楽園にピス 公演情報 楽園にピス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     面白い、お勧め。

    ネタバレBOX

     舞台美術が極めてユニークだ。この小屋の太い柱は観劇の際かなり目障りになるのだがその難点をも上手く利用して脇にスロープを作って車椅子が楽に行き来できるようにしてある他、鏡を取り付けて必要なシーンで通常の用い方をするのみならず、対面での動きが反映することも巧みに利用できることを利用するので描かれている世界のどことなく不安定な感じもそれとなく映り込んで面白い。柱の足元からスペース中央方向にはベッドが置かれている。この部屋は渋谷道玄坂から百軒だな方向に入ったラブホ・マグリットの一室という設定で出捌け側壁の中ほどにある上半分にカーテンの掛かった扉の奥は隣室にもなれば、地域ラジオ放送のスタジオにも、或いはホテル外壁の外にもなる。太い柱の対角線上のコーナーに始点から延びたタクシーのハンドル(着脱可)があり座席用の椅子が適宜用意される。また先に述べておいたドアの観客席側には劇作家が仕事で用いる机と椅子、資料の入った箱も見える。
     物語は集団の中に必ず存在する異質な存在達が紡ぎ出すアートという名の表現が出来する諸条件とその生き方を生成して来た個人史が齎した各々の個人史とその類似性及び差異、そのような個人史が紡ぎ出す作品の独自性と類似性、近縁性とこのような表現者を駒として用いることに因って利潤を追求する企業と経済性の論理がぶつかり合いヒートアップする様を描く。表現する者達が独自に抱える魂の闇と生い立ちの中で負わされた深い魂の傷。トラウマから生ずる作品こそ、表現そのものの源泉であるという事実。従って才能ある者とは、トラウマと闘っている人間であるという事実が、表現者を表現者たらしめるし、そのことだけが彼ら・彼女らに作者という地位を与えるのだから、表現する者達は、其処から逸脱することを精神的自殺と考える。然し、そのような人々を商品を生み出す手段としか捉えない資本家と企業は、飽くまで儲けだ。この相反する利害に係わる者達の凌ぎを削る争闘の模様を描く。

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