喜劇王暗殺 公演情報 喜劇王暗殺」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-9件 / 9件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/11/20 (木) 14:00

    1932年、来日したチャップリンが首相官邸での歓迎会に気まぐれから欠席したことにより五・一五事件に巻き込まれずに済んだという史実に想を得たフィクション。
    「(今後の日本は)右傾化する」という御神託があったり、喜劇王が難を逃れたことで「これで戦争を回避できた」と一同が安心したりすることにその後の状況を知っている身として思うところのものが多く、今、再演する意義を痛感する。
    また、喜劇王とカフェーに居合わせた面々の片言と身振り手振りの意思疎通に朝ドラ「ばけばけ」を連想したりも。
    あと、アフタートークでの「秘話」も興味深かった。
    なお、初演も観ていたが11年前だけにすっかり忘れていた。(爆)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    史実からインスパイアされたミステリー風味のワンシチュエーションコメディ。
    かなりいい感じで各キャラクターの物語が重なっていきます。

    ネタバレBOX

    チャップリンが大相撲を見に行ったことまで史実だったとはしりませんでした
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    喜劇王の“笑い”を愛し
    その“笑い”を守るために奔走する姿を描く
    ヒューマン・コメディという説明通りに
    結構な熱量で駆け抜けた感があった作品
    史実に合わせた辻褄合わせに
    何か背後に危ない感じがする世の中を
    逞しく明るく生き抜いてる感じが
    楽しめた舞台でありました

    ネタバレBOX

    有名なカフェと名前が似てて
    それが客数を伸ばしてるので
    あえて間違えを正さず
    営業をしてる喫茶店内が舞台で
    有名人の喜劇王も
    その流れで入店するのだが
    店に出入りする情報通が電報で
    官邸に行くと暗殺されると知らせてきて
    必死に店内に留めて
    官邸行きを阻止しようとする
    ドタバタを描いた話になってました
    男女の仲を描いたり
    婚活してる占い師さんが来たり
    お嬢様に女中ーメイドさんかなーとか
    濃い目の登場人物たちが
    騒がしくも明るく話を進行していきました

    なんとか喜劇王の興味を相撲に向けて
    暗殺は防げたのですが
    世の中の先行きが戦争という
    暗雲に向かいそうと暗示して
    終演となります
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「暗殺」というのだから、コメディの中にもミステリィ要素が差し込まれ、コメディだからこその騒がしさが協調されていたと思う。
    個人的にはこの騒がしさがちょっと苦手だけど、要所要所で全体を俯瞰してみているハルさんがGOODだったな。
    そして、チャップリンと付き人さんがお気に入り!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ニアミスの史実から、こんな話が作れるとはイイですね。いかにもトツゲキらしい舞台、大いに楽しめました。劇団員さん達のアフタートークも参考になりました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ラストがとても安心感に包まれるお話しで素敵です!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    実際の史実と想像を織り交ぜた舞台。五・一五事件の前日から当日を、ひとつのカフェを中心に描き、当時の人々のさまざまな想いが絡み合っていきます。時代背景はシリアスでありながら、随所にユーモアもあり、見応えがあって楽しめました。
    最後が、この劇団らしい前向きな終わり方だったのも良かったです。

    ネタバレBOX

    チャップリン暗殺未遂事件の史実は知っていたので、「あ、ここに繋がるのか」と思いながら観ていましたが、知らずに観たほうが先行きの読めなさをより楽しめたかもしれません(笑)

    そしてアフタートークで語られていた「喜劇王、暗殺」なのか「喜劇、王暗殺」なのかという言葉の二重性には思わず感嘆。この作品の「笑い」と「時代の闇」の両方を凝縮しているようで、タイトルの奥深さを改めて感じました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    1932(昭和7)年の五・一五事件と喜劇王チャップリン暗殺未遂、それを虚実綯交ぜにして描いた喜劇であり反戦劇。声高に反戦を訴えているわけではなく、舞台となる「カフェ ハル」の店主 春(ハル)の言葉が当時の空気感に対する警鐘に聞こえる。公演はコメディタッチだが、鏤められたチャップリンの映画のワンシーンや名言による揶揄や皮肉、さらに春の重石のような言葉が物語を引き締める。

    公演には出てこなかったが、「人生は近くで見ると悲劇だが 遠くから見れば喜劇である」といった旨の言葉も残している。昭和7年といえば軍靴が高く鳴り響き始めた頃、近くの足元どころか 遠い将来も危ぶまれていた。今も、世界のどこかで紛争や戦争が起きている。けっして他人事ではないのだ。この公演には 喜劇の底に悲劇が見え隠れしており、観応え十分。

