まほろば 公演情報 「まほろば」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 3.7
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    以前は笑えてたセリフも、現在では笑えなくなっている。今となっては女性の性を弄んでる感じがある。なんでこれを選んだのかなあ。田舎もんが喜びそうな題材ではある

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/09/12 (土) 13:00

    座席1階

    蓬莱竜太の岸田賞受賞作。練り込まれた会話劇で、村祭りで神輿を担いで帰って来る男たちの宴会を用意する本家の妻や、その娘たちのそれぞれの人生が描かれる。その会話劇は見る価値ありと思って劇場へ出かけたが、今作は青年座の尾身美詞、桟敷童子のもりちえ、そして加藤健一事務所の舞台で存在感を放つ加藤忍という実にユニークなメンバーということで期待感が高まった。

    加藤健一演出だからか、いつものカトケン舞台のように客席は高齢者中心だった。それはともかく、「子どもを産む」ということを実に多面的に描いた脚本に魅了される。そして、この物語を6人の女優たちが表情豊かに熱演。舞台の価値を高めた。
    何と言ってもよかったのは、主役となる姉妹を演じた加藤忍と尾身美詞だ。2時間の舞台で展開される物語は、笑わずにはいられない、かつ涙がにじむような得難い時間となる。
    もりちえの演技にも感心させられる。今回は恐らく80代より上の老婆役だが、舞台回しの役柄もさることながら、桟敷童子での舞台では見られない雰囲気がすごかった。

    初演時の舞台がどのような雰囲気だったのだろうか分からないが、脚本に加え出演者の顔触れにようインパクトは絶大。今見ても十分満足できる会話劇。見ないと損すると言っていい。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    子供とお婆ちゃんという飛び道具2名がMVP。演出・加藤健一氏ということで何の心配もなかったがそれでも凄い出来。子供は戸張柚(ゆず)さん11歳、小学6年生。もう子役なんかじゃない、女優だ。お婆ちゃんはもりちえさん。暴君ハバネロ。
    悟り切った婆ちゃん、家を継ぐ者としての責任感を負う母、東京でキャリア・ウーマンとしてバリバリだけど結婚できない長女、父親不明のシンママで家名を汚した次女、その娘で東京で事務員として働く孫娘。更に次女が祭りの間だけ預かったという小学生の女の子。女6人の真剣勝負。

    物語の中心人物、加藤忍さんはTHE女優、圧倒的。毛穴一つ一つから噴き出すような演技。大竹しのぶや原田美枝子など数々の日本の名女優の歴史の系譜を感じた。
    嶋村友美さんは受けの笑いに徹し、表情がせいやのよう。
    尾身美詞(みのり)さんは藤谷文子っぽかった。
    もりちえさんは開場中の客入れまでやっていて始まったら置物のような老婆に。
    久我音寧(ねね)さんは木﨑ゆりあっぽい。
    戸張柚(ゆず)さんは役の理解度が高い。

    トランプをしながらの会話シーンは戯曲指定なのか演出指定なのか?『ジン・ゲーム』で加藤健一氏が本当にゲームをしながら台詞を言うことの大変さを力説していたので敢えて狙ったのかなと思った。

    嵐のように感情が吹き荒れる舞台、徐々に静まり、雲の間からうっすらと光が差す。

    ネタバレBOX

    母親は適齢期を過ぎた長女に結婚し旦那を迎え家を継いで貰いたい。代々続いた家を守り次の世代に無事譲り渡すことこそが自分の使命だと信じている。
    長女は生理がなくなり閉経したと思い、もう女ではなくなったと落ち込む。だがまさかの妊娠を知って悩む。好きでもない男との子供を産んで育てるのか?それは違うだろう。子供の為に相手を好きになろうと努めるのか?それも違うだろう。じゃあどうすりゃいい?
    次女は新しい現在の恋愛について考えている。気の多い自分はすぐに騙され体を許してしまう人生だった。結果、父親の判らない未婚の母となる。連れ子を持つ今の彼氏と一緒になることが正解なのか、それは正しくないことなのか。正しさの基準が解らない。自分の欲望と正しさとの間で混乱。
    次女の娘は東京で妻子ある男と不倫し妊娠した。彼の事を本当に好きだから彼の家庭を壊したくない。連絡を絶って帰郷した。彼の子供を産みたいと思っている。でもそれが何故なのか言語化出来ない。
    次女の交際相手の娘は全てが見えている。何もかもが見通せる。それは当事者ではなく他人事だからかも。自分の欲望を持っていないからどんな結果になろうとも構わない。まるで天使のような立ち位置。
    婆ちゃんはもうどうでもいい。皆が楽しく暮らせれば最早どうでもいい。

    まほろばとは素晴らしく住みやすい場所を意味する古語。この地は古来より女の神様が治めていて、土も水も綺麗で子供が沢山育つ地。よって女の神様の機嫌を損ねないよう奉納祭りは男だけで行なうしきたり。ラストに妊娠している長女と孫娘の胎児が反応し、小学生の女の子が初潮を迎える。まるで神話のように。

    この話の引っ掛かる部分はSEXしたことも覚えていない酒乱の長女の人間性。恋人がいるのに会社の上司を家に上げ抱かれる。妊娠したことを知り、好きでもない男との結婚やその男の子供を出産することへの抵抗感、精神的葛藤。だがここで産まないともう二度と出産の機会はないかも知れないと心は揺れる。御神輿と共に訪れる不意の胎動に出産を決めるであろうラスト。わざと作家はこういう嫌なシチュエーションを作ったのだろう。愛だの恋だのではなく出産という女性の持つ特別な権利について考えさせる為の物語だと思う。だからこそそこをすんなり受け入れられない人々もいる。自意識を超えた天啓。その全てを呑み込んで作家はタイトルに『まほろば』と付けた。ここがまほろばだと。

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