バラバラ姉妹に憐れみを 公演情報 バラバラ姉妹に憐れみを」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    この劇団好き
    歪んだ人間達による、それぞれの関係の会話が面白い。
    どこか他人事ではなく、素直に笑えないのが怖い。

  • 満足度★★★

    俺は俺だという主張
     本作品は、家族や世間の人間関係なんてはかないものであり、信頼に足るものでないとする残酷な面をこれでもかと描いている。
     親や兄弟姉妹、恋人、友人全てが裏切り、無視、拒絶している断絶の世界。
     観ていて何でこんなにすれ違ってばっかり、合わせようとせず、嫌みと暴力に終始してしまうのだろう。
     不安と同居している男、DVな男、うそつきな女、セックス依存な女、愛情過多な女、血縁主義な女。
     異常というのはこうだと言っている感じ。あまりに異常だからこそ、笑ってしまう。
     
     ちんこを切ってまた新しいちんこが出てくるなんてことを大まじめに言う。
     それで、新しい人間関係を築こうとしている男になったりする。
     セックスが唯一の男女関係を成立すると考えている女。
     血のつながりこそ、家族のあかしとする姉。

     相手を信じない。信じたくない。信じても何も変わらない。
     それよりは始めから相手にしないか、反対のことを言う。それに限る。
     間違って相手すると、自分に負担をかける。
     そうならないため、予防線を張って対応する。
     関係そのものを分断することにきゅうきゅうする。
     それだけで大変なはず。考え過ぎなんだよ。素直に考えればいいのにと助け船出すと、余計なお世話となる。
     ひねくれることに生きがいを感じている人間のぶつかり合い。それがここのテーマ。
     バカだなあと俺なんか思う。
     どうでもいいことに情熱かけるオタクがいる。ここでは、人間関係を引き裂くオタクたちがいっぱいである。
     救われない人たち。そうした人たちをこれでもかと描いた貴重な作品。
     誰がなんと言おうと、こういうのがいるんだぞと主張した作品でもある。
     はたからみると、かわいそう。本人はだめだなあと思いもあるに違いない。
     それでも、人からやいのやいの言われれば反抗する。
     俺は俺だという主張である。

  • 満足度★★★★

    承認願望
    自分は変わらずに、それでもありのままの自分を肯定して欲しい、自己肯定感の低い今の青年の共通の思いだと思う。入れ替わるように連鎖していく人間関係をつなぐバトンは「寂しい」なのかな。この不条理劇は、心に素直にストンと落ちる。不思議だけど受け入れやすい。わかりやすくてクスクス笑うけど、クルリと世界が反転してゾッとしたりもする。共感の多い内容でした。

  • 満足度★★★★

    いつもいっしょに
    面白い。

    ネタバレBOX

    二人の会話劇から、一人がはけて一人やってきて、また会話して…ってスタイル。相変わらず屈折した人間のオンパレード。屈折する人間にさらに屈折する人間を当てると、一方が真人間に見える不思議。

    井上(善積元)…母を亡くし、その妄想にふける。京子(黒木絵美花)のDV相談を受けたり、田中(飯田一期)から無心される。チンコ切除。
    田中…粘着質な性格で京子からフラれる。また、ひかり(野津あおい)からダメだしされる。チンコが小さい。
    ひかり…本当の関係を模索するも見つけられない。智子(申瑞季)の血の繋がってない妹。田中をデブと罵る。
    京子…ダメ男を惹きつける力を持つ。セックス(の回数)が精神的支柱。
    智子…井上の血の繋がった姉だけど覚えてもらってない。元夫の子(と思われる)を育てる。

    洋子(川隅奈保子)は当初、井上の死んだ母として登場するが、終盤(7場以降)、皆の妄想存在のような描かれ方をする。それどころか、洋子の世界に皆が逃げてくるという感じで、こっちの感覚がぐにゃっとなる。
    舞台の土のオブジェ?のように乾燥している皆の心に、いつもいっしょと微笑む洋子とその空間。疲れた人間らのオアシスだなと。母は海というかね。

    野津あおいの手のひら返しっぷりが素敵。田中にデブって連呼するのとか最高。
  • 満足度★★★★★

    なるほど
    一見、ストレートな舞台のようで、
    どんどん雰囲気が変わっていくあたり。
    70分にその流れをきっちりまとめてくるあたり。
    非常に素晴らしい。

