OIL 公演情報 OIL」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    少し変わった興味深い作品で、なかなか難しいところもある。一人の女性の半生とその娘との愛と葛藤、閉塞感と自由への欲求、生への欲望、孤独などが描かれ、「OIL」はそれらの心的エネルギーの象徴として絡められていると感じられた。ストーリーは5つの時代に分けられているが(最後は2050年代?よく見えなかった)、それらは同じ人物の話なのだろうかと疑うほどガラッと変わる印象があり、その一つ一つは面白いとしても、まとまりにくさは否めない。一筋縄にはいかない台本と思われ、上演は簡単ではなかったのではないかと想像する。2時間半ぐらいと思うが、休憩なしで通したので少々つらいものがあり、5部に分かれているのなら途中どこかで休憩を挟んでも良かったのではないか。それにしても、森尾舞氏は一流の舞台俳優だな、と。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「時空を超えた母娘の物語」

     イギリスの劇作家エラ・ヒクソンが2016年に発表した戯曲の日本初演である。坂手洋二率いる燐光群+グッドフェローズのプロデュースで、翻訳は一川華、演出は文学座の水野玲子が手掛けた。

    ネタバレBOX

     1880年代から2050年代にかけて、五つの世代でイギリスと中東を舞台にしたエネルギー資源の利権に翻弄される人々を描いた物語であるが、いずれの場面でもメイ(森尾舞)とエイミー(柴田美)母娘を中心に据えている点が大きな特徴である。登場人物の関係性が異なる時期と場所で変わることを描いた作品はほかにもあるが、本作は資源争奪に揺れる国際情勢が人びとに与えた影響に焦点を当てている。こう書くとただ政治的であるように思われるが、作者はそこに母娘の愛憎と人びとのままならない性の営みを書き加えた。こうして私は一組の母娘を通して時空を超えた 「公」と「私」の物語を堪能したが、戯曲にはさまざまな要素が詰め込まれており、作品に込められた熱量に反して主題がどこかぼんやりとしたものになっていたようにも思った。

     森尾と 柴田のメイ・エイミー母娘はどの場面でもエネルギーに満ち溢れていたが、特にオイルショック期のイギリスで会社を守るために苦渋の決断をする重役と、ボーイフレンドとの逢瀬に耽り反抗的な態度をとる思春期の娘を描いた第三場が印象に残った。ちょっと出るだけだが、円城寺あや演じる石油利権を主張する人物の役がミステリアスである。

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