星降る教室 公演情報 星降る教室」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-12件 / 12件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    青組らしい良品。変わらぬ風情の小夏女史のテキストと演出、特に後者に成熟が見られ、おや?と思う。そこ(舞台処理)に着目した事はあまりなかったが、洗練の度合いが高まっている感じ。
    宮沢賢治作品へのオマージュ、あるいはコラージュか・・ある女性教員が「小学校の最後の卒業式」の招待状を手に故郷の森小学校を訪れる幻想的なお話が、彼女の「友達」であったアイテム(賢治ゆかりのキャラたち)と共に手作り感満載の演出とテキストで綴られる。
    ただ後で台本をめくってみると物語としては無駄を省いた十全なテキストで、自分は読み取れていなかった。動的で展開の速い演出に注意を取られてしまったようで、感想としては台本を読んで感じた「主人公にとっての大切な体験」たる所以を、折角なら情感と共にゆったり味わいたかった。(欲を言えばの話だが・・ノンヒューマンな登場人物たちと超現実な現象が書き込まれてるので、舞台上の処理が難しいのは確か。脳ミソが追い付かなかっただけかも...)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/11/26 (水) 15:00

    どこか宮沢賢治を想起させる(ってかそもそも開場中に「星めぐりの歌」も流れるし)ファンタジックな物語、昨年の朗読劇版を観ていたので「そこはそういう動きになるのか」的な面白さが加わり楽しさ倍増、的な。(きのこたちの衣装は何やら妖しげ?(笑))
    特に印象的だったのは雪子とうさぎの対面場面で、舞台上では正対していながら雪子は俯き気味でうさぎが上を向くことで両者の大きさの対比を見せること。演劇表現ってこれだよね♪
    ところでラジオドラマ→朗読劇→舞台演劇としてきた本作、次はミュージカルか?(半分真顔)
    なお、序盤の電車内の検札場面で雪子が示した乗車券を見た車掌が「これは三次空間の方からお持もちになったのですか」と言うのではないか?と思ってしまったのはσ(^-^) だけではあるまい(笑)。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    光煌めくセットに、どこか懐かしさを感じる演奏、なにか異空間に迷い込んだ感じのステージでした!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    2016年にラジオドラマとして書き下ろした作品。昨年12月に青☆組オリジナルの朗読劇、青色文庫の様式による初の演劇化。場内は、ノスタルジックで夢幻のような雰囲気を作り出し、女性教師の回想を通して紡ぐ心温まる物語。

    青☆組公演の魅力は、じっくり作品を育て 物語に新たな息吹を吹き込んでいくような丁寧さ。本作は宮沢賢治の世界観に呼応したもので、その情景が次々と心に浮かび上がる。舞台美術や技術と相まって表出し 観客の心を静かに揺さぶる。発語を意識し大事にしたといった印象だ。

    舞台装置はシンプルだが美しく、優しく、そして温かい雰囲気を醸し出す。キャストはデザインは違うが白地基調の衣裳で統一し、女性教師(現在と過去の2人)は同じ色調の上下服のお揃い。オールキャスト続投によるリクリエイション 珠玉作。
    (上演時間65分)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、正面奥の幕に豆電球の電飾、その下に灯がともったミニツリーが置かれている。色彩は、全て暖色の単彩だから温かく優しく感じる。天井にはレース状の白布、銀河イメージであろうか。両壁際には丸椅子が5つずつ並んでいる。吉田小夏さんは、劇中にも入り 歌を口ずさみ ミニグロッケンの演奏を担当する。

    教師の森山雪子(32歳)は、20年前に卒業した雫の森小学校の恩師から1枚のはがきを受け取る。それは卒業生代表として卒業式での祝辞を依頼するもの。しかし転校を繰り返していた雪子は、6年生の1年間しかいなかった学校での思い出はほとんどない。雪子は、人間の言葉を話すウサギに導かれて だんだんと奇妙な世界へ誘われていく。雪子の記憶の底に沈んでいた、卒業式当日の出来事が…。

    宮沢賢治の童話らしいアニミスティックな世界観、そこに30代になった女教師のリアルな心情を持ち込んでいる。転校を繰り返し 故郷らしき所がない。雫の森小学校は既に無く桜の木だけが…しかし そこには確かに自分はいた。自然云々といった世界と雪子の今の状況(暮らし)を照らし合わせ、忘れてしまった記憶の中に大切なものがあったことを気づかせる。

