満足度★★★
難しい作品かも…
これは日本で上演するのが最も難しい部類の作品かもしれない。米国のウィットやユーモア(この作品はユダヤ的思考が色濃いらしいが)に我々はいまだ慣れていない。特にこの作品は時代も少し遡るので、その点でもますますピンとこない。
「ニューヨークの客」はその最たるものだった。また、英語ではテンポよくリズムのある会話になるのだろうが、形容詞の多いこの会話劇は日本語にすると間延びしてテンポが落ちてしまう。会話が単調な分、もう少し感情の起伏があってもよかったと思う。
「フィラデルフィアの客」は素直にドタバタ感を楽しめた。町慎治演じたマービンぐらい、セリフにしろアクションにしろオーバーとも思える位がちょうどいい。
「ロンドンの客」はいかにもありそうな女優の舞台裏を描いた作品で「さもありなん」。
「シカゴの客」はドタバタでグダグダというのが素直な印象。ぶつかって怪我をするのがちょっとわざとらしく見えてしまった。
どなたかが書いておられたと思うが、ルームメイクのスタッフの女性の心温まるエピソードを最後に持ってくるなら彼女自身のストーリーも付け加えてもらえると有難かった。(でも原作がそうそうなってるんだろうね、きっと。)
満足度★★★
楽しんできました。
観終わった感想として、一言、面白かったです。
少なくとも、払ったチケット代以上は楽しませていただきました。
最近の舞台は歌やダンス、早い展開でテンポよく見せかけ、ギャグを入れ込んで笑いを取り、客に媚びる物が多い中で役者の演技や演出で勝負しているお芝居だと感じました。
後、舞台とは関係ありませんが、入場時に前に並んでいた、おばちゃん?おばあちゃん?の集団が「ペア券?の一人は昨日に入場し、私は昨日来れなかったから、今日来た。入れるんでしょ?」と受付さんに詰め寄っていました。
演劇が一般に浸透して、幅広い層で受け入れられてるんだなと思う一方で、モラルの低さに驚きました。
萬劇場ですが、階段が長く、トイレが同じ階になく不便です。
また掃除も行き届いておらず、至る所にほこりのかたまりがあり不快でした。
会話劇とドタバタ劇の“サンドウィッチ”
米•作家ニール•サイモンの短編集を、コメディ要素は抑えつつ、「言葉のウィット」を満喫するため削ぎ落とした舞台だった。
カリフォルニア高級ホテルのスウィート•ルームへ、ニューヨークやロンドンの客人が やってくる。
4本の短編集はホテルを予約した男女4組の関係を軸としており、それぞれ巧妙な会話劇だった。
途中10分間の休憩は あったものの、作品自体は「3時間」を超える大河ドラマである。
一つ、述べておきたい。
ストーリーテラーの役にあたる従業員は、舞台そのものを 、スウィートルームのベッドシーツを整頓するように「仕分け」したのではないだろうか。
彼女らは一話目の終わり、「女にとって、仕事を選ぶのか。子供を選ぶのか」、それが宿泊した夫婦のテーマだと語り合った。
「彼女、共和党からアメリカ州知事選挙に立候補するかもしれないそうよ」なる噂は、観客にとっても初耳である。
私は、「ずっと覗き見 していた」従業員に 室内を整理する時間を与えるのではなく、もっと語らせるべきだっと思う。
ラスト映し出された、従業員を巡る温かな「シチュエーション」を強調したいのであれば、従業員の静かな演説は必要だった。
厚いビーフジャーキーを噛むには、電話の向こうの交換手の人柄を ある程度 知ることと同じくらい時間が掛かる。
セットのソファを直すのは暗転という名のサービス•マンに任せればよい。
彼女達の手は、隣の宿泊客か、フロントに立つ受付係へ声が届かぬよう、自身のマイクのボリュームを調整するためだけにある。
ニール•サイモンを鑑賞。
フロリダの海で泳ぎたいのではない。
