象 公演情報 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    大杉漣さんの演技を堪能。舞台上を埋め尽くす古着も壮観。
    東京千秋楽です。
    別役実と聞いただけで「難解」と覚悟の上での観劇と、
    最近は、難解でわからなくなっても、気にせずに
    そのまま流されるように受け止めて観てます。
    案の定、よくわかりませんでしたが、
    受け止められるところを受け止めればいい、
    それでもいいのでは、と。

    その中で何といっても大杉漣さんの演技!
    テレビドラマで観れない、味わい深い部分を堪能。
    それと、神野三鈴さんの包容力、奥菜恵さんの繊細さ
    が良かったです。

  • 満足度★★★★

    ちと長い
    上演時間2時間10分。大地のない世界。この時間でこの内容だと、不条理好きでない人にはかなり長く感じるとおもう。笑いとの背中合わせがところどころみられる。

  • 満足度★★★★★

    木村さんの台詞を届ける力に驚嘆する
    木村了さんは、ドラマで凄い役者さんが出てきたと注目してから、何度か舞台も拝見しましたが、今日ほど、彼が役者として、存在してくれていることの喜びを噛み締めた日はありません。

    これだけ、難解な不条理劇の台詞が、客席で、耳に頭に自然に浸透する体験は、今まで一度もありませんでした。

    もう55年以上、ありとあらゆる芝居を観て来ましたが、彼ほど、全てを兼ね備えた役者さんを観るのは、初めてかもしれません。木村さんの演じる、ドリアン・グレイとかいつか観てみたいなあ!

    不条理劇にはそぐわない観客が多数いたせいで、舞台の世界観を邪魔されずに味わうのが難儀でしたが、木村さんや神野さん、奥菜さんなどの役者陣の力量に助けられ、出色の不条理劇が完成したと思いました。

    ネタバレBOX

    舞台装置がとても秀逸。開幕前は違和感を感じた、何百枚はあろうかという衣服の山が、舞台の内容に実にピッタリで、大変衝撃的でした。

    人物の出はけを、床の衣服に溶け込ませることで、様々な意味合いを表出し、たとえば、人物が床に倒れこむと、服と同化して、存在が見えなくなり、まるで、舞台上にいないかのように見せる手腕も見事でした。

    別役作品の必須アイテムの一つの電柱に替り、今回登場するのは、点滴スタンド。これが光を受けると、十字架のようにも見えたりします。奥菜さんの看護婦が赤い帽子をこのスタンドに掛けるのは、キリストの受難を表現しているのでしょうか?

    震災の後で、この舞台を観ると、あの服の山は、瓦礫のようにも見えました。

    残念なのは、他の役者さんの台詞がいつも明瞭に聞き取れる中で、大杉さんの台詞だけが、何度も聞き取れない点が多々あったことでした。
  • 満足度★★★

    難解でした。
    先月同劇場で観た「つく、きえる」の方がまだちょっと受け止められたかな…という感じです。テーマも暗くて重いし、難しい台詞も多くて。大杉さんの熱演は、素晴らしかったです。神野さんの話し方と声は、鈴の音が鳴り響くようですごく心地よかった。看護師役は奥菜さんじゃなくても成り立つ舞台かなと思いますが、神野さんと同事務所だからキャスティングされてるのかな??「若葉のころ」好きだったなあ。二人も出産されたのに、ずいぶん痩せちゃいましたね。役作りでしょうか。木村了君は「ムーンライト・ジェリーフィッシュ」の色素感皮症のミチオ君がとても素晴らしくて演技力を評価しているのですが、この役には彼は健康的過ぎると思います。まあ色は白いけども…長台詞をたくさん喋って頑張っていたし…。良い意味での独特の陰気さや暗さがある稲垣さんは適役だったんでしょうね。観てみたかったです。

  • 満足度★★★

    重かった
    台詞以外は無音が覆う舞台に反発するかのような色とりどりの大人や子供の衣服が山の様に散在した床。
    2人の被爆者の行く末に前回より悲劇さよりも現実感に苛まれる。
    死を待つのではなく本当の姿で生きるという事。
    破壊から得た男の想像、自由と権力、リヤカーで去っていく男の姿は現代の青い廃棄物みたいで気が重くなる。
    シビアに見るより、感じる何かがある舞台でした。

    ネタバレBOX

    今回もおにぎりシーンでホッとさせられました。良い息抜きシーン。
    上演の時代により、思い描く対象が原爆、原水爆、環境汚染、放射能等々と変化していくのは皮肉にも思える。
    前回も思ったが、甥役の彼らは昭和の顔というより平成の顔質なので、余計に現代の環境が透けて見えるみたいだった。
  • 満足度★★★

    全く古びない不条理演劇の代表作
    日本の「不条理演劇」の大家であり、今も最前線で活動を
    続けている別役実氏の代表作を、「桃園会」の深津篤史氏が
    演出した作品。言葉が面白く、たどればたどるほど、迷路に
    入っていくような感覚に襲われました。

    ネタバレBOX

    この作品『象』は、原爆によって背中に出来たケロイドを
    人々に向けて見世物にすることで喜びを得ている男と、
    その行為を止めなさいとたしなめる男、二人を軸にして
    展開していきます。舞台は病院で、一人は、そして後半では
    二人とも入院することになりますがその経緯も詳しいことは
    分からない。状況が全く説明されない。

    他にも。一面に分厚く古着が折り重なる舞台装置の上に
    溶け込むように倒れている人々。あまりに一体化し過ぎていて、
    最初どこから台詞が発せられているのか、分からなかったです。

    そう、この劇、『象』ではハッキリしていることは何もない。
    もしかしたら、二人の男は、精神を病んで、この病院に
    いるのかも知れない。ただ一つ、おぼろげながら分かるのは
    カフカ『城』のように、「あの町」があって、ケロイドの男は
    そこでかつてのように見世物をしたい。もう一人の男は
    男を「あの町」に行かせないようにしている事、くらい。

    正直、後半の中盤部分に差し掛かるまでは、脈絡が全く
    ない会話に、しょっちゅう変わる場面、追うことの
    困難なストーリーなど、集中力がいる物語でしたが、

    見世物の男が、また町に出て行って、昔のように見世物を
    したい! と言い出すことから、一気に話が動き出します。

    最後、着物の山の中から、死者の群れが無言のまま
    現れてはくず折れていく様は、まるで、原爆投下の
    もののみならず、全ての一瞬立ち上がってはすぐに
    消えていく記憶そのもののようでした。

    すごく恐ろしく見えるのは、往々にして、私たちの
    中に想起される記憶が、甘美なものではなく、その逆、
    二度と思い出したくないものに他ならないことを
    はしなくも語っているようでした。演出家の深津氏の
    並々ならぬ演出力の高さを目の当たりにして感激しました。

    この劇、会話は全く脈絡が無いのですが、選ばれている
    言葉の噛み合わせは印象的なのが多かったです。
    例えば、以下のような。

    「…死にたいとは、思わないのですか」
    「自分で死ぬより、誰かに殺される方がいいな」
    「どうしてですか」
    「それって、とっても情熱的なことじゃないか」

    痺れるような台詞のやり取りと、ラストのシーンの
    不気味さだけで十分にお釣りがくる舞台だと思います。
  • 満足度

    う~ん…  
    難解。。  わかりづらいお話でした。。    けっこう期待していたので、ちょっと残念。。    

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