WATERS 公演情報 WATERS」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    神話ファンタジー。。。
    近代文明の発達によってもたらされた環境汚染(水質汚染)の問題を、”水たちの営み”を通して壮大なスケールで描いた作品。そのテーマ性や神話的世界観はとても良かったと思う。

    ただ作品全体の印象としてはやや”フェミニン”な色合いが強すぎて、個人的にはちょっと好みではなかったかなぁ。

    上演時間:120分。

  • 水を擬人化
    水を擬人化するという発想は面白いが、その発想が活かしきれたかと言えば疑問符がつく。
    水と人間の違い(水は酸素と水素に分解しても再び化合すれば水に戻るが、人間は一度死んだらパーツを寄せ集めてももとの人間には戻らない、など)を活かせればもっと良くなったと思う。
    役者陣では、やはりヘロデ役の串尾君が印象に残る。ペトロ役の岡田さんもスタイルが良いので目を引くのだが、もう少し声量が欲しい。生活用水役の山田君も味があったと思う。

  • 満足度★★★

    未完成の可能性
    学生劇団の評価は難しい。他の小劇場の劇団と同じように評価しようとすると、その中に潜む大きな可能性を切り捨ててしまいかねない。

    今作も、技術力や完成度を問題にしたら、手放しでは評価できないが、未完成の中に潜む大きな可能性を強く感じた。

    ネタバレBOX

    ミドル英二さんも指摘する通り、実験劇場の芝居は「目指している地点がグッと高い」と私も思う。そこがとても魅力的である。
    その「目指している地点」も作・演出家によって様々であり一枚岩ではないという印象がある。
    中でも今作が目指している地点は、商業演劇に行っても通用するような壮大な作品スケール。であると同時に、小劇場でしかなし得ないような特異な演出も試みられている。

    ギリシャ神話を模した神々が登場し、神と地上の民の問題が提起される。地上は水不足であえいでいる。そのために、神が地上に水を産み落とす。その水が主人公の〈オタ〉と〈しずく〉、、、、(←で合っているか不安です。違っていたら指摘してください。)
    その水は、穢れをしらない清き水。その清き水が洪水により濁流にのまれ、〈オタ〉と〈しずく〉は離れ離れになる。〈オタ〉は時間をかけて旅をし、世の中のことを徐々に知っていく。〈しずく〉は、世間の荒波にもまれ、身を売ることでしか生きる術を得られなくなってしまう。そして、心も荒んでいる。その二人が偶然に再会し、約束の地、海を目指す。

    というような話。
    濁流にのまれるということには、3月11日の震災のこと、並びに自然一般の脅威と共に、社会の荒波にもまれるという問題が重ねられている。
    穢れるというようなテーマにも、原発事故によって放射性物質に汚染されることと、社会に出てその純粋さを保つことが可能かというような問題が重ねられている。

    壮大なスケールとそこに込められた問題意識は、かなり高い意識で作品が作られていることを示している。

    ただ、壮大なスケールにしたが故に、学生劇団の弱さも目立ってしまっていたと思う。スケールが大きくなれば、そこに立つ役者の演技力もどうしても問われてしまう。学生劇団にこれを問うのは筋違いかもしれないが、はやりそこに目は行ってしまった。ただし、壮大ではない部分での演出は、むしろ学生でしかできないエネルギーを発散していた。自分たちの若さを体ごとぶつけるようなエロティックな演出は強烈だった。(目のやり場に困った。)

    ただし、この二つ(物語の壮大なスケールと肉体自体を提示すること)が、有機的に混じり合っていなかったように思う。これがうまく混じり合っていれば、演技の弱さなどには目が行かなかったはずだ。
    それでも、ラストシーンでは見事にこの二つの強度が合致していたと思う。ラストは素晴らしかった。

    また、色々盛り込もうとしすぎて、中盤のテンポがゆるくなり、少し長く感じた。
    緩急がつけば、より素晴らしい舞台になったのではないか。


    実験劇場関係の芝居は、『コスモノート』以来、かなりの作品を観ているので、AKBのファンのような感覚と言おうか、以前の芝居でも見たことのある出演者などの成長を応援しながら舞台を見る感覚が湧いてしまった。
    それが良いことなのか、自分ではわからないが、上手くなっている役者さんなどを見ると、妙に嬉しくなった。

