100万回生きたねこ 公演情報 100万回生きたねこ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★

    見たことのないダンス
    森山未來のダンスが見たく、満島ひかりが舞台ではどんな演技をするのか期待していた。ダンスは「新しい」の一言であり、こんな振り付けができるのかと感心してしまう。森山未來の全身で表す素晴らしいダンスに惚れ込んでしまった。ドラマで演じているだけではもったいない人である。満島ひかりは初舞台とのことでカーテンコールでの初々しさが伝わってきた。

  • 満足度★★★★★

    暫定1位! 1シーンごとに絵画のような美しさ、独特の踊り、実に創造的な作品。
    極端にパースが作られた舞台上に、ある時は歩く小さな家が、
    ある時は海が、各シーンがまるでリトグラフのように絵画的。

    その絵の様な舞台で演じられる、「ねこ」の森山未来さんと
    「女の子」の満島ひかりさんの、独特のフォームの踊りが素晴らしい。
    わざとらしくない ねこ の仕草、ちょっと曲げた
    足がしっぽの動きを現していたりして、
    ちいさな動きが実に ねこ らしいんです。

    さまざまな人と共に居て100万回生きて100万回死んだねこを
    描く1幕目。 私は特に藤木孝さんの歌と演技に感激しました。

    休憩をはさんで2幕目は、その特別な「ねこ」に言い寄る
    メスねこたち。そして彼女たちではなく、自分からは
    寄って来ない「白いねこ」と、一緒に居ることにして、
    初めて自分を「生きた」ねこ。
    そして、物語は実に静かに穏やかに進みます。

    まだ1月ではありますが、文句なく暫定1位決定です!
    できれば 「100万回観たい!」 なんて、
    気がきいたことを言いたいのですが、東京千秋楽でした。
    ざんねん。

    ネタバレBOX

    ちなみに、パンフレットも良くて、特にキャストの「写真」の笑顔が
    素晴らしい!
    中でも満島さんのキュートな笑顔!これまでで一番です。
    そしてそして藤木孝さんの笑顔!これまたかわいらしくって。
    布製のねこのしっぽがついた「しおり」も、これまた気が利いてます!
  • 満足度★★★

    100万回
    絵本未読。猫は好き。

    ネタバレBOX

    トラ猫(森山未来)が死んでは別の飼い主の元でまた死んで、白い猫(満島ひかり)に出会い、愛し合い、白い猫の死を悲しむ…。

    ナンバーワンな王様・犬が怖い泥棒たち・かあちゃん想いの船乗り・マジックに失敗しちゃったマジシャン・寝てるのと起きてるのが曖昧なおばあちゃん…繰り返される死に無感動になるトラ猫。そんなトラ猫に興味を示さない白い猫は、「何回生きたの?」と突きつける。傍にいたいと願うトラ猫と時間を過ごした白い猫が眠るように死んで、大泣きするトラ猫。
    前半繰り返される「死」に、トラ猫のように感覚が鈍くなるところにグサッとくる構成がいい。ピアノの音と二人のしりとり、静かな時間が流れ、悲しみの「生」を受け止めるトラ猫に、グっとくる。

    人間は100万回死んだりしないけども、何年生きたってとこが重要でないと。ファンタジーな領分からリアルな人間を鋭く撃つ作品で、照明の暗さとセットの落ち着いた表情が、いい舞台を作ってた。

    セリフよりも振りが印象的。猫だしね。主演の二人のシーンの言葉のないとこはかなりの出来と思った。
  • 満足度★★★★

    3次元化された絵本の世界
    日本の若手劇作家3人による脚本と、イスラエルのコンテンポラリーダンス界で活躍するインバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんの演出・振付・美術で有名な絵本をミュージカル化した作品で、シュールでキュートな中に切なさが感じられました。

    とらねこが様々な人間に飼われては死んで行く様子がユーモラスに描かれる第1幕と、誰のものでもない野良猫になったとらねこが白いねこと出会い、そして死別する物語をしっとりと描いた第2幕の対比が印象に残りました。

    前面が大きな枠で縁取られ、天井面も塞がれた、遠近法の錯覚で奥行きが強調された舞台の中で、カラフルながら落ち着いた色調のヴィジュアルと、様々な仕掛けを用いた手品の様な演出が繰り広げられ、まさに絵本の中の世界が飛び出して来たかの様でした。
    涙を色々な小道具を用いてユーモラスに表現したり、おばあさんの余命が短くなって行く様子を衣装を用いて表現したりとアナログ感に富んだ多彩な手法に暖かみが感じられました。奇妙な服のシルエットや不自然なポーズや動きでいびつな感じを出していたのが個性的で楽しかったです。

