既成事実 公演情報 既成事実」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    想像以上でした。
    MUやMCRで観た限りこれといった特徴のある方ではなかったように記憶していたので、おひとりでどんなお芝居を・・・?という興味から観に行きました。
    ドロ沼どころか奈落の底でもがくダメ男が見事でした。
    前半は笑えるところが多くて「悲劇も他人から見れば喜劇なのね」と他人事のように軽くとらえていたのに、一線を越えた辺りからどんどん引き込まれて・・・。
    次回公演も気になります。

  • 満足度★★★★★

    観てきた
    前のより好き。ストーリーも演技も。

    ネタバレBOX

    先輩を殺してしまった後、即保身に走る様が人間的で良かった。
    父親との会話がリアル。
  • 満足度★★★★

    性悪女と自滅男
    第一回公演「中野坂上の変」では複数の作家の短編をひとりで演じたが
    今回は自身が書き下ろした作品をひとりで演じるというもの。
    ちょっと行き過ぎた男の転落の様が鮮やかで
    相変わらず台詞の力を感じさせる舞台だった。
    展開の面白さに加えて、彼を取り巻く全てが凝縮された怒涛の後半が素晴らしい。

    ネタバレBOX

    みよちゃんの浮気はもう14回目だが、タケシはまたも許してしまう。
    ただし「消毒」と称して浮気の一部始終をベッドで再現する。
    これをしないと気が済まない。
    だが今回は職場の佐々木先輩に愚痴ったことから
    先輩と二人浮気相手の男の店へ顔を見に行く羽目になる。
    そして泥酔して二人はホテルに行くのだが
    タケシは行為の最中、佐々木先輩の首を絞めて死なせてしまう。
    そして死体はバラバラにして生ごみの日に出す。

    ある日タケシはみよちゃんが自分以外の男の子どもを妊娠したと知って激高、
    一度は彼女と別れるが、思い直してその子の父親になろうと決心する。
    その時遠くでパトカーのサイレンが鳴り、それは次第に近づいて来た…。

    タケシはみよちゃんが大好きで、一緒にいられるなら何でも許す。
    殺人を犯したことさえ、彼にとっては失敗でも大問題でもない。
    ちょっとびっくりしたけどたぶんバレないし、それより問題はみよちゃんの妊娠だ。

    タケシの極端な価値観の傾き方、誇張はあるが良く見かけるタイプだ。
    顔に痣のある自分を好きだと言ってくれたみよちゃんを失いたくないあまり
    “既成事実”を“消毒”して無かった事にする。
    この自己満足なリセットの儀式が効いている。
    こういうちょっと“ドン引きキャラ”にもかかわらず
    いつのまにか感情移入させてしまう所がすごい。

    父親が実の親ではなかったことを思春期に知り、
    その後ずっとぎくしゃくしていたという背景も巧みに織り込まれている。
    パトカーのサイレン音がマックスになる中、
    「お父さん、自分の子でない子どもを育てるってどんな感じ?」(という意味の台詞)
    で直後に暗転するが、因果の巡りを感じさせる終わり方だ。

    ひとり芝居のポイントは、“見えない登場人物がどこまで視えるか”だと思う。
    一見無邪気、実はしたたかなみよちゃんが生き生きと立ち上がって来るのは
    小西さんの「リアルな台詞」と「間の巧さ」だ。
    日頃彼のブログを読んでいても、興味をそらさない文章の巧さに感心する。
    殺人を犯してからの転落は(タケシは転落だと思っていないが)
    台詞に変化とメリハリがありまさに怒涛の展開、テンポ良く鮮やかだが、
    前半そこへ行くまでがちょっと長く感じられたかな。

    このひとり芝居シリーズ、早くも次回9月の公演タイトルが発表になっている。
    「既成事実」の次は「破滅志向」だそうで、
    わかっていながら「地雷」を踏み続ける小西耕一という役者の
    執拗かつあっけらかんとした自虐志向が楽しみだ。
  • 満足度★★★★★

    その人にしか表現できないもの
    常々、そんなものを観たいと思っていたところにこの舞台。
    当日パンフに心を動かされ、劇中の内容に惹き込まれました。
    後日追記します。

  • 満足度★★★

    難しいですよね、一人芝居って。
    会話など、二人でやったほうが絶対にリアルになるものを、わざわざ一人でやるわけで。一人でやる意味、みたいなものがそこにないと。

    必要なのは、抽象的なようだけど、役者自身の魅力、ってことになるんでしょうかね。ぼく自身もその意味がはっきりわかって言っているわけではないけど。

    ネタバレBOX

    セックス関係のネタは、ぼくには、ちょっと恥ずかしかったです。
    最初のあれはなんだろうと思ったり、、、。

    実家の母親(と父親)との電話は、途中のは不必要では?最初と最後の2回だけでよかったんじゃないかなあ。それなら状況の違いの対比なんかも、もっと鮮明になったかも。

    人を過って殺しちゃったら、恋愛なんかよりも、そっちのほうがずっとずっと重要で、心に重くのしかかってくる事件ですよね。そっちのほうの展開をもっと観たかったです。そのほうが面白くなったかと。
  • 満足度★★★

    浮気と嫉妬
     浮気症の彼女に惚れた嫉妬深いコキュの顛末。

    ネタバレBOX

     実父と育ての父、自分が惚れた女と浮気相手の間の子を引き受ける等、父母の代からの因果を描く。かなりぐちゃぐちゃな男と女の話。
     おまけに、嫉妬に狂った挙句、会社の先輩と初めて浮気をしたコキュは、性技としての首絞めに失敗、殺害してしまう。きちんとしたアリバイ作りもせず、逃げ延びていた彼であったが、自らの子では無くとも、惚れた女の宿した命を父と同じように引き受けようとする矢先、パトカーのサイレンを聞く。
     科白をもっと具体的なイメージとして、身体化して欲しい。科白が上滑りしているような印象を受けた。そのように科白を身体化する為には、己の更なる客体化が必要だとも思う。
  • 満足度★★★★★

    30歳の蹉跌
    親子関係とは、青年の蹉跌とは、を問うドラマチックな意欲作!!

    ネタバレBOX

    なんでこうなってしまったんだろう、俺が悪いわけじゃない…。

    血の繋がらない父子の関係について、愛する女性が産んだ子供だもの、父親は俺を愛し続けてくれていたことをやっと理解できたのに…、そしてみよちゃんの産む子供を今度は俺が父親の立場として恐らく愛せると信じているのに…、サイレンの音が聞こえてきた…。なんでこのタイミングで捕まるんだ、世の中おかしいんじゃないか、ちくしょーっ。

    みよちゃんの浮気相手の性癖をおさらいしたばっかりに、先輩女子との初めての浮気で情事の最中に先輩の首を絞めて殺してしまったタケシの、そんなことは無かったかのように日々を送っていたものの、結局はごまかしきれずに警察に捕まるという、底辺をうごめいていた青年がさらに奈落の底に転落する、太陽がいっぱいのような、青春の蹉跌のような物語。

    壮大なストーリーの一人芝居、挫折感を味わいました。面白かったです。

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