満足度★
この世界はすべてこれひとつの舞台。
明治大学シェイクスピアプロジェクト「お気に召すまま」を観る。
この劇の中で,出て来るのは次の台詞である。
この世界はすべてこれひとつの舞台。人間は,男女を問わず,すべて役者に過ぎない。それぞれ舞台に登場しては,また退場していく。そのあいだに,ひとりひとりが,さまざまな役を演じている。
ここは,演劇というものを,シェイクスピア独特の視点で見ていたことがわかる部分だ。
「お気に召すまま」は,ロザリンドを恋するオーランドーの話が中心だ。少し時代が古いから,作品全体は,メルヘンチックになる。舞台の中心は,アーデンの森。そこで,男の子に扮したロザリンドは,オーランドーに恋のてほどきをする。本当に,わたしを「ロザリンド」だと思って,心の内をお話しなさい。オーランドーは,この趣向に夢中になっていく。最期の場面で,男の子は,実は「ロザリンド」であったことを知りめでたし,めでたし・・・ということになる。
シェイクスピア作品には,いろいろなものがあるが,かつてBBCで全作品を見た思い出の中では,この「お気に召すまま」は,不思議なものだ。とくに驚くような仕掛けはない。ただ,美しい音楽が全体を包み優しい気持ちになる。シェイクスピアにしては,鋭さはないかもしれないが,これも又シェイクスピアらいし,いや一番シェイクスピア的なものかもしれない。「お気に召すまま」は,だから,この作品は,どうぞご自由に鑑賞ください・・・と謎のメッセージを残した。
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
学生演劇の集大成といった感で、沢山の学生たちが青春の滾りで作り上げた熱い舞台。2時間半があっと言う間で心底楽しめました。3200人動員したそうですが、老若男女沢山の人がこうして劇場に足を運ぶには何が必要なんだろうなと考えさせられたりもして。役者さんやスタッフの中には既に小劇場で名を馳せている人達の名前も見かけますが、この学生の宝である「楽しんで演劇してる」感覚をいつまでも忘れないでほしいなとそう思いました。