    台詞と歌とダンスがあまり密接に関連していなくて、言葉より身体表現や美術の比重が高く、ミュージカルと称するには異質な作品でしたが、まとまりが無かった訳ではなく、むしろ独特の雰囲気が出ていました。

    主役の森山未來さんと満島ひかりさんはダンサー達に引けを取らない運動量をこなし、第1幕と第2幕での演じ分けも見事でした。特に終盤の趣向を凝らした短い台詞のやり取りの中に深い情感が感じられて素晴らしかったです。

    チラシや公式サイトには書かれていないのですが、歌詞は友部正人さんによるものだったのも嬉しいサプライズで良かったです。

  • 満足度★★★★★

    身体と言葉で詩情豊かな作品に
    脚本を、小劇場で活躍している、糸井幸之介さん、戌井昭人さん、中屋敷法仁さんの3人が担当し(たぶん歌詞は糸井さんが担当するのかな、と)、音楽にはロケット・マツさんと阿部海太郎さんがいて、さらにコンテンポラリー・ダンスのインバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんが演出をするということで、(やや)スパイシーな内容を想像していたのだが、そうではなかった。
    とても詩情豊かな作品が、舞台の上にあった。

    大人だけが観るのはもったいない、子どもにも是非観てほしい作品だ。

    ネタバレBOX

    ストーリーは、絵本の『100万回生きたねこ』。

    それを、主人公のネコが人に飼われていたときと、自由に生きていたときの2部に分けて上演した。
    上演時間を開演前に掲示で確認すると、第1部80分、休憩後第2部40分となっている。それだったら通しで上演したほうが、中ダレしなくてよいのでは? なんて思っていたが、それは違っていた。
    2部構成が正解だった。

    100万回死んで、100万回生き返ったネコは、王様や泥棒、漁師などいろいろな人に飼われてきて、「死ぬことはなんともない」と思っていた。飼っていた人々は、ネコの死に涙し悲しんだが、ネコ自身は涙の1つぶも流さなかった。これが第1部。

    第2部は、そのネコが「愛する」ということを知って(すなわち、本当に「生きて」)、その死に涙する。

    第2部が特にいい。
    第2部は、あっという間の40分なのだが、胸に迫る。

    第2部を際立たせるめにも、観客には休憩時間のインターバルが必要だったというわけなのだ。

    インバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんは、イスラエルのコンテンポラリー・ダンス演出・振付のユニットだ。
    ミュージカルという公演だが、当然、ダンス中心の内容になってくると予想していた。
    しかし、単に「歌のあるダンス公演」という、狭い内容ではなく、「これはこう演じて、こう身体を動かすことでしか表現できないな」ぐらいに思わせる演出であった。

    ホントに凄いと思った。

    美術も彼らが担当し、デザインチックで、ポップでありながら、押さえた色のトーン。それは、読み込んだ絵本のページをめくるような「画」であり、その「画」が、「たぶん絵本が動いたらこんな風になるのではないか」と思わせるように、ユーモラスだったり、少し不思議だったりに動くのだ。

    特に前半は、前後左右はもちろん、上下からも登場したり、上に伸びたり、下に一瞬に隠れたりと、わくわくどきどきしっぱなしであった。観客の多くは目を輝かせて観ていたのではないだろうか。

    このセンスは素晴らしい。ダンスを担当する人たちの動きがキレもいいし、なにより観ていて楽しい。

    台詞の多くは、韻を踏む。その楽しさもある。

    そして、第2部だ。
    100万回生きたネコが初めて涙し、「死」を思い、つまり、「生」を思い、「愛」を思う。

    100万回生きたネコと白いネコは、多くの台詞を使わず、しりとりで単語をつなぐ。
    この、一見なんでもないような、単語のやり取りに「愛」を感じてしまう。

    余計な台詞や、原作の絵本にあるような、子どもたちが出てこなくても、2人の関係が浮かび上がるのだ。
    このときの彼らが表現する動きがいい。

    出会いのシーンは、100万回生きたネコが動き、興味を惹こうとする。対する白いネコはそれに動じない。しかし、2匹は徐々に近づいていく。
    この後の彼らの動きにも「愛」を感じる。

    「恋愛」の「愛」から、「家族愛」の「愛」というか、そばにいて欲しい人への愛情だ。

    短い時間ながら、そうした関係を丁寧に見せたあとの、白いネコが目を閉じてしまうときの100万回生きたネコの慟哭は、胸に迫る。本当に迫ってきた。

    その後の余韻の長さがとてもいいのだ。
    変に音楽で盛り上げようとせず、静寂と重なる2匹のネコの姿。
    これにはすっかりやられてしまった。

    さらにラストに、彼らに重なる音楽がもの悲しいだけではなく、どこか明るさがあるような曲であり、彼らを祝福しているようでもあった。100万回生きたネコをかつて飼っていた飼い主たちも登場する。彼らも祝福を贈る。
    100万回生きたネコが、本当に涙を流したことへの祝福でもあろう。
    つまり、それは「死」への祝福ではなく、「(きちんと)生きてきたこと」への祝福だ。

