マリー・ボドニック 公演情報 マリー・ボドニック」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    魔都上海
     時は1937年。上海の日本租界の一角。イエュイは、武勇の誉れ高い貴族の愛娘、男子に恵まれなかったこの家の長女である。年頃になったが顔にコンプレックスがあって何時もベールをつけている。彼女の身の回りを世話するのは下僕、ラン・ティエン。目は悪いが、忠実な下僕で彼女の為なら命も投げ出すほどである。
     そんな彼女は、父の葬儀で出会った日本人外交官、甲斐に一目惚れしてしまうが、甲斐は、彼女のベールを剥いだ途端、悲鳴を上げて逃げ出してしまった。彼女は深く傷つき、その時以来、武器取引、暗殺などを生業とし黒世界で暗躍するウーの下で働くようになる。(ネタに追加4.22)

    ネタバレBOX

     暗殺もするスパイとして。そんな折も折、甲斐は、毛沢東率いる共産軍や蒋介石率いる国民党軍部との戦いに備え、もう一つの顔、軍特務機関員として武器の調達を画策する。 
    当然、国民党特務機関は甲斐の命をつけ狙い、殺害を目論むが、ウーから甲斐殺害を申し渡されていたイエュイは、ターゲットが、甲斐であることに気付き彼を殺しに行った先で国民党特務機関の手先と思われる者からの襲撃を撃退し、逆に助けてしまう。因みに、武器調達を図った甲斐の取引相手とは、ウーの右腕である。
    当時、魔都と呼ばれた上海を舞台に、日中スパイ合戦とイエュイのひたむきな愛、二つのテーマを描いているのだが、ラストへ持ってゆく際、アウフヘーベンの手際が良くない。作家の傾向なのかも知れないが、演劇的効果の面から考えれば、イエュイの恋を前面に描くのではなく、逆だろう。翻弄されて亡くなることを強調すべきである。本当に恋を純粋に描きたいのであれば。他人を散々殺めてきただけでも大変な罪なのだから、それをしも浄化する程の恋を観客に理解させるには、今回の終わり方では甘い。
  • 満足度★★★★

    面白かったですよ
    劇場を効果的に使い,舞台設定や,ナレーションなど雰囲気を醸し出していました。オカルトミステリ的なストーリーで,飽きることなく楽しく観劇できました。初見の劇団でしたが,客席は早い時間から満席,人気のあるのもわかります。個人的には,もっとマリーの内面描写を明らかにして,物語のテーマを押し出した方が印象に残ったのではと思いもしますが,とにかくいい感じの舞台でしたので,ほぼ満足です。

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