    特に、串尾一輝さんはどんどんよくなってきている感じがした。
    また、岡田萌笑子さんも今回も独特な空気感を持っていてよかった。
    山田岳志さんも3枚目の独特のキャラを確立しつつあると感じた。
    舞台美術の朝長愛さんも、芝居を活かす舞台美術でよかった。

    当日パンフもよかった。
    他の皆さまも素晴らしかった。今後の活動にも期待しています。
  • 満足度★★★★

    嫌いな要素いっぱいなんだけど、
    でも、面白かったな。

    開演ぎりぎりに入ったんだけど、舞台上には歩きまわる人々が。
    「まず君たちは歩行の訓練からだな」僕のなかの皮肉屋が言った。
    そして、僕のなかの心配屋がこうも言った。
    「失敗したかな、また眠たいの我慢するのやだなあ」

    でも意外にも(ゴメン)、眠くなることもなく。最後まで興味深く拝見しました。
    物語的には、あんまり理解してないと思うけど。

    音がすごくいい。音楽も良かったし、歌もよかった。
    ミュージカルって面白いと思ったことほとんどないけど、今日のはよかったな。下手に感情的になることもなく、上手く見せようとしている感じでもなく。芝居のなかの歌ってのは、演技と同様パフォーマンスじゃないからね。今日のは、なんか、よかったです。歌の内容はね、歌が終わるのと同時に忘れたけど。歌詞はもうちょっとわかりやすく、かつ印象的にすべきかもね。



    ネタバレBOX

    ファンタジーも実は嫌いでね。

    約束があって、裏切りがあって、そんでもって出会いがあって、仲間が増えて、助けてもらって、それからそれからクライマックスがあって、約束を果たして、最後にめでたしめでたしみたいなさ。

    そんなのどうでもいいよ、みたいに思いながら観てたんだけど、それでも最後まで面白く観られたってことは、そういうファンタジー的要素以外のはみ出す部分が結構たくさんあったっていうことなんだと思うな。

    意外にも(ゴメン)、男性陣の演技が楽しめたような気が。最後の全ケツもね。なんじゃそりゃ~って。
    女性陣は、みなさん、美しすぎてね。

    シロウオ夫婦の往復ビンタとかさ、「おまえら、中途半端じゃねえの」って僕のなかの怖い人が言ってたけど、そういうのも味で、僕自身は楽しめました。

  • 無題841(13-280)
    19:30の回(曇)。会場までの案内メールをいただきました。「急な石階段があります」に従って下りて進んで行き過ぎた...戻ってしばし待つ。19:01受付、開場。驚くほど天井が低い「教室」に入って「此処デ演ルノカ?」と思いましたが、奥に会場がありました。最前列、低めの桟敷、2列目からパイプ椅子、ザブトン。客席間に通路(劇中使用)あり、追加席あり。明治大学は初めて。入ってみると役者ほぼ全員(たぶん)が舞台上でゆっくりと歩いている。奥にやや高めの舞台、左右に階段(左は丸、右は四角の台を重ねている)。床面に勾玉のような図、客席との境にはビニール。仮面をつけ、白い衣装に身を包んだ不思議な人たちの中で、ひとりだけ素顔をさらしている少女(竹垣さん)。19:27前説(120分)、19:32波の音、開演~21:35終演。神と大河を描いた物語、間に短いものの歌。学生さんらしい味わい。前日の案内メール、当日の会場案内も丁寧でいい感じでした。ひとつ注文させていただくならば、トイレの場所について、場内で説明するか、案内図を掲示するかしたほうがいいと思いました(何人か質問していたので)。

    ネタバレBOX

    個人的に感じたことですので、演出の意図とは違うと思います。

    大きな話、独自の世界の場合、背景が掴めないまま終わってしまうことがあります。日本、どこか架空の国、今、昔、登場人物たち。本作も正直よく理解できませんでした。神…古事記の世界みたいなものでしょうか。清い水、汚れた水、河、海、魚。自然の営みを現しているようにみえるけど、誓い合った二人の絆が弱すぎないか…な、カラダを売る必要があったのかな…

    歌のシーンは発声を変えた方がいい。セリフと同じ音量、トーンだと歌う意味がなくなるように感じました。

    2時間は長いです、もっと変化を持たせないとすぐ単調な展開になってしまうように思います。

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