満足度★★★★
見たことのないダンス
森山未來のダンスが見たく、満島ひかりが舞台ではどんな演技をするのか期待していた。ダンスは「新しい」の一言であり、こんな振り付けができるのかと感心してしまう。森山未來の全身で表す素晴らしいダンスに惚れ込んでしまった。ドラマで演じているだけではもったいない人である。満島ひかりは初舞台とのことでカーテンコールでの初々しさが伝わってきた。
満足度★★★★★
暫定1位! 1シーンごとに絵画のような美しさ、独特の踊り、実に創造的な作品。
極端にパースが作られた舞台上に、ある時は歩く小さな家が、
ある時は海が、各シーンがまるでリトグラフのように絵画的。
その絵の様な舞台で演じられる、「ねこ」の森山未来さんと
「女の子」の満島ひかりさんの、独特のフォームの踊りが素晴らしい。
わざとらしくない ねこ の仕草、ちょっと曲げた
足がしっぽの動きを現していたりして、
ちいさな動きが実に ねこ らしいんです。
さまざまな人と共に居て100万回生きて100万回死んだねこを
描く1幕目。 私は特に藤木孝さんの歌と演技に感激しました。
休憩をはさんで2幕目は、その特別な「ねこ」に言い寄る
メスねこたち。そして彼女たちではなく、自分からは
寄って来ない「白いねこ」と、一緒に居ることにして、
初めて自分を「生きた」ねこ。
そして、物語は実に静かに穏やかに進みます。
まだ1月ではありますが、文句なく暫定1位決定です!
できれば 「100万回観たい!」 なんて、
気がきいたことを言いたいのですが、東京千秋楽でした。
ざんねん。
満足度★★★★
3次元化された絵本の世界
日本の若手劇作家3人による脚本と、イスラエルのコンテンポラリーダンス界で活躍するインバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんの演出・振付・美術で有名な絵本をミュージカル化した作品で、シュールでキュートな中に切なさが感じられました。
とらねこが様々な人間に飼われては死んで行く様子がユーモラスに描かれる第1幕と、誰のものでもない野良猫になったとらねこが白いねこと出会い、そして死別する物語をしっとりと描いた第2幕の対比が印象に残りました。
前面が大きな枠で縁取られ、天井面も塞がれた、遠近法の錯覚で奥行きが強調された舞台の中で、カラフルながら落ち着いた色調のヴィジュアルと、様々な仕掛けを用いた手品の様な演出が繰り広げられ、まさに絵本の中の世界が飛び出して来たかの様でした。
涙を色々な小道具を用いてユーモラスに表現したり、おばあさんの余命が短くなって行く様子を衣装を用いて表現したりとアナログ感に富んだ多彩な手法に暖かみが感じられました。奇妙な服のシルエットや不自然なポーズや動きでいびつな感じを出していたのが個性的で楽しかったです。
台詞と歌とダンスがあまり密接に関連していなくて、言葉より身体表現や美術の比重が高く、ミュージカルと称するには異質な作品でしたが、まとまりが無かった訳ではなく、むしろ独特の雰囲気が出ていました。
主役の森山未來さんと満島ひかりさんはダンサー達に引けを取らない運動量をこなし、第1幕と第2幕での演じ分けも見事でした。特に終盤の趣向を凝らした短い台詞のやり取りの中に深い情感が感じられて素晴らしかったです。
チラシや公式サイトには書かれていないのですが、歌詞は友部正人さんによるものだったのも嬉しいサプライズで良かったです。
満足度★★★★★
身体と言葉で詩情豊かな作品に
脚本を、小劇場で活躍している、糸井幸之介さん、戌井昭人さん、中屋敷法仁さんの3人が担当し(たぶん歌詞は糸井さんが担当するのかな、と)、音楽にはロケット・マツさんと阿部海太郎さんがいて、さらにコンテンポラリー・ダンスのインバル・ピントさんとアブシャロム・ポラックさんが演出をするということで、(やや)スパイシーな内容を想像していたのだが、そうではなかった。
とても詩情豊かな作品が、舞台の上にあった。
大人だけが観るのはもったいない、子どもにも是非観てほしい作品だ。
満足度★★
深遠なるイスラエルの魔術師
ミュージカルに挑戦です。
森山未來好きとしては、気になる満島ひかりとの共演ということで、奮発して出かけましたが…。
ゴメンナサイ。
僕には、今回のミュージカル難しかったです…。
身体表現、ダンス、音楽とのマッチング等々、どこを取っても完成度が高いことは伝わってくるんですが、初心者には、敷居が高く。
最近、小劇場づいている僕には、どうしても、役者の「息づかい」や「熱」を求めてしまうためか、どうにも感情移入できず、退屈な時間となってしまいました。
森山未來の卓抜とした表現力と存在感には、文句なしに感嘆しましたが。
抑えの効いた独特な演出は、ハマる人にはたまらない世界とお見受けしましたものの、僕とのマッチングは、残念…。
この芸術性を咀嚼できる、イカした大人になりたいです。
満足度★★★★★
大満足
原作jは読んでいないので、それとの違いは分かりませんが、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックのあの独特なファンタジック世界が広がるステキな舞台でした。ミュージカルと謳ってはいるものの、彼らの演出なので、どうしてもダンスというか動きに目が行ってしまいます。が、いやいや、歌・音楽も非常に心地良かったです。帰りにサントラを買おうと思いましたが売ってなくて残念。出演者では森山未来くんの身体能力・表現力の高さに脱帽、さぞや演出家も演出のしがいがあったろうなと想像。満島ひかりさんも「女の子」、「白いねこ」役ともにステキ。脇を固める役者人、ダンサーもそれぞれの役目を的確に表現していて大満足な舞台でした。
満足度★★★★★
森山未來くんが踊る踊る!
「100万回生きたねこ」を観る。
原作をモチーフに、インバル&アブシャロムチームが作った、もう一つの物語。シンプルで素直にほっこりする。
ミュージカルというより、ダンス作品のイメージが強い。ダンサー陣はもとより、主演の森山未來くんが踊る踊る。むしろダンス作品として、踊りまくっても良かったかも。
もちろん俳優陣も安定していて、歌も良い。
インバル&アブシャロムの世界観が、いい意味で2次創作になっている。舞台ギミックも無理なく、コスチュームと共に彼ららしい感じ。
脚本がリズム感のある楽しい言葉遊びで誰だろうと思ったら、戌井昭人、中屋敷法仁、糸井幸之介の共作と。なんとも贅沢な。
音楽も切なくミュゼの感じがいい。
年初めから、素敵な舞台でした。