    これは登場人物たちのダメっぷりがそのまま作品の評価につながらない
    良い例のような気がする。

    シンプルで、ちょいゲージュツで、寂しさと、ちょっとした優しさがあって。

    「東京っぽい」というと語弊があるのかもしれないけれど、
    自分が最近ようやく認識しつつある漠然とした東京っぽさを体現しているような気もする。

    これが春風舎でなくて中心地のアゴラに投下されるあたり、
    しかも週末を挟んで1週間近くで上演されるあたり、
    アゴラの方向性が水素に向かっていることを示しているような・・。

    ネタバレBOX

    登場人物はみんなバラバラ。

    言ってることがくるくる変わり、よく殴られる女性。

    その女性のことなんかちーとも見てないのに、
    自分のことだけは見てろ、全面肯定しろと言って殴る小太り氏。

    何も信じてないのに、どこかに真実の愛的なものがある気がして内心少し焦っているっぽい?女性。

    女ににりたい、というよりかは、男のままでいたくない男。

    逃げた男の子供を引き取りながら、育児放棄をしてるような女性

    これらの表現が適切かは分からないが、
    登場するのは、なんだかこんな感じの、
    ダメな感じの男女。

    しかもお互い会話がまったく噛み合わず、
    お互いに自分の思い込みを押し付け合っては、
    結局は誰の言うことも理解しているようには見えない。

    なんだかなー、と、思って見ていると、
    最後でそれぞれがひとつにつながってくる。

    それは、たぶんみんなの死んだ(殴り殺されたと思われる)
    母親の想い出みたいだ。

    お互いの対話が全くかみ合っていないのにも関わらず、
    どうやら、母親への愛憎っぽい感情で、
    この子たちの心は実は一つに結びついているみたいだ。

    生きている人間同士では決して分かり合うことはなく、
    ただお互いに孤独なままに、
    死んだ母親の想い出に、想像の世界の中で癒されいていく様は
    非常に寂しく見える。

    そういえば、きのうお袋とニュースを見ていたら、
    息子をエレベータの事故で失った母親が、
    それ以後ずっとエレベータを使えないで階段を使いながら、
    こどものことを忘れないでいる場面があった。

    水素のハナシは、それの逆バージョンだ。

    きっと、その息子は、そんな特別な子じゃなかったんじゃないかな。

    クラスにいたとしても、クラスメートとしてどれだけ印象に残っていたか。

    でも、その母親にとっては特別で、
    そのニュースを見るお袋の目は、
    そんなことは母親にとっては当たり前のことで、
    死んでもいつまでも忘れないのは当然であるかのようだった。

    それが親子逆だったとしたら・・
    このわりとハードな現代社会で、
    そんなんで子が生きていけんのかね、と、思ったりもするが、
    この作品で描いているのは、まさにそこだった。

    恋人に暴力をふるっていた小太り氏は、
    シューマイにグリーンピースをのせるためだけに生きる、
    何も考えないマシーンになってでも生きていくため、
    殴り殺された想い出の母親に、
    自分が言ってほしい言葉をしゃべらせることで、
    命をつないでいくようである。

    ふと思う。

    母親との思い出がなかったら、この子たち、もうとっくに死んでたかもしれないな。

    母親は死んだかもしれないけど、
    この子たちの中に生きてるから、
    子供たちも、自分の中の母親を消さないために、
    苦しくても生きて行こうとするのかもしれない。

    母親は死んじゃったけど、どうもこの子たちをしっかりと支えてくれてるみたいだぜ、と気付いたら、どうもそんな悪い話じゃないな、と、ふと気づいた(笑
  • 満足度★★★

    苦手
    上演時間70分。不安感というか、不安定感というか、よく描けていることでかえって個人的に苦手な作風。

  • 満足度★★★

    嫌いやわー
    この芝居に出てくる人ほんま嫌いやわ(笑)
    男どもの衣装もなんか腹立つし。
    くそっ、人間はひとりなんだよ。それでも生きていくんだよ。
    おしまい。

    ネタバレBOX

    求められまくる黒木絵美花が可愛い。
    諸星先生の漫画に出てきそうなオブジェの意味はちょっと気になる。

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