満足度★★★★
刑務官でした。
受付で紙を渡される。表に番号、裏には4つの役割に一つ丸が付いてる。自分は刑務官でした。劇場内に入ると、通常の座席は取り払われ、床にランダムに番号が刻印してあります。自分で探そうと2周ほどしましたが分からず係りの方に確認(^^;)
開演間近になると、役者がいつの間にかあちこちに陣取ってます。すると、白井さんの姿が。
さて、しずしずと始まります。
独白のような形から始まり、各役者が直接他者に接触するような場面は出てきません。
中盤からそれぞれがそれぞれの役割を変更したり交換したり。意見を出し合ったり。
劇中劇のようにも見えました。
各々の人格が高いレベルでしのぎを削る、まるでワークショップのような感じでもありました。
試みとしては非常に面白いです。
チケット代がもう少し安ければなお良いですが。
ちなみに、終演後帰り際ロビーで串田和美さんを見かけました。
満足度★★★★★
臨場感が凄い。セリフ、役者さんが素晴らしい。会場の工夫が面白い。リピートできなかったのが残念!
当日、チケットと交換に、座席番号の書かれたカードを渡され(わたしは0100)、
会場に入ると、普段ある観客席と舞台が取り払われて、
全面、撮影スタジオのような床、中央に正方形のライン(中央の舞台の領域)、
上から絞首刑のロープが1本下がっている。
その周辺には床に直に、席番号が並ばずにランダムに書かれている。
自分の番号部分に立つと、案内の人が「箱馬」(演劇やテレビ、舞台などで汎用的
に使う木箱)2個を持ってきてくれて入り口でもらった座布団を置いて座る。
天井も壁面もおそらく劇場のむき出しのまま。
俳優さんと同じ床面で、中央に舞台エリアはあれど、俳優さんは客席内を自由に動き回る。
セリフをしゃべりながら、すぐ横を通ったりする臨場感がある。
(ちなみに劇中では私の肩越しの陰に、池田さんが隠れたりしてました。)
手元のカードの裏には、裁判員、法務大臣、刑務官、未決囚と書かれ、
そのうち一つに赤丸が書かれている。(わたしは未決囚)
これは実際に何かをするわけではなかったが、
これも、これまで数々あった観客がドキドキする仕掛けの一つ。
なお、こういった仕掛けだけでなく、肝心の俳優さんたちでは
普段コメディが多い池田鉄洋さんは力強く、
須賀貴匡さんは、きりっとした佇まいがいい。
前説的な役割もした野間口徹さんは、狂気を内に秘めた静かな外見が特色。
わたしの好きな高橋一生さんの巧みさには毎回感心させられる。
今回一番良かったと思ったのは、田山涼成さん!
コミカルな役が多い田山さんですが、今回は常にシリアス。
とうとうとセリフを語る様が素晴らしい。
白井晃さんの作品は難解なイメージがあって、最近は敬遠してましたが、
本作の演出は適格と思いました。
何より、素晴らしいかったのは「セリフの言葉」。
モノローグ、ダイアローグの可能性を追求するワークショップ、リーディングを経て
生まれたと聞きましたが、「死刑」「加害者/被害者」など重いテーマでありながら
いちいち聞き惚れてしまうようなセリフの波を心地よく味わいました。
これはもう一回、ぜひ観たいと思いましたが、千秋楽間近だったので叶わず、
それが唯一残念でした!