無題561(12-304)
14:00の回(雨)。13:30受付、13:32開場、初めて受付横の階段から下りる。ぐるっと回りながら、普段は役者さんが出入りする扉から座席へ向かいます。座るのは(いつもの階段から見て)左、小さなテーブルと椅子だけの舞台。客席端に「当日席」が一席。13:56前説(喫煙シーンについて)、13:59、2階より音楽が聴こえ(アコーディオンの生演奏)開演~16:08終演。
なんとはなく「Lust, Caution」がうかぶ。みたのは2008年(@ル・シネマ)。ウィキペディアで確認すると1938~1942年あたりのことらしい。「第二次世界大戦中、日本軍による事実上の占領下となっていた香港と上海」が舞台。当パンを読むとクララ(1918~1948)上海。映画のときもそうでしたが、ここらの背景について全然知識がないので、これはどうしようもない。なぜ、登場人物たちがこのように動くのか、に追い付いていけないのでした、申し訳ないです。
満足度★★★★
力演
史実に近いのだろう。日本が中国大陸で行った三光政策の残虐非道もきちんと言及されている。日清・日露戦以降、日本は子供が背伸びをするように幼稚な戦争をしてきた。国際連盟での振る舞いを見ても、軍部の独走とそれを許した世相を見てもそれは言える。更に恐るべきは、偶に合理的な意見を出されると愚にもつかない精神論を用いて潰しに掛かる愚かさだ。これが現代になっても一向に変わらないことである。原発推進派の言動を見ればそれらは明らかだろう。
そんな危機感が演じる側にあったのかも知れない。クララの身辺に起こる様々な事柄を彼女の人間関係を描くことで自然に、而も観客に時代を追体験させるような距離感を以て、描いた、緊迫しつつも芸域の広さをうかがわせる力演であった。
それにしても裕仁のポツダム宣言受諾時の声明の、何と民衆と遊離していたことか。その背景にある「国体」護持という概念化の何と言うオゾマシサ、馬鹿らしさ。反吐が出る。
満足度★★★
劇団初見!
室伏クララを知らない。知らないけど約2時間見応えあった。
日本の支配下にあった南京、暗黒の上海と渡り中国文学を訳した人。
病弱で気まぐれで恋に自由だった人と言う印象。
今の中国との関係や日本の在り様など等、理解し合える事の難しさ。どう胸襟を開けば良いのかなど本編を観ながら考えていた。
丁寧な作風に好印象。