断色~danjiki~ 公演情報 断色~danjiki~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    灰色な母と子
    面白い。DVD出たら買いたい。

    ネタバレBOX

    北(ジジババばかりで子の生まれない荒れた地域で保や刈谷の生まれたとこ)・中央(栄えてる)・南(保の菜園がある)という呼ばれる地区割りのできた近未来設定。クローン技術も確立されてる。
    保(堤真一)の母・朝子(麻生久美子)が死に、(移植のために作られた?)そのクローン・夕子(麻生)を「解放」することにした保。借金チャラのため、借金取りと寝ては淋病伝染される夕子に戸惑いながらも、クローン会社の刈谷(田中哲司)とともに、父や朝子と暮らした実家へ移る保だったが…。

    保…色盲。実はクローンであるが、夕子が死んで思い出した。酒飲みの父から「クローン」と蔑まれ殺されかけたところを朝子に助けられる。父の記憶や朝子の記憶が定まっていなかった。実際の保は、朝子の絵を描いた健常者。
    朝子…保の母。乳がんを患い、夕子から移植を受けた。保(クローン)を守るため父を殺した。産業医とデキていた。母であり女であった。
    夕子…朝子のクローン。殺されるために生きてきたが、「解放」されたことにより「生(性)」に目覚める。下ネタが豊富。保の母にはなれないと知りつつ、借金取りと寝たり刈谷と寝たりし、保との生活を守ろうとする。保をオカズにシテいる。女であり母であった。
    刈谷…クローン会社勤務。北出身のラストチルドレン。貧しい地域で生まれ、親からの愛情も乏しかったのか歪んでいる。

    クローンである保の記憶障害の効果もあってか、朝子夕子の切り替えが絶妙。子を守る母と、母との思い出にすがる子の描き方が秀逸。クローンって設定とか、舞台には現れぬ父の存在とか、研ぎ澄まされた効果がビシビシ響いてくる。

    舞台設定で名言されていないけど、転換時の黒子の衣装が放射能防護服でもあり、放射能事故での社会の崩壊が示唆され、そこから派生した貧困による家庭の崩壊と人間が生まれ持ったサガのドロッとした感触が伝わってくる作品だった。

    3人ともいい演技だった。麻生の美人さがハンパでなく、女性性と母性が溢れるような演技が冴えてた。田中のマッドな演技もいい。
    チラシイラストのように気味悪い話でもあるが、クローンという非人間を配置し、ナマの人間を浮かび上がらせ、そこに光を当てるような(そう希望を持ちたくなるような)舞台だった。
  • 満足度★★★★

    予想外の感触の作品
    青木豪の脚本をいのうえひでのりが演出する3人芝居。元々はユニット「おにぎり」に書き下ろしたものを改訂したのだそうだが、役者の雰囲気が全く違っているので、オリジナルが想像できない。死んだ母が残したクローンと住むことになった男を堤真一、母の若い頃にそっくりのクローンを麻生久美子、クローンを造り管理する会社の田中哲司という配役が絶妙である。ちょっとダメな感じの堤と、感情があるんだかないんだかの麻生、仕事熱心なようでいて裏に何かありそうな田中が作り上げる物語は、近未来の日本の有り様を提示しているようにも見えて、円形の独特の舞台感とも合わせて、不思議な感触の作品になっていた。舞台経験が少ないはずの麻生は、初舞台でもそうだったが、そうとは思わせない実に見事な存在感である。

  • 満足度★★★

    分からない方が幸せな事もある?
    円形劇場での作品なので独特な雰囲気ですね。母と子を題材にした内容だが、クローンになってからの人格が別になるところがエグイ感じがします。生きていて楽しい幸せとは何かと思ってしまった。

  • 満足度★★★

    見ました
    震災2ヶ月前に上演された、おにぎり(村木仁、池谷のぶえ、市川しんペーの各氏)の前作『断食』と多少リンクしている部分はあるが「色」と、生と死と性、環境と記憶の人間模様が見られた近未来話。
    作家青木さんと演出のいのうえさんは前作と同じだが、役者の変わった今回は変態成分多め、その下ネタの多さに閉口もあったが、壮絶さはこちらの方が大きいと思った。
    新感線初期の、いのうえさんがつかさんの舞台をやっていた時ってこんな感じの舞台だったのかも。
    上演直前にある曲がほぼ一曲流れる、観劇後で思ったが、舞台の内容にイメージした選曲だった。
    堤さんの発汗量の多さに驚く、最前列は汗被り席状態。ただ、最後の場面は一部の座席からは死角になるので残念な思いを味わう堤さんファンもいるかも。つい先日ご結婚されたが、まだ独身のままだったらちょっとシャレにならない(笑えるけど)劇中の台詞も聞かれたりする。
    約110分。