    シンプルな舞台装置のワンシチュエーション、そこに集う人々の思いと優しさが きな臭い社会情勢の対比として描かれている。勿論、喜劇王を助けたい思いが中心だが、同じように傍にいる大切な人への思い遣りも しっかり描く。当日パンフにも記されているが、この物語は あくまでフィクションで人物や事件などとは無関係のコメディだと…。笑いと胸に迫るシーン、その感情の揺さぶりが みごと。
    (上演時間1時間50分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、中央に衝立2つ、その間を店の出入り口に見立て 上手/下手に丸テーブルと丸椅子がいくつか。また下手客席寄りに別スペース。シンプルな装置で「カフェ ハル」の店内を現す。上演前には格子状の照明が斜めに射し抒情的な雰囲気を漂わせている。

    物語は1932年5月。銀座に店を構えるカフェが舞台。この小さな店に世界的スターの喜劇王が来るという噂に湧きたっていた。実は同じく銀座にある「サロン ハル」と間違えたらしいが、それが喜劇王にとっては幸いした。日本は、だんだん きな臭い情勢になってきており、日米の戦争が実しやかに言われていた(事実そうなる)。国(軍)はその嚆矢となる口実を探していた。そんな時、アメリカから喜劇王が来日する。そこで喜劇王の暗殺が…。社会的には史実、そこに集う人々の思いを虚構として絡ませ、見応えのある舞台を立ち上げている。

    喜劇王は、当時の首相 犬養毅から官邸での歓迎会に呼ばれていた。カフェの人々は暗殺の噂を聞きつけ、なんとか官邸に行かないよう画策する。喜劇王は「行くな」と言えば「行く」ような変人のような性格として描く。当日パンフには「(喜劇王=チャップリンの)実際の出来事をベースにしているが、あくまでフィクション」とある。それでも劇中、彼の映画の名場面ー例えば「街の灯」や名言「下を向いていたら 虹は見つからない」等を鏤めて 彼の人柄なりを垣間見せる。劇中ではチャーリーと呼ばれているが、その容姿/風貌はチャップリンそのもの。

    カフェには、お見合いをするため占い師が来店していた。本人曰く「占い」ではなく「ご神託」らしいが、その話の中で「鑑定が良くない」が「官邸が良くない」といった言葉遊び(誤解)や、登場している人物が同時多発的に台詞を発する。そこに混乱と戸惑いといった騒動が巧く表現されている。また少し先は「右傾化」といったご神託。その後を知っている者には胸を突き刺されるような思いだ。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     初日を拝見。観るべし!

    ネタバレBOX

     板上は下手、上手に丸テーブル各1,テーブルには丸椅子。下手側壁の観客席に近い場所が丁度ベンチとしても機能するような状態になっている。ここが物語の展開する銀座のカフェ ハルである。板中央奥が太い柱に挟まれてカフェへの出入口となっており、出捌けはホリゾント下手・上手の側壁から。因みにハルの直ぐ近くに有名なサロン・ハルが在り時折サロン・ハルを目指した客が間違えてカフェ ハルに流れてくる。
     時は1932年、5月を中心としその約1年前から。因みに1932年は首相であった犬養 毅が海軍青年将校らが起こしたクーデタ、五・一五事件によって暗殺された年。犬養暗殺の要因は、農村部の極端な疲弊にあったということが出来よう。決起した青年将校らの姉や妹が貧しさの為に人買いに買われていた証言なども残っている。チャーリー・チャップリンが来日したのは丁度この時期、5月15日には首相官邸を訪れる予定が組まれていた。今作は偶々このカフェの客の1人であった櫻井の父がチャーリーの秘書・高野と知り合いであったことから様々な情報が櫻井に伝わり櫻井が実際にチャップリンが訪日する1年以上前から訪日に係る話をハルでしていたことが序盤で描かれる。常連客は地元の庶民が主体だ。とはいえ、銀座。モガは当時の流行であったから今作にもその服飾、髪型などに現れている。
     史的には、5.15事件当日、チャーリー一行は、首相官邸を訪問する予定であったが、急遽取り止め相撲を観に行った、とされている。今作は何故、急にそんなことになったのか、その謎が描かれる。実際に起こった歴史的事件を背景にチャップリンに対する人々の憧憬やチャップリンその人のお茶目で優しくスマートな人間性、秘書・高野との信頼関係の深さとサポートの妙。庶民的ファンへのチャーリー自身の共感と的を射た想像力の豊かさ、深さが完結に幾つもの挿話として描かれる。これらのシーンは圧巻。興味深いのは、これらの展開に巫女として人々の問いに解を与える目黒。彼女の解は正鵠を射、時代の不気味な未来を正確に示す。その一方で互いに惹かれ合っているにも関わらず言い出せないカップルを繋ぐチャップリンのアクションの粋が、彼の映画でも使われていた話や、その映画が実は歌舞伎にも翻案されていたのではないか? との視点迄が盛り込まれつつ、先に挙げた謎が見事に解かれる。

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