公演情報
「水星とレトログラード」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
おもしろかった!5秒という訳にはいかないけど、あらゆるテンポも丁度よくて体感すごく短かった。笑えるし泣けちゃうし
ムシラセ保坂主宰の脚本やっぱり好き。主要お二人もほか役者さんも皆よく。見応えあり、楽しかった!
実演鑑賞
保坂萌作の戯曲を有馬自由が演出での新作。110分。8月11日までザ・スズナリ。
https://kawahira.cocolog-nifty.com/fringe/2025/08/post-5ed5e8.html
実演鑑賞
大人の風格?を見せた先般のOFFOFFでの4人芝居から、保坂萌女史の「らしい」着想が出たと思ったのが、「お婆さんとタイムリープ」。自分の口でこれを言ったら「認知症」が連想され、見事な親和性である。SFなのかリアリズムなのか、という二つのシーソーはリアリズムによる解明へと流れる所、不思議寄りの現象やダンスシーン等の舞台効果により五感に働きかけて左右に揺らし、中々の長丁場を乗り切ってフィナーレへ見事に着地させていた。
SFは設定が命、と幾度となく書いたが、本作の弱点は「一人がループしている」事であり、やがてそれは「一人だけループを自覚している」との説明で切り抜けるも、お婆さん(かんのひとみ)はリープのループ(水曜に始まって火曜の夜に終わる)を自覚するがゆえに自分は様々な対応をしており、一日に起きる幾つかの出来事さえ繰り返せばループしている事になっているというどこかいい加減な現象だ(だがいい加減だな、と思わせてもいけない)。そしてお婆さんがそろそろ抜け出したいと考え出す事から、身内のまず孫に「あたしはタイムリープしてる」と告げる。これをきっかけに母の面倒誰が見るか問題、息子家族や娘家族が抱える問題が炙り出され、一方お気楽なお向かいさん(田中真弓)夫婦と、孫の先輩、もう一人の孫娘の親友という存在が第三者として飄々と介入する。そして孫たち若者らがお婆さんをリープからの脱出を自らの使命とし、動き始める。つまり、何度も繰り返された時間(お婆さんは同じ一週間を51回繰り返して来たと言うが、後で分かった事にはその自覚以前から500回も繰り返していた)の、最後の一回となる一週間を描いたお話、という事になる。
(続く)
実演鑑賞
満足度★★★★★
水星とレトログラード 中日 観てきました🎊
タイムリープしているおばあちゃん と
取り巻く 家族 友だちetc.との物語🧓
SFっぽさもあるけど…
どの世代の方が見ても
“自身”と どこか重なる部分を
感じそうな 家族劇🕊️
夏休み お盆間近な この季節…
めちゃ お勧めですっ🤗
実演鑑賞
満足度★★★★
かんのひとみさん恐るべし。そのまんまの存在で見事に作品を成立させる不思議。知ってる婆ちゃん家に寄って2時間弱ごろごろ時間潰してきたような気楽さ。だがとてつもなく面白い。とある老女の等身大の生活とSFとが鮮やかに融合。どんな作品に出ても正解を叩き出す化け物女優。今回はホームの劇団において悠然と決めてみせた。
お向かいさん・田中真弓さんは声は死ぬ程聴いてきたが役者としては初めて観た。何かプレミアム。パンクブーブーの黒瀬純風味。
良い役者ばっか揃えてる。駄目息子・青山勝氏はイジリー岡田テイスト。真面目な娘・みょんふぁさんも素敵。孫娘のリケジョ・中野亜美さんはスタイル抜群。
娘婿の保険屋・宮地大介氏、お向かいさんの旦那・藤崎卓也氏はキャスティングするだけで作品密度が上がる。
売れない漫画家・川合耀祐氏はかなり腕があると思う。
中野亜美さんの親友リケジョ・鎌宮彩羽さんに見覚えがあって何だったかずっと考えていたが、3月にやった劇団員自主企画公演の『ぶた草の庭』だった。覚えてるもんだ。
祖父(藤原啓児氏)の一周忌も近く、一人暮らしの祖母(かんのひとみさん)の様子を心配する娘夫婦(みょんふぁさんと宮地大介氏)。小説家志望のニートの孫(前田隆成氏)を送り込む。孫にある相談をする祖母。「実は私、同じ一週間をずっと繰り返しているの。どうにか脱け出す方法を見付けて頂戴。」
ずば抜けて面白いSFコメディ。
是非観に行って頂きたい。
実演鑑賞
満足度★★★★★
2回観ました。
1回目は展開の面白さに満足しつつ、家族の情にもほろりとした感じで。
2回目は、物語の前向きさに元気もらえたような感じになり。
そこから一日たった今、このお話は、現実の痛みを緩和するためのファンタジーだったのかな、とか想像してます。
いや、まあ、自分は家族の介護経験や死を見取った経験がまだ無いので、ほんと想像ですが。
最初観た時よりも、だんだん評価が上がってる感じ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/02 (土) 14:00
とても面白い家族劇でした。
「水星」を聴いてから観劇したので、より楽しかった。
観劇後の心地よさが素敵。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/08/02 (土) 14:00
座席1階
劇団道学先生が、保坂萌という気鋭の劇作家の作品を選んだ。主宰の青山勝の目は確かだ。きわめて緻密に組み立てられた戯曲であり、母親の介護問題や配偶者に先立たれた女性の生き方、そして微妙な親子・兄弟関係という社会性をまぶした秀逸な作品。ラップを出演者全員に歌わせるなどの演出、昭和の居間・台所を中心に据えて両サイドから階段で登る踊り場のようなスペースを設けた舞台美術もいい。そして何よりも、道学先生を支える俳優・かんのひとみの演技が実に素晴らしい。涙あり、笑いあり。今回の道学先生の舞台も見逃せない。見ないと損するかも。
タイトルのレトログラードとは、腕時計などで使われている針の反復運動を指す。主人公の祖母(かんのひとみ)の言動に、「ついに認知症になってしまった」と思い込む息子や娘たち。しかし、祖母が言うにはレトログラードのようにタイムリープをしている、つまり水曜日を起点として1週間を何度も繰り返しているという。舞台は、亡き夫の一周忌を控えた1週間の設定で、本当にタイムリープしているのか、直前のことを忘れてしまっている認知症ではないのか、という思いをひきずって最後に驚天動地の答え合わせがなされる。
祖母の息子は妻に食わせてもらっているぐうたらぶりで、一人娘にも愛想をつかされ離婚を突き付けられている。祖母の娘は共働きで、認知症の疑いが出た母の面倒を押し付けられるのではと予防線を張っている。そうした家族の問題から「跳躍」したような部分で祖母のタイムリープが続いている。なぜ、そうなっているのか。誰かが仕組んでいるのか。こうしたなぞ解きのなかで、秀逸だったのはこの家などに営業にきている「ヤクルトおばさん」の存在だ。笑いを誘うせりふとやり取りを満載した、舞台から目を離せない会話劇が進行する。
道学先生は家族の悲喜こもごもを描いたら右に出るものはいない(と思われる)中島淳彦作品をやるために結成された劇団だ。今回は中島作品ではないが、タイムリープという斬新な切り口で家族の群像劇を構成した力作だ。道学先生は中島作品だけではないぞ、とファンの一人として肝に銘じたい。