満足度★★★
ちぐはぐ?
満席とのことで余裕を見て来場。既にかなりの人が来ていたのですが、受付がスムーズで丁寧で好印象。案内も手厚く、終演後には役者以外のスタッフさんからも丁寧に挨拶をいただいた。また役者に良かった人が何人かいたので☆3つ。だけど脚本は平坦で駄作の類、演出も全然人物を立体的に描けてない。
はっきり言って全く主人公の感情の流れに共感できない。暗転が多く集中力が切れるせいなのか、物語にも没頭できなかった。役者の年齢層も高くベテランっぽいんだけど・・イマイチ華が。ベートーベンの人間らしさは良かった。子供っぽくて意地っ張りでワガママで、でも憎めない人間性を良く表現してると思いました。クライマックスで出てくる声楽は上手いけど、お芝居から浮いてる。
ここ最近観た芝居での折り込みで気になってた団体だったのですが、なんかイメージと違いました。呼んでくれた方には申し訳ないのですが、、、
“少女”が抱いた「温もり」への序章
旋律さえ走る「崩壊」の後に、「温もり」を感じた。
それは雪の積もる野原を照らす、提灯の「温もり」である。
今作は、世界史に残る楽聖•ベートーヴェンと、その影を通して、「愛の形」を静かに語った作品だ。
2013年の父ー娘、1800年代のベートーヴェンー不滅の恋人の関係性がクロスし、思いもよらない「感動」が待っていた。
佐々木美奈の演じる籠島みちる…。
私は、みちるの内に秘められた繊細な「少女」の様子を称賛しなければならない。
生き別れたベートーヴェン研究家の父親(籠島丈一郎)を愛する気持ちと、その人を軽蔑する家族…。
20歳を越えたはずの「少女」は傷ついていた。そして、肩を抜いたまま決して威張ろうとしない身体性が「健気」を現す。
身体性で、これほど心 打たれた演劇も少ない。
『観たい!』の「70%の具現化」は、つまり そういうことだったのだ…。
「愛の形」を形作る、狂い だとか、弱さを、その身体性で 目に見える形にしてくれる。
2013年と1800年代のシーンの境目は、絶妙の一言だった。
おそらく、短過ぎても、長過ぎても観客の心を離しただろう。
また、前者の ともすると暗いエピソードを経た後、強烈な「ベートーヴェン」の登場する後者のバランスが極めてよろしい。
古賀司照の 鋭い視線をみれば、誰しも「額縁の肖像画」を思い出す。
これも重ねて「身体性」の話になってしまうが、指摘する必要がある。
満足度★★★★
感動は一度がいい。
現代とベートーベンの生きた時代を並行させながら、ベートーベンの様々な楽曲をライブと音源で十分に楽しませてくれました。照明がよく、特に下からの照明が雰囲気を盛り上げている。衣装の色彩にも細かく注意が払われ、父と娘のシーンでは赤と緑を基調とし、不安定で愛憎半ばする関係をよく示唆しており、ベートーベンの時代は白が基本でクラシックな感じをよく表わしている。解り易い演出があちこちに見られ、現代とベートーベンの時代の社会の問題点なども浮彫りになっており、とても見応えがありました。ただ、楽曲とお芝居のコラボなら、クライマックスは一度で良かったと思います。