    何回も生き返ることで、死を軽んじていたネコが、生きてきたことを実感したということだ。

    また、飼われていたときは、飼い主に愛されていて、ネコが死んだときには、飼い主たちは多くの涙を流していたが、今度はネコ自身が「愛する」ことを「知って」、「涙する側」になったことへの祝福でもあろう。

    「愛すること」を「知って」、「生きてきた」と言えるということなのだ。

    100万回生きたネコを演じた森山未來さんは、全編身体を、とてもきれいに動かし続け、100万回生きたネコの気持ちを見事に表現していた。
    前半は、100万回生きたネコを見続ける少女を演じ、後半は白いネコを演じた満島ひかりさんは、しなやかで、ときには儚く、観客の視点と物語の中心を見せてくれた。
    脇を固める俳優さんたちも、役のトーンをそれぞれにに見事に演じていたと思う。とても良かった。

    脚本を担当した糸井幸之介さん、戌井昭人さん、中屋敷法仁さんの3人は、もし、彼らがそれぞれに同じ「100万回生きたねこ」をテーマにした作品を発表したとすれば、恐らくまったく違ったトーンになったと思うのだが、今回は、3人が揃ったことで、それぞれの作風に持っている「センチメンタル」な部分や「詩的」な部分がうまく、相乗効果により共鳴し、発揮されたのだろう。

    音楽も良かった。パスカルズやいろいろなアーチストのサポートで活躍しているロケット・マツさんと、各種舞台の音楽を担当している阿部海太郎さんが、アコースティックで、どこかノスタルジックな味わいのある曲を作っていた。どの曲も良かったし、舞台の中や外で生演奏も効果は抜群であった。

    若手の脚本家たちの競作による脚本、2人の音楽家たちの曲、そして日本人の俳優を使って、演じさせ、踊らせ、歌わせて、このような素晴らしい作品にまとめ上げた、イスラエルの演出家たちの手腕には驚嘆した。
  • 満足度★★

    深遠なるイスラエルの魔術師
    ミュージカルに挑戦です。
    森山未來好きとしては、気になる満島ひかりとの共演ということで、奮発して出かけましたが…。

    ゴメンナサイ。
    僕には、今回のミュージカル難しかったです…。
    身体表現、ダンス、音楽とのマッチング等々、どこを取っても完成度が高いことは伝わってくるんですが、初心者には、敷居が高く。
    最近、小劇場づいている僕には、どうしても、役者の「息づかい」や「熱」を求めてしまうためか、どうにも感情移入できず、退屈な時間となってしまいました。

    森山未來の卓抜とした表現力と存在感には、文句なしに感嘆しましたが。
    抑えの効いた独特な演出は、ハマる人にはたまらない世界とお見受けしましたものの、僕とのマッチングは、残念…。

    この芸術性を咀嚼できる、イカした大人になりたいです。

  • 満足度★★★★★

    大満足
    原作jは読んでいないので、それとの違いは分かりませんが、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックのあの独特なファンタジック世界が広がるステキな舞台でした。ミュージカルと謳ってはいるものの、彼らの演出なので、どうしてもダンスというか動きに目が行ってしまいます。が、いやいや、歌・音楽も非常に心地良かったです。帰りにサントラを買おうと思いましたが売ってなくて残念。出演者では森山未来くんの身体能力・表現力の高さに脱帽、さぞや演出家も演出のしがいがあったろうなと想像。満島ひかりさんも「女の子」、「白いねこ」役ともにステキ。脇を固める役者人、ダンサーもそれぞれの役目を的確に表現していて大満足な舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    森山未來くんが踊る踊る!
    「100万回生きたねこ」を観る。
    原作をモチーフに、インバル&アブシャロムチームが作った、もう一つの物語。シンプルで素直にほっこりする。
    ミュージカルというより、ダンス作品のイメージが強い。ダンサー陣はもとより、主演の森山未來くんが踊る踊る。むしろダンス作品として、踊りまくっても良かったかも。
    もちろん俳優陣も安定していて、歌も良い。
    インバル&アブシャロムの世界観が、いい意味で2次創作になっている。舞台ギミックも無理なく、コスチュームと共に彼ららしい感じ。
    脚本がリズム感のある楽しい言葉遊びで誰だろうと思ったら、戌井昭人、中屋敷法仁、糸井幸之介の共作と。なんとも贅沢な。
    音楽も切なくミュゼの感じがいい。

    年初めから、素敵な舞台でした。

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