満足度★★★★★
圧倒的な演技力 演出も絶妙 醜さも含めた人間賛歌
演技力に圧倒され続けた。
それは、単にエネルギーが強い演技だったというだけではなく、
また何役もの役を演じ別ける器用さに驚愕したというだけでもなく、
その点も凄いのだが、それ以上に、
人間の持つ一面的ではない複雑な感情を見事に表出していたということによる。
その演技力に加え、光を利用した空間の把握、着替えによる時間経過の演出なども見事。
満足度★★★★★
感動で涙が止まらなかった・・。
色々わけあって、20年越しでついに観劇しました。
本当に出会えて良かった作品です。
まず圧倒されるのは、16才~72才までの女の一生の演じわけの知らぬ間に変化していたかのような滑らかさや、老若男女の登場人物の演じわけのリズミカルでユーモアさえある巧みさ。
特に七色に輝く声の魅力は素晴らしい。
もちろん巧みなだけにとどまらず、溢れる魂が物語りの進行にあわせて少しづつ舞台のすみずみに広がってゆきます。
どんなに鮮やかに変化しても、けして過剰なものがあるわけではなく、戯曲の言葉の魅力をまっすぐとどけてくれて、胸に突き刺さった台詞がいくつもあります。
なにしろそこかしこに燃える命を感じる舞台。
女優ってなんて凄いんだろうって、震えました。
そして気がつけば弥々が大好きになっていました。
また、弥々に会いに行きたいです。
満足度★★★★
ようやく初見。
毬谷友子さんが江戸末期を生きた女性の10~70代を演じる一人芝居「弥々」。女郎の話だがありきたりな悲壮感を漂わせない。明るく前向きで“度胸”のある不器用な女性を、きばり過ぎず、プレーンと言っていいほどサラリと演じる。演じ分けがこれ見よがしでないのも素晴らしい。毬谷さんのお父様が毬谷さんのために書かれた戯曲は、上演を重ね、毬谷さんの心身と不可分の完成した芸になったんだと思う。