うかうか三十、ちょろちょろ四十 公演情報 うかうか三十、ちょろちょろ四十」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    負けない戦い方
     凄く切なくて、
     考えさせられる・・・、
     でも、笑いも沢山あって、
     楽しい舞台だった☆

     アフタートークもあって、
     聞いて来たのだけれど、
     東北を研究している博士?
     ・・・という方で、
     東北について話されていて、
     勝つことは出来なくても、
     負けない戦い方を知っている、
     ・・・というお話が印象的だった。

     http://ameblo.jp/tc-tama/entry-11541504372.html (その日の Ameba日記)

  • 満足度★★★

    商業興行作品としては??
    端的で、要領を得た芝居は、視覚的にも面白く、飽きずに観るのに、ちょうど良い作品でした。

    まるで、「日本昔話」の舞台版のような趣。

    鵜山さんの手に掛ると、とにかく、舞台作品としての、一定の体栽が整うことには、いつも感心するばかりです。

    でも、観終わった後にすぐ頭を過った想いは、「これ、井上さんは、こういう形で上演されることを良しとされたのだろうか?という疑問でした。

    たとえば、小学校の5,6年生対象の観劇会とかで、上演するような形なら納得できるのですが、商業的な興行としては、内容も、上演時間の短さも、あまり適切な作品とは感じられない気がしてしまいました。

    ネタバレBOX

    まるで、立体絵本の趣の舞台セットに、すぐに心が惹きつけられました。

    昔話のような体裁の話でありながら、人間の自分本位の悪意なき罪を静かに訴えるような内容の物語で、「イソップ物語」のような示唆に富むストーリーでした。

    キャストは、皆さん、適役で、特に、小林さんの演技は、この舞台には、ドンピシャだったと思いました。

    福田さんも、「フラガール」の頃より、ずいぶん、舞台向きの女優さんに成長されたなあと感慨深い思いがありました。

    ちかも、家族は誰もいない少女時代で、娘のれい同様、先代のお殿様に同じ運命を担わされたのかもしれないと思ったりしましたが、真相は如何に?

    いずれにしろ、いろいろ深読みしたくなる舞台ではありました。
  • 満足度★★★

    少々毒のある昔話
    昔話風なほのぼのとした雰囲気の物語の中に皮肉的な視線が感じられる作品で、井上ひさしのデビュー作でありながら、その後の作品で見られる要素が所々に垣間見られました。

    東北地方のある村の殿様が百姓の娘のことを好きになるものの許嫁がいて結ばれず、気が触れて自分を医者だと思い込んでいる殿様と侍医が9年後にまた訪れると旦那が病気で寝込んでいて、インチキな診断をして去り、さらに9年後に正気に戻った殿様がまた訪れると、両親とも既に死んでいて残された娘が一人で暮らしていて、最後に更に9年後(?)の誰もいない廃墟となった風景が描かれる物語で、悪意はないのに、思いのすれ違いから物事が悪い方向へ進んでしまう様子が寓話的に描かれていました。

    侍医を演じた小林勝也さんの台詞回しや間の取り方が絶妙で、藤井隆さんが演じる殿様とのユーモラスな掛け合いが魅力的でした。

    絵本をそのまま立体化したかのような書き割り的表現のセットが可愛らしかったです。中央の家が回り舞台になっていたのはあまり効果を感じられず、また演技スペースの奥行きがなくて平板な空間になっていて残念でした(絵本風に見せる意図があったのかもしれませんが)。
    わらべ歌風の音楽も作品に合っていて印象的でしたが、電子楽器を用いたアレンジには違和感を覚えました。

  • 満足度★★★★

    流石巨匠の処女作
    ほのぼのとした雰囲気なのだけど、シリアスな展開になって、大いに考えさせられてしまいます。流石です。

  • 満足度★★★★

    ちょっとォー!
    どう考えましょう。

    ネタバレBOX

    九年蝉が九年毎に大発生するような、村の一軒家に九年毎に訪れ騒動を引き起こすお殿様とその家の娘との寓話のようなお話。因みに、生き残り戦略としてセミの周期は素数のようなので九年周期は無いと思います。

    脳天気で惚れっぽくて足の悪い「とのさま」という印象を植え付けられました。そのため、30代で二度目に訪れたときに、寝込んでいる「ちか」の夫「権ず」に健康だと診立てたことを後で「ご家来」によって否定されても、まだとのさまの診立ての方が正しいのではないかと思ったりしていました。

    しかし、40代で訪れたときに、ちかの娘「れい」から権ずが急に過激に働き出して血を吐いて死に、ちかも後を追うように死んだと聞かされると、脳天気による善意の行為だったとしても人を精神的に弄び、残酷な結果を引き起こした事の重大性を知りました。

    ところで、とのさまはこの日の朝、スッキリと目覚め正気に戻ったとのことでした。実は20代で訪れた日の雷雨の影響か、あるいはそれ以前からなのか、とのさまは発狂していたのでした。それを考えると、医者でありながらとのさまの狂った上でのイタズラに乗っかっていたお世話係の「お侍医」の責任も重大です。

    お侍医はもうよぼよぼのおじいさん、とのさまも40代、平均寿命を仮に50年として、二人は罪の重さを背負ったまま余生を生きようとしますが、そこでまた雷雨。

    暗転後、家は倒壊していました。

    直前の40代で訪れたときにも既に家の横壁は半分崩れていました。責任を感じたとのさまがれいを引き取って、家は時の経過とともに自然に崩れたと思いたいところですが、れいは村で生きることを考えていましたし、責任の重圧と雷雨です。再び発狂してその場の人を切り捨てでもしたのでしょうか。

    若かった井上ひさしさんが賞を獲りにいったであろうことなども含めて冷静に考えるとやはりハッピーエンドではないのでしょうね。それでも、娘の健気さや可愛らしさ、とのさまの悪気の無さを考えると、ハッピーエンドで終わったと思いたい揺れる想いがあります。
  • 満足度★★★

    こまつ座公演としては淡白だが…
    井上さんが藤井クンと沙紀ちゃんにアテ書きしたと思えるくらい、ピッタリのキャスティングだった。何回も繰り返し使われる音楽が、不思議に耳に残る。

このページのQRコードです。

拡大