    随所に見応えもあったし深く考える部分は同じで面白かったし、役者も異なる作品内容で比べても仕方ないが、個人的にはおにぎり版の「断食」の内容の方が好きだ。

    ネタバレBOX

    配役(おにぎり版の役名/ヴィレッジ版の役名)
    杉浦哲(村木)/小林保(堤)
    杉浦朝子・哲の母(池谷)/小林朝子・夕子(麻生)
    矢作(市川)/刈谷(田中)

    嫁に逃げられ、田舎で苺の有機栽培農業を行っている借金だらけの色盲の保、
    保の母の残したクローン保険で生産された容姿が保の母そっくりの夕子、
    それを取り扱う保険会社外交員の刈谷

    冒頭から防護服をイメージしそうな作業着姿の数人が舞台セットを作る。無農薬畑で苺を作っている保だがなかなか農作物は育たない、そこへやってきた保険会社の刈谷、いきなり「母親は生前自分のクローンを作った。乳ガンに罹患し、クローン乳房の移植手術は行ったが腎臓ガンの合併症により移植の甲斐もなく亡くなった」と宣告する。で、保険で作られたクローンは保険会社が処分するか解放するか、ざっくり言うと殺傷処分か生かして社会生活を送らせるか二者択一のみ。さあ、どちらを選択するのか悩む保。
    前半はコミカル+下ネタ要素多めだが、三人の本音が判り始めた中盤部分から次第にエグさと壮絶さが絡まり緊迫した場面が続く。

    クローンとして生まれてきた夕子が発する猥雑な台詞や行動の時の無表情から、母親の表情から自我が目覚めた行動の表情、切り替えは素晴らしかった。生身の母親だけどシワがないのはご愛嬌だ。
    刈谷の本性の嫌みさがまた憎々しい。
    実直さとちょっと抜けてる保もいい人。朝子と並んだ姿は大袈裟でなく、ちゃんと母と子に見えた。
    今作に限らず、今回も密閉された円形劇場の壁を使った映像処理、円形劇場ならではの見せ方がまた効果的。
    朝子の保の思う気持ちが随所に表れ、たまに挿入された暗転が母親の胎内のような錯覚を覚える。保にしてみれば暗くて切ない記憶を呼び起こされた末の行為に少し考えさせられた。
    北と南に隔離分断され汚染された風土に人工物だらけ。近未来の日本の設定だけど、どこか現代の風景にも似ている。
    生活が困窮している割にクローン保険代は母親の前払いだったんだろうか。
    もう一回見たいけど、もうチケットは取れそうにない。無念。
    独特な畏怖SF作品を見たような感じだが魅力的な舞台だった。

    おにぎり版では、のぶえさんのクローン登場時の可愛さと生身の母の恰幅の良さの対比、金目鯛の煮付け(人工物)、断食道場で減量、夕子と矢作の男女関係、哲の精神がクローン化、男女関係の末のクローン処分の仕方、哲はナイフで殺される。等を覚えている。
    観劇日のアフタートークでゲストが青木さんといのうえさんと橋本じゅんさんだった。じゅんさんは入院生活から復帰した直後だったので元気な姿を見られてホッとし、またお話の内容から自分も活力を戴いたような覚えがある。
  • 満足度★★★★★

    大満足、充実の1時間50分!麻生サン面白い!
    出演がこの3人(特に麻生久美子サン好きです)で、脚本いのうえさん、演出青木さんという顔合わせで、
    しかも私の大好きな「囲み円形舞台」の青山円形劇場!!(廃館反対!!)
    間近で3人の演技が観れる!というだけでもたまらない!
    話はSFありファンタジーあり親子愛、ミステリーあり、コメディあり、エロ?あり、
    劇場内壁円周スクリーン映像まで投入、
    大満足、充実の舞台1時間50分!
    特に麻生さんのコメディエンヌぶりは大好き(「時効警察」とか)ですので、舞台で観れて良かった!
    しかもエロい(失礼)けど、あっけらかんともしていて。
    もう何回も観たかったんですが、結構長い間やってますけど、複数申し込んでも1回分しかチケットが取れなかったので、人気があるのでしょうね。

  • 満足度★★★★

    うどんこ病
    いやはやなんともおそろしい。現実と夢と人間とクローンと母と女と…わけわからなくなってくる。でもつたわってきた。面白かった!!演出も円形劇場ならではなものが多くとても楽しめました。

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