繋がりに感動したりするのは観客の役割だと思いました。

    果物屋のおばちゃんの分かっていても念の為に何でもするという節操の無さは如何にも庶民という感じで素敵でした。絵の上手な祖母と絵の下手なひょうきんな孫の面白さ、それを演じた作者でもある村松みさきさんの多才さにも感心しました。

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    2013/08/30 15:02

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