アラスカの凍土を触りたいのではない。
観客は、まるで魚屋の青年が八百屋のオジさんを見つめる その眼差しで、憂愁の米作家を 鑑賞したいに決まっている。
一話目、三話目の来客は、背中で語る舞台を志向する ものだった。
ウェットの引き立つ その会話劇は、耳で聴くべき内容である。
では、カルフォルニアの身体が その憂愁についていったかといえば、そうでもない。
米国人の会話、英国人の 会話に苦戦したのだ。
立ち振舞いを迷ったのだ。
一方、2話目、4話目の来客は、腹で語る舞台を志向するものだった。
いつのまにか、女とホテルのベッドで一緒だった既婚者の男性。
この場所で合流するはずだったワイフが 部屋のドアを開けた際、彼は混乱していた。
その直前、汗をかきながらジーンズを履く姿は 笑える光景である。
ワイフをベッド•ルームへ近付かせようとしない、非暴力的な 試み も同様だろう。
このコメディに、ニール•サイモンの憂愁を漂わせる目的を感じられようか。
「役者を 当て書きした」のではないかとさえ疑った。
もちろん、全体を見渡して、巧みな、コーヒー3杯分の深みを味わえる会話劇だ。
気になるのは、萬劇場が広く感じた点にある。
「香り」は、拡がりを持たなかったということだろう。
満足度★★★
金持ちへの皮肉
翻訳劇のコメディは何かを表現する時に固有名詞を使って比喩するので、その背景を知らないと面白さが伝わりません。パンフレットに注意書きがあると解り易いのではないでしょうか。リチャード3世、ヒンデンブルク、5時30分が似合うテイタム・オニール(時間間違ってたら御免なさい)etc.
この芝居はコメディといってもどちらかいうと金持ちへの皮肉。幕間のメイドの発言が作者の代弁ですね。
無題797(13-226)
19:00の回(曇)。18:35会場着、受付(一部、指定席)。前2列が椅子席(平地)、3列目から劇場の椅子(ひな壇)。舞台向かって左のブロックに座りましたが、上演中、かなり寒い。ニール・サイモンの作品は初めて。娘が「おかしな二人(但し、宝塚版…)」をみに行っていたので、どんなものかと。海外の作品、となると当然名前も、しかし見える姿は和風、ここが難所で、今夜もここを越えることはできませんでした。下手:入口、リビング、テーブルと椅子、金色の装飾…電話。上手:ベッドルーム、トイレ、ベッド横に小さなテーブル、赤い電話。舞台奥のドアから行き来。中央に家具を配置。両室とも奥の壁に絵(黄色い額縁、青い…何かが描かれて)がかけてあると思ったら、窓でした。みていて翻訳ものらしさが出ている感じがするのに、やはり、違和感が残ってしまったのでした(翻案して旅館だったら…)。
毎話、テーブルクロスが替わりました(青→緑→赤→黄)
下手のテーブル上に色鮮やかな花があるのですが、役者さんが椅子に座るとまるっきり被ってしまうのと、その後方のソファーにもう一人が座るとダブルで見えませんでした。
18:58前説(団体さんが遅れているので5分押し)。19:05開演〜21:44終演。
満足度★★★
部屋の中には・・
色々な人間関係や人生模様があるだなぁと思いました。4つのオムニバスでした。1つ目は少し退屈感を覚えたので、あと3つはどうなんだろう?と不安に思いましたが、どんどん面白くなりました。特に2つ目と4つ目は、男性の役者さん達の演技がコミカルで、面白かったです。そして、ルーム・メイキングの女性2人の登場が良い役割をしていたと思いました。
満足度★★★
シナリオの冴え
ニール・サイモンの1976年作品。2幕5場のオムニバス作品だ。場面は、ハリウッドの豪華ホテル、スイートルーム203.この部屋の宿泊客の演じる寸劇とルームメイクをするメイド達の雑談とから成る。