    物語は 美しく抒情的な言葉で紡いでいく。しかし それは浮遊感のようなものではなく、大地に根を下ろした確かさ。人間と自然の共生(キャスト全員の存在/表現)した営み、そこに このドラマの新たな息吹を感じる。朗読劇とは違った魅力、それは人間(役者)が生き生きと動き回り、躍動感(生)を感じさせる。まさに舞台化と呼ぶにふさわしい。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/11/26 (水) 15:00

    26日に24日に続く2回目を拝見。

    初日は前から2列目/真ん中通路下手横に座ったら、眩しさ溢れる作品である上に、序盤でその席は土屋杏文さんの視線の消失点、気恥ずかしかったので今日は反対側へ。しかし終盤のキーになるシーンの一つではまた視線の先 笑。でも今日は幻想の世界に浸れていてなんとか平静を保ちながら拝見。

    今日気付いたのは、雪子の少女時代のユキコ役の蓑輪みきさんの序盤での儚げな視線が印象的でした。

    そして今日、急遽体調不良での出演者の変更で出演された野口結愛さん、我々一般の観客にの目にはスムースに劇に居られました。しっかり演じておられたなと思いました。さすが、演出助手を務めてここまで取り組んで来ておられただけのことはあるなと敬服。

    最後に、当たり前だと思いそこに触れる方が誰も居られないかも知れないのですが、主宰の吉田小夏さんの在り様/歌声はさすがでした。

    舞台後ろの電飾が満天の星の様で綺麗でした。天上には銀河だろうか!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    初日に続いて2回目の観劇。哀しい記憶を巡るファンタジーだが、昨年の朗読劇、今年の演劇化と、作品が成熟して行くプロセスを味わえるのは、観客としても嬉しいことかも。今日は大西さん演じる「泉」と雪子の再会シーンに心を持って行かれた。今日は福寿さんが体調不良とのことで、演出助手の野口結愛さんが代わりに出演。

    ネタバレBOX

    いいところで携帯鳴らすお方が(泣)。。。
  • 実演鑑賞

    昨年2024年に、同じ劇場、そして同じキャストで上演された演目が、翌年の2025年に上演される機会はなかなか珍しいと思います。元々はラジオドラマの脚本として生まれた物語が、昨年の朗読劇化、今年の演劇化と、時間とプロセスと稽古を経て、ゆっくり様変わりしていくことは、劇団活動の原点であり本質であると言えるかもしれません。見比べる楽しみもありますし、再会を喜ぶこともできます。青☆組は活動歴25年(劇団歴は15年)とのことで、創作団体として長く活動しているからこそ実現可能なアニバーサリー公演だと感じました。

    ネタバレBOX

    東京で教師をしている32歳の女性の元に一通の葉書が届く。差出人は彼女の恩師で、彼女が卒業した小学校の卒業式に出席し来賓として挨拶して欲しい、と書かれていた。その小学校は既に廃校となっているが、葉書から恩師の想いを感じとった女性は、懐かしい故郷へ向かうーー。上演時間は約65分。現在、過去、記憶などが幻想的に彩られ、ラジオドラマらしいオノマトペを多用した、「大人と子どものための寓話」という印象。手触りの良い、優しい表現に感じられ、手のひらに落ちる雪どけのような、繊細で儚い物語に触れることができました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ホンが良いんだろうな。宮沢賢治の世界がそこにありました。物語に浸れる65分間でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    封印された記憶を呼び戻す情感溢れるファンタジー、グッときました。前回のリーディング公演よりも、ブラッシュアップ感がありますね。ちょっと早めのクリスマス感を味わえました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/11/22 (土) 18:00

    ラジオドラマの舞台化だが、景色が立ち上がってより深い作品になっていた。(2分押し)64分。
     主宰で作・演出の吉田小夏が、2016年にNHKラジオドラマとして書き下ろした作品を自劇団で2024年にリーディング公演(観ている)、同じメンバーで今回舞台化した。演技と言うよりムーヴィングとでもいう感じの作劇だが、リーディングでは観客に想像させる部分が大きいように思ったが、今回はより場面が立ち上がって、説得力のある作品になっていたように思う。心優しく帰れる芝居だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    初日を拝見。昨年の朗読劇スタイルでの公演を観てから約1年。結構、細部を忘れていたことに観ながら気づく。温かくきれいな声の響きに包まれる65分。もう1回観る予定だが、おそらく今日とはまた違った感情が湧くような気が。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    『星降る教室』を眺めていると、
    ふと胸の奥に、昔の夢の気配が揺れた。

    光を抱く手、やわらかな風、
    名前のない記憶のほどける音。

    失くしたはずの小さな星が、ひっそりと瞬いていた。
    ただそれだけが、静かに心に残っている。

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