満足度★★★★★
見終わった後の虚脱感
赤鬼という本をやる上で一番大変で、一番地力が必要な方法を取ったのではないかと思います。
にも関わらず、しっかり見応えのあるものになっていたことに驚き、見終わった後にずっしり心にくるものがありました。
満足度★★★
単純明快に過ぎて陳腐
テーマはハッキリしている。而も狙いも明らかだ。寧ろ明らか過ぎて凡庸の域に達し(・・)ているのである。謎が無い。唯一の謎というべきものがあるとすれば、最初、フランス語で話していたのになぜ英語になるのか、ということである。たかだかドーバー海峡を超えた程度の話なのだとしたら、余りに陳腐である。夢のように遠い故郷、一種のネバーランドが近過ぎるからである。そうではなくて、近くても涯もなく遠いように思われるのであるとしたら、それを強調したかったならば、演出は、もっと実存の虚無や夜寄る辺無さを表現していなければならない。距離は、物理的には空間的・時間的なものだが、メンタルにとっては、心象距離の問題だからだ。
また、ここではカニバリズムの倫理的問題が他所者に転化される差別が問われているが、それが、あくまで知的レベルを抜け出ていないことが問題である。妹はそれ故に自殺するのであるが。問題はそれほど抽象的でもなければ象徴的でもなく、知的処理で片付く問題でもない。この点こそ演出の力の見せ場だったのに、そのチャンスが活かされていない。
満足度★★★★★
見事
「マクガフィンズらしさ」というものがもしあるのなら、見事に表現されていたと思います。
大胆で骨太な演出と、それを体現するキャスト、スタッフ、すべてが融合しているように感じました。
満足度★★★★★
横田さんのではない脚本
野田秀樹さんの脚本だったからなのか、いつもと違う景色が見えたような気がしました。でも、MacGuffinsはMacGuffins。変わらないどころかいつも以上のパワーと緩急で、あっという間の90分でした。
満足度★★★★★
MacGuffinsという劇団は昇っていくのですね
いつも横田氏が脚本を書いていたMacGffinsが野田秀樹の「赤鬼」を上演。「MacGuffinsはコントをつくっている」という説もあるようですが、これを見れば彼らが劇団以外の何物でもないことがよく分かります。感動は涙が出ることに限らず、打ち震えること。しかと打ち震えた公演でした。予定が合えば絶対リピーターになった。